南インド・マハーバリプラムでバターボールに戸惑う

8月23日

f:id:tetsujin96:20140829155652j:plain

南インドの玄関口チェンナイから車で1時間半ほどのところにマハーバリプラムという町がある。
小さい町だがビーチあり世界遺産ありというインドのスタートとしては上出来な町だといえる。
なぜなら町にはサーフィンや観光を楽しむ外国人向けの宿やレストランが軒を連ねているからだ。

 

 

f:id:tetsujin96:20140829160100j:plain

インドで怖いのはやはり下痢。
衛生の「え」の字も発することさえ許されない世界トップクラスのダーティーな国、インド。
世界最強の胃袋を持つ彼らの日常生活に一歩でも入ろうものなら、内臓がひっくり返ったような下痢に襲われる。


インドでの下痢は旅の通過儀礼といわれている。かくいう僕も2年前、下痢の概念を崩壊させる怒涛の破壊力を味わった。
町を一目見ればわかるその不衛生さは、真っ白なハンカチのような日本人の抵抗力を一瞬でインド色に染め上げてしまう。

 

ということで、インドに少しずつ体を馴染ませていくのがベターな作戦ではないかと思ったのだ。
どうせやる時はやるが、楽しい旅をトイレ軟禁刑にされないためにせめてもの反抗はしてやろうインドよ。

 

 

f:id:tetsujin96:20140829155828j:plain

マハーバリプラムは外国人向けの町なので、洋食レストランがあり、なんとビーフステーキやビールまでいただけてしまう。揚げ物とカレー地獄の前に、少しやさしいインドを感じておくことができる。
だからインドのスタードダッシュにはもってこいの町なのだ。

 

 


海岸寺

f:id:tetsujin96:20140829155909j:plain

読んで字の如く浜辺沿いにある寺院。
南インドらしいピラミッド型のヒンドゥー寺院だ。
イスラム教の影響が強い北インドに比べて、南インドはインドの先住民族であるドラヴィダ人の文化が色濃く残っている。北インドに比べて肌の黒い人が多く、そして親切な人が多い。有名な遺跡などは北インドに多いが、人や食事は南インドの方が断然良いとよく日本人旅行者から聞く。南インドは米が主食だ。コーヒーも美味い。

 

 

f:id:tetsujin96:20140829155938j:plain

浜辺を歩いていると海を前に寝そべる牛。
こんな岡本太郎でも描きそうにないありえない情景がそこら中に転がっている。それがインド。

 

 


アルジュナの苦行

f:id:tetsujin96:20140829160023j:plain

町の中心部に横たわる巨大な岩山。
そこには古い彫刻や寺院がたくさんある。歴史的に見ても大変価値のある文化遺産らしく世界遺産にも登録されているのだが、現地の人の憩いの公園のような感じになっている。
このレリーフは世界最大級だというだけあって、けっこうな迫力だ。
インド人をわんさか乗せた観光バスから、ぞろぞろと群れをなしてやってきて写真を撮りまくる。


インド神話について描かれているらしいが、とにかくインドの神様は日本の八百万の神のようにわんさか神様がいて、昼ドラ並みのドロドロの恋愛劇を繰り広げてはそこら中に子供を作りまくり、挙句の果てに腹が立ったから息子の首をちょん切って象の頭を乗せちゃったりととにかくスケールがデカすぎる。なのでいつもインドに行く前にインド神話を勉強しようとするのだが、名前が似たような神様が洒落にならないことばかりしでかすので結局疲れてやめてしまう。

 

 

バターボール

f:id:tetsujin96:20140829160200j:plain

そんな神々がたくさんいるインドには神様のお力なのか、謎の石がある。
この巨石。斜面にあるのに転がらないのだ。ただはまっているというわけではない。昔の王様が象で引っ張ったらしいが転がらなかったというじゃないか。もはやUMAだ。
実際に見てみるとたしかに不自然だ。観光客がふざけて押したりしているがもちろん微動だにしない。
この不思議な石に集まるように、沢山の人々が石の周りですごしている。
そこには子供からヨボヨボのおばあちゃん、さらに犬やら牛やら物売りやらがうろついている。
まるでインドの象徴のような不思議な石の周りにいると、たくさんのインドらしさに出会えた。

 

f:id:tetsujin96:20140829160247j:plain

 

 

f:id:tetsujin96:20140829160307j:plain

 

 

f:id:tetsujin96:20140829160341j:plain

 

 

f:id:tetsujin96:20140829160419j:plain

 

 

f:id:tetsujin96:20140829160453j:plain

バターボールに集まるインド的風景。

インドは本当にどこ見ても「インド」

カメラを右に左と忙しい被写体天国なのだ。

これほど写真を撮っていて楽しい国はない。

 

 

 

岩山の公園

f:id:tetsujin96:20140829160751j:plain

アルジュナの苦行もバターボールも一つの巨大な岩山にある。

この岩山は歩いてみるとかなり広い。
何の看板もなく道もあるようでない中をふらふら歩いていると、いきなり寺院や謎の灯台が顔を出す。

 

f:id:tetsujin96:20140829160854j:plain

 

 

f:id:tetsujin96:20140829160916j:plain

 

 

f:id:tetsujin96:20140829160940j:plain

 

 

f:id:tetsujin96:20140829160959j:plain

 

 

f:id:tetsujin96:20140829161024j:plain

 

 

f:id:tetsujin96:20140829161058j:plain

インドにすでに飲まれ始めている。

二年前あれほど苦痛だったインド。そして帰国後半年でまた行きたくなったインド。そしてそして気づけば今またインドに居る。

 

 

 

f:id:tetsujin96:20140829161405j:plain

毎食、外国人向けのレストランでチャーハンとか無難なものを食べていたが、だんだんインドの空気にも慣れてきたので最後の夜にチキンカレーを頼んだ。
が、これがかなりうまかった。辛いのは辛いが、日本のカレーのようにドロッとしていて、スパイスの深いコクがある。やっぱり本場のカレーは違う。

 

インドにも少しずつ慣れてきた!・・・と思った頃にコロっとアメーバ赤痢になったりひったくりにあったりするのがインド。気を引き締めていこう。
でも南インドはとても過ごしやすいところだ。蚊が多いけど。WIFIないけど。