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インド最大の聖地バラナシ「神と共に生きる人々」

9月1日

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バラナシ。
それは、ヒンドゥー教の聖地。
それは、はるかヒマラヤより流れでたガンジス川と共にある。
それは、世界で一番不思議な町であり、インドで一番インドらしい町。

 

ブッダガヤーよりバスで(4時間と聞いていたのに)10時間かけてやってきたのは聖地バラナシ。
ガンジス川にへばりつくようにあるこの町は、ヒンドゥー教の最大の聖地の一つである。
ヒンドゥー教徒にとって、死してバラナシの川の畔に葬られる事こそ至上の喜びであり、ここで死を迎えられたのなら、永遠に繰り返される輪廻から解脱できると信じられている。
この町は死を望むものが集う地でもあった。

 

 

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僕は2年前、ここバラナシにやってきた。
そして大いなるカルチャーショックを全身に浴びた。この町には非日常が渦巻いている。
町はまるでガンジスから生まれてきたように作られている。寺院やホテルや家が迷路のように入り組んでおり、生き物のように存在する。

 

 

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その狭い路地にはたくさんのゲストハウスや商店、そこを行くのはバイクに荷車に人、そしてそれを遮るように牛と犬がいる。

 

 

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狭い道を人々が思うがままに突き進み、そこに牛が寝ている。道は牛の糞とゴミで溢れ、雨が降ろうものならそのすべてが薄く伸ばされてまた道になる。そしてその道をインドの人々が裸足で歩いて行く。

 

 


ガート

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ガンジス川沿いにあるガート。
それはさまざまな意味を持っている。洗濯をするところであったり、沐浴をするところであったり、何もしないところであったり。
その中の一つであり、その中で一番大切な場所がマニカルニカガートだ。
ここは「火葬場」になっている。
ヒンドゥー教徒にとってここで死を迎え、ここで荼毘に付され、ここからガンジスに還されることが永遠の呪縛からの解放となるのだ。

マニカルニカガートはそんな大切な場所であるのに、火葬の見学が許されている。写真さえ撮らなければ、外国人でさえ許される。ここがまさにインド的であり、我々には理解不可能な世界だと思う。
そしてここでも巧みに相手の財布から札を抜き取ろうと弄する人間がいる。彼らは聖地であることを利用してまで、外国人を騙そうとするのだ。ハレとケも聖と悪も必要としない日常が流れる。

 

だから火葬しているその横では、暇なオヤジたちがぼーっとしている。彼らは仲間と喋ったり、チャイを飲んだり、ゲームをしたり、川で身体を洗っている。死者が焼かれ、葬られるそのすぐそばで。

 

僕たちは少し離れたところから火葬を眺めていた。
やはり余所者という少しの罪悪感がそうさせる。
火葬場は薪が集められたドームのすぐ下にある。死者はきらびやかな布に包まれたまま人々に担がれてここまでやって来る。遺体をそのままガンジス川に浸す。そして高々と積まれた薪の上に遺体を乗せ、火をつける。

火は少しずつ体を焼いていく。それを家族は静かに見ている。布が焼き切れ、そこから生身の足が覗く。火力が弱まると油や枯れ草を入れて焚きつける。火はパチパチと鳴りながら、死者を火で包む。その間、1時間ほどであった。僕たちはその遺体が真っ黒になるまでただただ眺めていた。たぶん、おばあさんのようだ。小さく痩せた体は火によって曲げられ、折られ、灰になる。係の男が竹の棒で遺体とともに薪を崩す。容赦なく叩き、突く。そして灰はガンジスに流される。
すぐに次の遺体が運ばれている。それが至るところで繰り返されている。
2年前と同じ風景。でもその衝撃は変わらない。

 

インドではだれでも哲学者になると言われている。
まさにこのマニカルニカガートがそうだ。
人間いつかは死ぬのである。僕もそう。そんなだれでもわかっていることがわかる。
日本にいると死はリアルではない。病気も犯罪も滅多に合わないし、飢餓や戦争もない。
海外に出てもそれは変わらなかった。治安の悪い国や地域をいくつも通った。気をつけてはいたが、死ぬなんてことは想像すらしなかった。死ぬなんていうのは宝くじに当たるみたいな非現実的な話でしかない。それは「本当にあるのだけれども、自分には関係のないこと」だった。
死は非日常ではなく、日常と共にある。マニカルニカガートの日常はそんなことを脳裏に焼き付かせてくれる。

 

 


ガンジスと・・・

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インドの神話、文化、宗教、生活と切っても切り離されないガンジス川
ヒマラヤ山脈から湧き出た水は、2500kmもの長旅の果てにベンガル湾へと向かっていく。

そこにはあらゆるインドの暮らしがある。
神聖な沐浴の場であり、風呂であり、洗濯場であり、牛を洗うところであり、船を浮かべるところであり、暇をつぶすところであり、子供の遊び場である。そして聖地なのだ。
そんな聖地だが、インドの人々と近すぎる関係にあるということで猛烈に汚れている。
「ガンジス河でバタフライ」なんて本があるが日本人にはかなり強烈な環境であるのは間違いない。
ガンジス川にはいろんなものが流れている。下水も含めた生活排水はもちろん上流の重金属工場からの汚染水から人の死体まで。ヒンドゥー教では未亡人や子供、蛇に噛まれて死んだ人間は火葬せずにそのまま流してしまう。
一つ聞いた話として、「日本人の旅行者がガンジス河でバタフライをしていたところコツンと背中に何かが当たった。それをよく見ると赤ちゃんの死体だった」
死を迎える町の川の畔には、気の遠くなるような昔から数知れない人たちの躯が川底に積み重なっている。
そんなところでインド人は沐浴をし、歯を磨き、洗濯をし、聖水を飲む。
ここは神の川なのだ。

 

神と共に生きる人々

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ただガートを眺めているだけで、気づけば数日が過ぎている。バラナシはバックパッカーの沈没地としてこちらでも「聖地」になっている。

 

 


プージャー

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ヒンドゥー教の祭礼で「供養」という意味がある。
毎日、ダシャーシュワメードガートで行われている。
18時過ぎになると、どこにこんなにいたのかと思うくらいぞろぞろと人々が集まる。
アップテンポなありがたそうな曲が流れだすと、彼らは歌い、手拍子をする。
綺麗に着飾った若い男性がろうそくを手に踊る。踊るといっても激しさはなく、ゆったりと煙を闇夜に燻らせる。

 

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ボートや供え物の売り子を払いながら、ガンジス川を前に踊る美しい景色に浸る。

 

 

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バラナシには5日間いた。毎日何をしていたかというと、ただただ同じことを繰り返していた。
朝ガンジスを見に行き、昼寝して、好きな本を読んで、夕方またガンジスに行き、へんてこな料理を食べて寝る。
まさに輪廻だ。1日1000円かからない頑張れば300円も夢じゃないバラナシには、バックパッカーを輪廻の奥深くまで引きずり下ろす。
そして世界でここでしか見られない、感じることができない世界が広がっている。

 

 

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インドってすげえな。