モロッコ・ハマム入門ガイド

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ハマムと聞いて思い浮かべるのはバラの匂いにつるつる美肌にアンチエイジング・・・

そんなスパみたいな話はもちろん高級外人向けハマムの話。

 

ハマムとは本来は公衆浴場、銭湯のようなものだ。

モロッコ人はこのハマムをこよなく愛する。

砂漠の直ぐ側で暮らすモロッコの人々が日本人のように銭湯好きだとは思ってもみなかった。

 

銭湯といっても日本のそれとは違い、浴場はない。サウナがあるだけ。

スチームサウナの中で体をゴシゴシするわけだ。

中では垢すりやパックなんかもでき、モロッコ人の憩いの場となっている。

 

そんな大衆向けハマムに行ってみた。

行く前は勝手がわからずとても緊張したが、やってみると案外簡単なものだった。

初ハマムはだれでも緊張するとおもうので、この記事を読んで予習してもらうとありがたい。{場所はhotelMedinaすぐそばのハマム}

 

 

 

持ち物編

 

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モロッコ人は垢すり用のミトン、サボンノワールと呼ばれる黒オリーブ石けん、マイ手酌にマイバケツにマイマットを持って入ってくる。

バケツと手酌は借りることができる。

僕は石鹸、体をこする用のタオル、着替え、小銭だけ持っていった。

荷物は預けることができ、番頭が一応管理してくれるが貴重品は持っていかないほうが良い。

 

 

ハマム突撃編

①入り口は男女別なので気をつけよう

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ちゃんと書いてあるので間違えないように

 

②番頭に入浴代を払う

看板には12DHと書いてあるのだが、番頭のじいさんに「てめえは20DHだ!!」といって一歩も引かなかった。出ていくふりをしても全く動じないし200円位なので仕方なくカネを支払うと急に優しくなっていろいろ教えてくれた。そんな文字通り現金な番頭さんには気をつけよう。 

嫁さんはなんなく12DHで入れた。

荷物は棚に預ける。

 

③大きいバケツと手酌を借りる

急に優しくなった番頭さんが貸してくれた。場所によっては有料らしい。

ここは有料では無さそうだが、さっきのお金はレンタル料だと思うしか無い。

 

④着替え

日本の銭湯と違いパンツは履いたまま。

僕は海パンを履いていった。モロッコ人は普通にトランクスだ。

 

⑤スチームサウナ

着替えゾーンを抜けると便所と休憩スペースがある。

そこにある重い扉を開けると、モアっとした湯気が。

サウナ室は3つあり、奥に行くほど熱くなるという魁男塾的システムだ。

が、日本人の感覚で行くと一番奥でちょうどよいくらい。1番目の部屋はちょっと寒いくらいだった。

 

⑥バケツにお湯を貯める

どの部屋にも蛇口がある。

お湯と水が出るのでバケツに調度よい温度になるようにいれる。

きれい好きはバケツを最初に洗っておいたほうが良い。前に使った方の垢が浮いてくるので。

 

⑦バケツで陣地取り

そこら辺で寝っ転がったり垢すりに勤しむ人々を避けつつ空いた場所に陣取る。

モロッコ人の中にはマイマットで場所を取っている人もいる。

この辺で垢すりおじさん(三助)がよってくる。垢すりを頼みたいならお願いする。費用は要交渉。

 

⑧温まる

ひとまず温まる。

周りはどうなっているかというと、寝っ転がってゆっくりしているおっさん、ひたすら垢を落とすおっさん、友達同士で垢を擦り合う若者たち、なんかホモっぽいマッチョな世界が広がる。

 

⑨垢すり

体が温まり毛穴が開き始めたら体をこする。

モロッコ人はサボンノワールという黒くてねっとりした石鹸で体を洗い、垢すりミトンでそれはもうゴシゴシ垢をする。一週間に一回くらいのペースの人が多いらしく、ぞっとするほど垢がとれている。

友人同士、裸で必死に身体をこすり合い、マッサージまでしている。

「すっげ~こんなに垢取れたぞ」とか言って楽しそうだ。

 

⑩身体を洗う

長期旅行の人だとどうしてもシャワー生活になってしまうため、久々の広いスペースでの清拭にお湯ザバザバ使い放題はとても気持ちが良いはずだ。

 

⑪ゆっくり過ごす

モロッコ人は身体を洗ったあともそのままゆっくりしたり、一度外に出て身体を冷ましてもう一度サウナに向かう。

 

⑫着替え

温まったら着替え。

日本のように脱衣場はなく、番頭台の前で適当に着替える。

パンツがびしょびしょなので履き替えたいのだが、モロッコ人は乾くまで待つかそのままズボンを履いてしまう。

 

 

 

注意点

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きれい好きはスリッパを履いていこう

日本のように排水溝がそこら中にあるわけではないので、奥の部屋の方から垢の川が流れている。

モロッコ人は軽く水で流したあとそこに寝っ転がったりする。

なので衛生上不安がある人はスリッパやマットがあると良い。

 

飲み物は売っていない

風呂あがりにコーヒー牛乳・・・といきたいところだが飲み物はない。

なのでしっかりと水分補給して向かうのが望ましい。

 

夕方は混む

仕事終わりにひとっ風呂、というのは日本人と同じらしく夕方は混むらしい。

 

 

さいごに

ということで大衆向けハマムは楽しいところであった。

初めは何か形式張っていたりするのではないかと少し緊張したが、ほとんど日本の銭湯と変わらない雰囲気だった。違うのは浴室がないのとパンツを履いたままというくらいだ。

とくに決まったことはないので、日本で普通に行うように身体を洗いゆっくりとくつろぐだけで良い。

また、いろんな人が話しかけてくるのでモロッコでの客引き以外との貴重な会話ができるのもハマムの良い所。

子供が遊んでいたり、友達同士で身体を擦りあったり、頑固親父が怒鳴ったりとまるで日本の昔の銭湯のような風情があるので見ているだけでも面白い。

そんなハマムは風呂好き日本人ならとても楽しめると思う。