のんびりラオスの首都ビエンチャンはさらにのんびりしていた
ルアンパバーンから目指すはビエンチャン。
新しいエビ料理みたいな名前だが、れっきとした人口700000人を誇るラオスの首都である。
ん?
700000人?島根県と同じくらいではないか!
総人口630万人だからまあそんなもんか。
そんなビエンチャンはなかなかおもしろいことが多かったのだが、まずはそこに向かうまでが大変だった。
ルアンパバーンを朝8時に出発した。
9時間の旅程だ。う~ん長い。
本当はバンビエンというビエンチャンより3時間ほど手前のところに行こうとしたが、なぜかバンビエン行きもビエンチャン行きもバスの値段が同じだったのでビエンチャンに向かうことに。
ラオスの道は言うまでもなくボッコボコだ。
うねる海のような山を幾重もうねりながら進んでいく。想像しただけでも車酔いしそうだ。一番安いのはミニバンなのだが、小さな車内に詰め込まれるらしい。なのでここは豪華にVIPバスで行くことに。
輝く「V・I・P」の文字。
日本では無縁のこの3文字だが、ラオスでは僕も立派なリッチマンなのだ。
母ちゃん、オラ出世しただよ!
それでもミニバンが11万KIP、VIPバスが14万KIP(2200円くらい)
そんなVIPバスが・・・
止まった。
突然の大渋滞。
ビクともしない大渋滞。
何もない農村の端くれで大渋滞。
素朴な農村では大渋滞が一大事。
山の奥からぞろぞろと子供たちが降りてきては死に体のトラックやバスの群れを眺める。
結局は前夜の大雨で道がぬかるみになっている箇所があり、そこでトラックが弁慶のように見事な最後を遂げていたのだった。
おかげで2時間待ったぜ!
そしてビエンチャンに辿り着いたのは・・・21時。
あれ?真っ暗。
9時間と聞いていたのに、気づけば13時間。
渋滞の待ち時間を入れても計算が合わない。
どうやらラオスは時間軸が違うようだ。道理でのんびりしているわけだ。
明くる日、首都ビエンチャンを攻める。
いくらのんびりラオスでも、首都は活気があってむっつりしたサラリーマンが足早に駆けていることだろう。
う~んのんびり。
どこか日本の地方都市・・・から車で40分くらい行った辺りに似ている。
高いビルはなく、ものすごく短いメインストリート、そしてどこに行っても人通りが少ない。
でも町は街路樹がたくさんあり、アジアの首都にしてはゴミも少なくきれいだ。
「何もないね」
「うん、何もない。この町には始めから何もなかったんだよ」
村上春樹の小説にあったようななかったようなセリフしか出てこない。
いかんいかん!このままでは寝てしまう。
ラオス最大のショッピングモールなるものが近くにあるらしいので、そこに行ってみることに。
ラオスのナウいショッピングモール
ショッピングモールはまあまあ大きいではないか。
この辺は人も多い。見慣れた企業の看板もある。これは楽しみだ。
寝とる!!!!
いきなり寝とる。
東南アジア名物『やる気がない店員』だ。
ちなみに店員が客もいないのにニンマリ笑って突っ立っているのは日本くらいだ。
ヨーロッパですら暇だったらスマホでゲームしたり、同僚とおしゃべりしている。
中でもスゴイのは東南アジアだ。
スマホ、電話、おしゃべりなんて序の口。これを客がいてもやり続ける。
そして極めつけは、飯を食うのと睡眠だ。
麺をすすりながらの接客を受けるのは、東南アジアの風物詩でもある。
このおじさんのように見事に眠れるのは、治安が良いということの裏返しだろうか?
ラオス最大のショッピングモール内。
う~んこの田舎の寂れた駅前デパートな雰囲気。
イオンモールが押し寄せようが、郊外にアウトレットモールができようが全く動じないあの駅前デパート。日本の場合はおばあちゃんばっかりだが、ここはラオスでもイケイケのナウいスポット。若い子も多い。
お坊さんも多い。
2階はこちらも東南アジアでお馴染み金ピカ屋さん。純金のアクセサリーなどが売っている。
3階は封鎖されている。というか全体的に空きテナントが多い。
入口横は市場になっている。
スーパーマーケットの生鮮食品売り場が屋外にある感じだ。
おばちゃんがガンガン鶏の足を出刃包丁で叩いていた。
知っているブランドの店が殆ど無い。
やっとSK-Ⅱの店を見つけて、嫁が喜んで駆け寄ると・・・
鮭でできた化粧品を発見。
ん?鮭?
スカスカの店内でスマホのゲームに夢中な店員たちの間を歩いている時、嫁がこう言った。
「なんか歩いてるのに眠くなるね」
これに尽きる。
気を取り直して外に出て地図を広げると、近くに凱旋門があるというではないか!
意気揚々と歩いて行くと、こちらも絶妙なクオリティーの凱旋門が。
札束祭り
夜、屋台で食事していると寺の方が珍しく騒がしい。
どうやら祭りのようだ。
神輿にお札をビラビラなびかせている。
な、なんて美しいんだ!
現金教徒の僕には神々しすぎて目も開けられない。
そんなゴージャスな神輿や花を持った人たちがただただ寺の周りをぐるぐる回っている。
そんな祭だった。
いやあ、何もなかった。
もちろん有名なお寺やブッダパークなる観光名所もあるのだが、こちとらタイで寺をうんざりするほど見たので食指が伸びるはずがない。町を散策してみたものの、のんびりしている風景にのんびり身を委ねることくらいしかない。
ああ、ラオス。
これがラオスなのだ。
貧しいかもしれないが、この素朴さ、このゆったり感、この何もしなくても許される感じ。
忙しすぎるブラック国家日本でお過ごしのそこのあなた!
ラオスを一度訪れてみたらいかがでしょう?
と余韻に浸っていたところ、ベトナム行きのバスに向かう途中で恐るべきKYなものに会った。
ランボルギーニ先輩!
ラオスにも金持ちはいます。
あとラオスで見るランボルギーニはダサいです。
でもラオスは良い所です。