モロッコの美しすぎる「青い街シャウエン」の風景
4月25日
フェズのCTMバスターミナルを10時30分に出る。
1時間ほど進むとジブリ映画のような風景が現れた。
濃い緑に満ち溢れた山々、豊かな湖、放牧されるヤギ。
モロッコに来る前の砂漠や荒野のイメージがだいぶ変わってしまった。
ここはリーフ山脈。
標高2000m前後のなだらかな山々に覆われた緑の谷に、小さな村が点在している。
そんな美しい風景だが、ここは世界有数の麻薬生産拠点という真っ黒な裏の顔を持つ。
今から向かうシャウエンは日本で「かわいい青い街」として有名であるが、モロッコや欧米ではそんなメルヘン臭いイメージではなくハシシ臭い街として確固たる地位を築いている。
メルズーガの日本人宿のオーナーさん曰く、シャウエンに行くというと「ハッパをキメに行くんだな」とニヤニヤしながら言われちゃうらしい。
しかし日本のように麻薬ネガティブキャンペーンの嵐の中で育つと「麻薬」と聞けばすぐさま思考停止してしまうが、世界のいたるところではタバコのような感覚で吸われている。
もちろんモロッコでも違法なのだが、日本のパチンコ屋のようになんだかんだでまかり通っている。
ハッパ好きな旅人曰く、「ガンジャやハシシのような植物由来のナチュラルなものはタバコや酒のような嗜好品の範疇であり、本当に危険なのは覚せい剤やヘロインなどの科学精製されたものだ!!だから一緒にすんな!!」と御享受いただいた。
アメリカでも州によっては合法であるし、オランダでは町中に喫煙スペースみたいな「ハッパスペース」があるという。
旅に出るといろんな価値観に出会うので「人それぞれでいいじゃん!」と思えるようになってくる。僕も「人に迷惑をかけない限りは好きなことをやって人生楽しんだほうが幸せ」というテーマをもって生きている。麻薬礼賛しているわけではないが、すぐさま思考停止してしまう硬い頭では人生楽しめないので一項載せてみた。
ちなみに僕は麻薬はやりません。なぜならその分のお金でビールを飲みたいからです('∀`)
青い街シャウエン
バスターミナルからタクシーで5分。
そこはもう青の世界。
壁から扉から鉢植えまで青!青!青!
まだまだケツの青い僕は、この非日常感ただよう街の雰囲気がたまらなく好きになる。
モロッコの街はどこも色がある。シャウエンはとりわけ強いカラーだ。
何故青かというと諸説あるらしい。ユダヤ教徒の隠れ里だったとか虫除けだったとか。
インドのジョードプルというこれまた青い街に以前行ったことがあるが、あちらはどっちかというと水色でシャウエンはドラえもん色だといえる。
狭いメディナの中が白と青に染まっているので、ちょっと奥の路地にでも行くと異世界に降り立ったような気分になる。
そしてここでも普通に人々が暮らしているのだ。そこがテーマパークでは味わえない旅の面白さでもある。
シャウエン情景
宿は奥まったところにある「CASA AMINA」
親切なスタッフと静かで清潔なモロッコでは珍しいこの宿を選んだ最大の理由はキッチンがあることだ。
1ヶ月もの間モロッコフードを堪能したので、そろそろ自分たちで作ってみたかった。
メディナを出るとすぐに市場があり、肉や野菜が格安で買える。南米ではほぼ自炊であったため、久しぶりの楽しいクッキングタイムだ(といっても僕はミントティー係専業であとは全部嫁さん)
しかも満室だったがシングルルームに2人で泊めさせてもらい1泊80DH。食事を入れても一日一人1000円かからない。ということで沈没地に決定。
市場での買い物は旅で一番楽しい。
肉屋ではズル剥けヤギさんが吊るされていたり、生きた鶏を目の前でさばいてくれたりと相変わらずフレッシュな風景。
これだけ買って1000円いかない。
調味料などの品揃えはあまりよくないが、野菜や肉やスパイスは格安だ。
ためしにヤギのチーズを買ったが、食べてから2,3日は体からほのかにヤギさんのニオイが漂うのでレディーは気をつけよう。
野菜たっぷりパスタ
ミントティーはモロッコ風に砂糖を大量にブチ込むのがうまい!
パンがとても美味しく果物も安いので観光が疎かになり食事だけしているような生活になってしまう。
丘の上のモスクに向かう。
ん?なんか「丘の上のモスク」ってジブリっぽいな。
街を見下ろすとたしかに青い。
シャウエンは街全体が観光地といえる。
住民にとってはその辺の路地や扉をパシャパシャ写真に収める外国人が奇異に映るだろう。
僕は旅を続けていると、一大観光地よりもこういった「生活と共にある場所」の方が好きみたいだ。
京都や奈良に行っても世界遺産の寺社仏閣の間々にある古い町並みが好きだったりする。
シャウエンだけでなく、モロッコという国はそのような都市が多い。世界遺産の中に人が暮らしているという都市まである。
世界遺産の中で暮らし、世界遺産の中で生きている。そんな町はおもしろい。
普通の人からすると世界遺産なんて観光の目星でしかないが、そこで行き交う人々の暮らしに惹かれてしまうのも旅の楽しみである。
なので、そういう雰囲気があるところは立派な「沈没地」となっている。
そんなシャウエンでは
起床→朝食→市場へ買い物→昼食→読書→散歩→夕食→就寝
という生活を1週間も繰り返した。
しかしこれが飽きない。
市場は顔なじみになるとおまけしてくれたり、ミントティーを美味しく淹れる研究をしたり、キッチンでモロッコごはんをためしてみたりとなかなか楽しく暮らせる。
そして宿から一歩外にでるとそこは青い街。
シャウエンはそんな街です。
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SNSの絶景写真より、実際の景色は何百倍も美しいです。
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