読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

tabing 世界一周

旅好きな夫婦が世界一周してきます。旅好きな人たちが集まるサイトです。

トドラ峡谷でベルベル人を思う

4月13日~

 

f:id:tetsujin96:20140422031039j:plain

 

ワルザザートのCTMバスターミナルから11時半のバスに乗って(30分遅れだったけど)ティネリールの町へ向かう。

モロッコ南部に入って行くと日本人がイメージする「砂漠の町」な景色が続く。

荒涼とした大地とオアシスに建つ茶色いレンガ作りの家、そんなスターウォーズで見たことがあるような景色。

ティネリールには3時間ほどで着き、お迎えに連れられて向かうは「ノリコさんの家」

ティネリールの町中からグランタクシーに揺られること20分位でノリコさんの家に着く。

大自然の創りだしたトドラ峡谷という絶景の中にそのゲストハウスはあった。

モロッコでは有名な日本人宿「ノリコさんの家」は絶景のど真ん中にあるだけではなく、なんと日本食が食べられるのだ。

 

 

旅と日本食

日本人バックパッカーに出会うと決まって日本食の話になる。

日本人長期旅行者は欧米人と違いバカンスという概念が無いため、「日本人長期旅行者=無職」という必然性が生まれる。だから日本人長期旅行者はあの忙しすぎる日本の労働環境からの開放感に満ちあふれているのでみんな楽しくやっている。

そんな僕を含めた世界を駆けるニートはというと、旅に出てすぐさま世界のあのゆるさと時間感覚に魅了される。日本と違いすべてが適当で、交通機関は時間などあってないようなもの、インフラが死んでいる、公務員のやる気なさすぎる・・・等々毎日が非日常なのである。

その中で気づくのは「日本が異常」なのであり、あの高度かつ正確なシステムの裏には多くの人間の労働があると気づく。日本人は文句を言いながらも、快適さを求めるために四六時中働いているといえるのかもしれない。

ということで一歩日本から出るとそのゆるさにどっぷり浸かり、「もう日本で働けねえ~」という重度の精神疾患に陥る。※東洋人もしかり。東洋人は仲が悪いがなぜか皆同じことを言う。

 

やっと本題だが日本食だけはどうしても我慢できないのだ。

電車が遅れようが、ホットシャワーが使えまいが、やる気のない公務員にイライラしようが、そんなことはすぐ慣れる。

だが日本食の恋しさだけは拭い切れない。

日本食が世界文化遺産になったらしいが、それは大いに頷けることだ。

日本食ほどの繊細さはどこの国にもない。南米などはほとんどの料理が「焼く・揚げる」のどちらかだけで、味付けは塩と胡椒ぐらいというものが多かった。

決して外国の食文化を卑下しているわけではない。その国で採れるものや環境によって料理の仕方が違ってくるからだ。だからその国で食べるなら現地の食べ方が一番うまい。

日本料理が凝り過ぎなのだ。特に出汁。出汁のような面倒なものは存在しない。

だから日本人の舌はかなり肥えている。

海外の料理もうまいが、どうしても「肉じゃが」や「煮物」や「親子丼」なんかが食べたくなって仕方がなくなる。

なので日本人旅行者にあえば「ホームシックはないけど、日本食だけは食べたい」という話になってしまう。

 

前置きが長かったがこの「ノリコさんの家」は本格的な日本食が食べられる。

魚から肉料理まで毎晩涙モノの食事が並ぶ。しかも食後にはほうじ茶が出る。

海外の日本食レストランはとても高いし味も怪しい物が多い。日本食レストランとうたっているが経営者は中国人なんて店が多い。

だからこの砂漠のモロッコの奥地でうまい日本食が食べられるここ「ノリコさんの家」は沈没者量産工場なのだ。

 

 

 

 

f:id:tetsujin96:20140422031216j:plain

で、僕達も沈没したのは言うまでもない。

ちょっと歩けばトドラ峡谷、洗濯は川でして、そんな景色を眺めながら日本の本や漫画を読む、テラスで。モロッコ都市部の喧騒もなく毎日が静かなのだ。

ちょうどこの時期は大学生などがいないため、純度の高い長期放浪者しかいない。アフリカを1年かけて回っていたり、南米の農場で働いていたり、全くノープランで1年以上彷徨っている人なんかがいる。

そんなノリコさんの家で久々に「時間」を楽しんでいた。

時間というのは当たり前にあるが実は奥が深い。時間は万民に平等であるといわれるがそれは違う。

今までその過ごし方のことしか頭になかった。時間とは有効利用してこそ価値があると。

しかし時間とはどう感じるかが大事だった。時間は時計の針の上では平等だが、それを楽しめるのはそれぞれの感じ方だ。お金を使って楽しむのも良いが、こんなふうに特に何をするわけでもないが何となく幸せだと感じることができる。それこそが豊かな生活だと思えてきた。

と、日本社会逸脱者が遠くモロッコでそんなことを思えるのが旅の醍醐味なのです。

 

 

トドラ峡谷

 

f:id:tetsujin96:20140422031247j:plain

峡谷を今までいくつも見てきたが、何度見ても自然の力には驚かされる。

こんな巨大な峡谷を創りだしたのはただの水の流れであるのだから。

水が途方も無い時間をかけて削りだした峡谷はどこにいってもその偉大さを感じさせてくれる。

 

 

f:id:tetsujin96:20140422031317j:plain

そんなトドラ峡谷はモロッコ人の週末の憩いの場であるらしい。

たしかに風通しが良いので涼しい。きれいな水が湧いている場所もあり、日本と同じようにポリタンクで汲みに来ている人も多かった

 

 

f:id:tetsujin96:20140422031335j:plain

トドラ峡谷はロッククライミングでも有名なところだ。

 

 

f:id:tetsujin96:20140422031350j:plain

インストラクター付きで崖によじ登っている風景がそこら中で見られる。そしてビーチサンダルで巧みに登っていく子どもたちもいる。

 

トドラ峡谷情景

f:id:tetsujin96:20140422031428j:plain

 

 

f:id:tetsujin96:20140422031442j:plain

 

 

f:id:tetsujin96:20140422031458j:plain

 

 

f:id:tetsujin96:20140422031514j:plain

 

 

f:id:tetsujin96:20140422031529j:plain

 

 

f:id:tetsujin96:20140422031543j:plain

 

 

 

 

 

 

f:id:tetsujin96:20140422031601j:plain

トドラ峡谷を奥に行くとちょっとした山登りができる道がある。

けっこうな岩場なので運動靴で登ったほうが良い。

とにかく暑いのでヘロヘロになってしまったが、景色は良かった。

 

 

f:id:tetsujin96:20140422031621j:plain

ノマド(カフェに居る人達ではなく本当の遊牧民)が住む地域なので、ヤギを連れた人たちとすれ違うことが多い。写真を求めたりお菓子をねだったりとここにも悪しきツーリスティックな産物が見られた。ノマドの人たちには罪はないのだが悲しいことである。

 

 

 

 

f:id:tetsujin96:20140422031644j:plain

この魔法使いは僕です。

モロッコで転職して遊び人から魔法使いになった。まだ呪文は自分にラリホーしか使えない。

という冗談がまかり通りそうなこの服はベルベル人の民族衣装「ジュラバ」

 

 

f:id:tetsujin96:20140422031700j:plain

これぞウンコ座り!!!

前日行ったティネリールのスークの古着屋で3DH(50円)で嫁と一緒に買ったジュラバは砂漠の雰囲気に似合う。これが意外に着心地が良くて日差しから身を守れ、中はとても涼しい。やはり現地の服を着るのがその国で一番理にかなった格好だといえる。

ちなみにこれを着ているとかなりの注目の的である。モロッコ人からしてみれば「芸者の格好をする黒人を見る日本人」と同じ感覚だろうから仕方がない。

モロッコのおじいちゃんがジュラバを着ると魔法使いか妖精っぽく見えてかわいらしいのだが、ひょろ長い僕が着るとねずみ男にしか見えない。

 

 

 

 

 

f:id:tetsujin96:20140422031803j:plain

トドラ峡谷に住むベルベル人の若者と仲良くなった。

家に呼んでくれて何度も食事を御馳走になった。彼はミュージシャンなので行く度にベルベル人民族音楽とロックを混ぜたという歌を延々と聞かされたがとても楽しかった。

彼はベルベル人という民族意識が非常に高かった。

彼は「モロッコの金持ちはみんなアラブ人で僕達ベルベル人は貧しい砂漠に追いやられたんだ。とくにベルベル人の高齢者はひどい生活をしている。だから僕のような若いベルベル人がちゃんとしなきゃいけない」と言った。

彼は今の住居を外国人向けのゲストハウスにしてそこをベルベル人の音楽が一緒にできる場所にしたいという夢を語ってくれた。

ベルベルとは「何を言っているかわからない奴ら」という意味からきている。彼らは北アフリカ先住民族であるが、歴史の中で何度も征服され長い間苦しんでいた。そんな中でも彼らは自分たちの民族文化を守り今に伝えている。そして彼にもその血が受け継がれている。

彼の歌がやけに心にしみた。