やっぱり美しいタージマハルとインド粉かけ祭り

9月6日

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5日間、ただ川を眺めて過ごしたバラナシ。
2年前と何もかもが同じだった。
このままではインドに取り込まれてしまうので、夜行列車に12時間揺られてアーグラに向かった。
アーグラと聞いても何のことかわからないだろうが、ここは言わずと知れたタージマハルがある都市である。
僕は彼の地も2年前に訪れていた。
2年前と少しも変わらない、寝不足の体には堪えるリキシャのオヤジ達の鬱陶しさ。

 


旅とSNS

アーグラではまたまたまた台灣の友人夫婦に出会えた。チリで始めて出会って、アルゼンチン、トルコ、エジプトと共にした。
運命的だと思われるかもしれないが、世界一周しているとよくあることなのだ。
同じ時期に同じ経路(地球東回り、西回り)を旅していると、だいたい行く所は絞られているのですぐ近くにいたりすることが多い。


しかも今やSNS隆盛時代、Facebookなどを見ていればどこで何をしているか手に取るようにわかる。だから友達が「今、◯◯に到着しました」なんてUPしたら、「僕も今すぐ近くにいるよ!」と連絡を取り合ってすぐに会えるのだ。
SNSには批判的な意見があるが、こういった出会いを手助けしてくれるツールであると思う。旅に限ったことではないが、「今、どこで、何を」という情報を不特定多数に向けてUPすることで、こういったことが起こるのは良いことだと思う。


旅だけではない。もう10年以上直接連絡を取っていない友人が意外に近くに住んでいたことがわかり一緒に飲みに行ったこともある。直接連絡するほどの友人はごく限られたメンバーしかいない。それに10年以上も連絡していないと気不味さもある。そんな時でもSNSなら気軽にコミュニケーションを図れる。

 

しかも世界一周ともなれば沢山の人に出会う。色んな国を周ってきた人たちと仲良くなれば、お得な情報や不安なときにも教えてもらえる。旅先で出会った人たちと別れたあとでも連絡を取り合えるので、もう帰国した人たちともいまだに交友が続いている。これってメールや文通ではなかなか難しいと思うのだ。

 

あと旅をしていると外国の友人もできる。そんな時にもSNSの上では僕も英語ペラペラなので、かなり便利だ。
その他にも一緒にツアーに行った人たちとサイト上で写真を交換したり、家族との連絡もできたりと、旅とSNSの親和性は高い。
今回もSNSで連絡を取り合って、アーグラで再会出来たのだった。

 


タージマハル

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白き大理石の輝きを放つ巨大なタージマハル。
たいそう立派な宮殿だから、どんな人が住んでいたのだろうか・・・と思えるくらいの美しさだが、実は「お墓」だ。
なんて豪勢なお墓なのだろう。隆盛を極めたムガル帝国が生み出した世界でも類を見ない美しさを誇るタージマハルは、その勢いを食いつぶすかのようにして作られたのだった。


入場料は750ルピー(1200円くらい)とさすがのお値段。インド人は20ルピー。もはや驚かない。
入場料は外人用の窓口に行くのだが、ここでもやたら親切な輩が集まってくる。
断言しよう!インドで親切な奴は詐欺師だ!いや、外国人だとわかって寄ってくる奴は極悪人だ!
そう思って生きなければならないのがインドの悲しい所。
日本人だと思えばハゲタカファンドのように湧いてくる彼ら。なぜか?

 

それは星の数ほどの日本人が彼らの良いように弄ばれているからだ。とくに空港から降り立ったばかりのインドの右も左も分からない日本人は彼らの大好物である。特に首都デリーではおぞましい噂しか聞かない。警察とグルになって集団詐欺までしてくる始末。
だから善良なインドの人には申し訳ないが、寄ってくる奴は「悪」だと断定すべきだ。日本人は人が良い。無視したり、ぞんざいに扱うのは気が引ける。でもそれは誤りだ。そんな人の善意に浸けこみ彼らは商売している。
列車でよくある話がある。同じ席になった優しそうなインド人家族。彼らと仲良くなるのにそう時間はかからない。彼らは友情の印だとチャイをくれる。チャイとはお茶、インド人といえばチャイである。お礼を言ってそれをクイッと飲み干せば、その人は深い眠りに落ち込む。起きてみれば、もちろん荷物はない。
日本人は格好の餌食。そんな風潮が無くならなければ、こういった悲劇が続くのだ。

 

話が長くなったが、この自称ガイドたち。
丁寧に窓口まで連れて行き、代わりにもらえる入場用の靴カバーと水まで手渡してくれる。もちろんその間僕らはずっと無視だ。
「ガイドいるかい?」
本音が出た。
「僕たちはお金がないから、ガイドいらない」
「安いよ!100ルピーで良いよ」
「僕たちは英語ができないから、日本語ペラペラな人じゃないと無理」
「じゃあ、すぐ日本語できる担当を呼ぶよ」
愛嬌ある断り方をしてやったのに、鬱陶しい・・・
無視して突っ走ると、すぐ駆け寄ってこういった。
「今日は日曜日。しかもインド人のスペシャルデ-なんだ。だから入場まで3時間待ちだよ」
「は?」
「でも大丈夫。ガイド付きなら1分で入れる」
目前の列を見ると、混んではいるがとてもディズニーランドの大行列と同じようには見えない。

 

ここは「ガン無視」しかない。
ガン無視とは本当に存在すべてを否定することであり、目の前でしゃべろうが踊ろうが痙攣しようがトロンとした目で前方を眺め続ける禅の境地である(インド、モロッコ、エジプトに行ったら誰もが習得できる)
もちろん我らは皆、ガン無視の極意を会得しているので死んだ魚のような目でただただ歩く。

さすがに諦めたその男がしたこと。
それは石を蹴る。飛んできた石は僕の足に当たる。
しかし僕は動じない。そうガン無視状態だからだ。
もう一度言う。インドの善良な人たちには申し訳ないが、「あえて言おう!寄ってくる奴は【悪】であると!」


ウザいガイドを追い払い、外国人用のゲートに入って行くと「3分で」入場できた。何が3時間や。
タージマハルは食べ物や水はもちろん大きいカバンや本なども持ち込み禁止。かなり厳しい。なので、カメラと財布だけ持っていくほうが面倒くさい事にならずに済む。

 

 

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これまた大きな門を覗くとそこには純白のタージマハルが。
何回見ても息を呑むほどの美しさには変わりがない。

 

 

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すごい人だ。
とにかくここは写真を撮るのがものすごく大変なのだ。
誰もが欲しいカット。真正面のタージマハル。イスラム建築らしい左右対称さを眺めるにはド真ん中に立つしかない。しかしそこには多くの観光客であふれている。しかも写真撮影を生業にしている連中が断固としてその場をキープしている。
もはやアメリカンフットボールの世界なのだ。
美しいタージマハルの下で繰り広げられる静かなる戦いは、いつまでも続く。

 

 

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成功例。

 

 

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失敗するとこうなる。

 

 

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タージマハルは王妃の死に悲しんだ皇帝が作らせたものだ。
大理石と美しい彫刻で彩られた巨大なドーム。一体いくらかかったのだろう。
しかも皇帝はさらに対となる真っ黒なタージマハルを対岸に建てる計画だったという。
タージマハルだけでも国家の根幹を揺るがすほどの大事業だったので、ついに皇帝は息子に捕らえられ寂しく死んだという。
ムガル帝国はその後少しずつ勢力を失っていく。タージマハルは一つの帝国の墓でもあった。

 

 

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少しずつ近づいていく。

 

 

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タージマハルは彫刻や絵も素晴らしい。
写真で見ただけでは分からないが、近づいてみると贅をこらした作りになっている。

 

 

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イスラム建築らしい狂ったような正確さに細かすぎる装飾。まさに当時の技術の結晶がタージマハルなのだ。

中はというと棺がぽつんと置かれているだけだ。
いかにもイスラム建築といったところか。
それでもドームの作りなどは気が遠くなるような精密さである。
タイルや彫刻も含めて、タージマハルは形容し難い偉大な建築だといえる。

 

 

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タージマハルの周囲はものすごく暑い。
照りつける太陽が白い大理石に反射され、上からも下からも熱線が襲う。

 

 

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2時間ほどの見学だったが、そのあと一日ぶっ倒れるほどの疲労だった。

 

 


ヒンドゥー教の祭り

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色とりどりの粉を掛け合うヒンドゥー祭り。
町中けたたましい音楽を鳴らしながら練り歩く集団で占拠されている。
近づくものは粉をかけられる。砂かけ婆はインドの妖怪だろう。
レストランのテラスで朝食をとっていたので、安全圏で祭りを楽しめた。

 

 

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で、何で粉なの??

 

 

そして次回は「実録!仁義なき戦いINインド」

乞うご期待!!!!