『夫婦で世界一周旅行』の総費用は300万あれば良い

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夢だった世界一周の旅。

華やかに見えるかもしれないが、現実は潰れそうな町工場の社長さんくらい全身全霊を込めたマネーとの戦いでもある。
まあこれは貧乏旅行の場合だけど。

だが長期で世界一周する日本人は95%が学生かプー太郎なので、軍資金が何よりも気になる人が多いはずだ。

 

今回はそんな旅に関するお金について、夢やロマンは一切なし、本気と書いてマジな世界を探訪しようではないか。

 

 

 

 

僕達が世界一周で使ったお金

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正直なところ、お金の計算は細かくはしていないのでちゃんとした数値は出せない。
家計簿みたいなのをつけ始めると、僕の中では「旅」ではなくなってしまうのだ。

仕事や義務でもないんだからだから、金が無くなった時に考えようぜ!って感じだった。

ということで、頭の中でふんわりと計算しつつ、その場その場の気分で流されてみた。なので正確ではないので悪しからず。

※レートは当時のもの :平均1米ドル=100円、1ユーロ=140円

 

僕たちの旅の基礎情報

期間:11ヶ月

2014/1/17~2014/12/9


訪問国:27カ国

(メキシコ、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、スペイン、モロッコ、フランス、スペイン2、チェコ、オーストリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、モンテネグロ、セルビア、ブルガリア、トルコ、エジプト、スリランカ、インド、ネパール、タイ、ラオス、ベトナム、カンボジア、タイ2、マレーシア、台湾)

 

総費用
1人145万円

 

145万円は多いか少ないか?

これは判断が分かれるところ。なぜなら期間や行きたい国やしたいアクティビティによって費用は大きく変わるからだ。

 

それではここからこの145万円を如何に使ったかの内訳を見てみよう!

※ここからはすべて1人分の費用をあげる

 

 

飛行機代(計13回)

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470000円(平均36000円)


これはかなり乗ったほうだと思う。

僕らは台湾やスリランカなどの島国に行った。島国は出入国がすべて飛行機になってしまうことが多い。

また危険な地域はケチらずに飛行機を使った。


一番高かったのは、日本~メキシコで10万円、一番安かったのはスリランカ~インドで1万円。
平均36000円になった。

 

飛行機は地域によって値段が大きく変わる。
ヨーロッパや東南アジアは飛行機会社の熾烈な競争やLCC路線の充実があるために、路線や時期によってはバスより安い。

友人はポーランドからスウェーデン行きの飛行機がキャンペーンでたった800円で乗れたという。しかしLCCは荷物代が高かったり、乗り降りが大変だったりと注意が必要なことがある。

変わって中南米、アフリカは飛行機代がバカ高い。

特に南米はLCCがあまりなく、かつ広大なため乗り継ぎが多いくせに結構高かった。

 

ちなみにこの飛行機代はほとんどの区間でLCCを駆使したが、これでも普通の人よりは割高なはずだ。

なぜなら僕らは気分でフラフラするスタイルだったので、基本的に直前予約の片道INだった。これならもしその国が気にいれば長く楽しめるし、つまらなかったらすぐに移動できる。しかしこれは飛行機代が割高になってしまう。
一番安く移動したいのなら、数カ月前から予約することと、航空会社のキャンペーンを狙うことだろう。これなら同じ航路を同じ季節にいったとしても、3割り近く安くなったように思う。

 


ちょっと話がそれるが世界一周旅行券について。
これはプランにもよるが30万円~60万円くらいで世界を一周できる航空券。しかしあらかじめ航路と日時を決めなければならない。

結論からいうと正直どっこいどっこい

南米やアフリカ、とくにイースター島に行く人なんかにはお得感はあるが、その他の地域はLCCを利用すればかなり格安の移動ができるので、トータルで見るとそこまで変わらない。

 

そしてこの世界一周旅行券の最大のデメリットは前述の「航路と日時を決めなければならない」ということだ。

これはあとから変更もできるが、手数料を取られてしまう。僕らもそうだったが、旅先で予定が変わってしまうことなんてザラであり、最初のプランを予定通り世界一周した人なんて聞いたことがない。仲良くなった旅人や現地の人との交流で、新たに行きたくなった国や、気に入ったのでもう少し長く滞在したいという誘惑に襲われることがたくさんある。これこそ自由な長旅の醍醐味だと僕は思う。

 

世界一周旅行券は短期間でササッと周るような旅の人におすすめだ。短い期間、若しくは日時が決まった目的が多い人は、世界一周旅行券を使うと便利だろう。

 

 

保険

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一人12万円 (日本興亜損保・海外旅行保険1年プラン)


これは高いように思うが、安心して旅だけを楽しみたいなら加入しておくのがベストだ。海外は言うまでもなく危険だし、食事や疲労で体調を崩すことは多い。
海外旅行保険にはこういった際に起こる突然の出費にも安心して対処できる。他にも飛行機の預け荷物の紛失や物損人身保証、さらにお世話になりたくはないが死んだ時に遺体を日本に送ったり家族が引き取りに来た時の保証まである。


クレジットカードの海外旅行保険もあるが、これは支払い後の保証になるタイプが多い。だから例えばアメリカで盲腸になって手術代200万円なんていう請求が来た場合は大変だ。
僕らは運良く保険会社のお世話になることはなかった。でも保険のお陰で気兼ねなく旅を楽しめたので、高い買い物であったとは思わない。

 

 

装備

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新しく買ったものは殆ど無い。
以前のアジアバックパッカー旅行で買っていた物、趣味の登山装備の応用、家にあったもので賄ったからだ。
実際、一から購入したとするとバックパックや日用品で5万前後、これにカメラやパソコンを持って行くとなると10~20万円ほどプラスされる。
装備について詳しくはこちらをどうぞ

 

【持ち物リスト】世界一周を終えてからバックパッカー装備をとことん追求してみる - tabing 世界一周

 

 

 

 

生活費

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ということで残りの86万円が11ヶ月の生活費ということになる。


これには食費、宿泊費、移動費(バスやタクシー)、観光費が含まれている。
僕らは1日平均3000円を目安にしていた。そうすれば1年で100万円ほどになるはずだ。結果は平均2600円だった。

僕らは世界一周といっても、物価の高い北米やヨーロッパには長く滞在しなかった。スペインには長く滞在したが巡礼の旅という特殊な格安ライフだったので、アジア並みに過ごせた。
期間を見ると、中南米2ヶ月半、モロッコ1ヶ月半、ヨーロッパ2ヶ月半、中東1ヶ月、アジア4ヶ月だった。物価の安いアジアや東欧に長くいたので平均を安く抑えることができた。


ここで僕たちが旅した各地域の生活費を大まかに見積もってみる(食費・宿泊費・交通費)
※値はすべて格安バックパッカー旅行であるので最安値近いと思ってもらったほうが良い。食事は屋台や大衆食堂、宿泊はゲストハウスなどの安宿になる。交通費は近郊の観光移動程度で長距離移動は含めていない。
1ドル=100円

 

メキシコは1日1800円~
宿泊費が高いが、移動費は結構安かった。
何を食ってもイカれた辛さなので「NOチリ!」とやかましく騒ぎ立てよう。


ペルー・ボリビアは1日1000円~
ゲストハウスは格安だが気まぐれな温水シャワーであることが多い。
食事は安いのにこれでもかと芋を盛られる。
しかしマチュピチュやアタカマ砂漠などの観光費がかなり高いことを留意。


チリ・アルゼンチン・ウルグアイは1日2000円~
チリは宿泊費が高い。アルゼンチンではUSドルは必需品。
この3カ国は宿にキッチンがあることが多いので自炊をすれば、この金額に抑えることができる。とりあえず肉を食っておけば幸せになれる。
しかしパタゴニア地方は交通費が猛烈に高い。


スペインは1日3000円~
スペインは西ヨーロッパの中ではかなり安い。
ホテルも探せば1000円ほどの激安ゲストハウスも見つかるが要予約。スペインは美術館や建築の入場料がものすごく高いのでそちらでかなり散財させられる。
バルのはしごはたまらない。


モロッコは1日1000円~
宿は探せばとてもきれいなのに格安なゲストハウスがある。
ボッタクリのレベルがすさまじいので要注意。でもオレンジジュースは絶対飲もう!


スペイン巡礼の旅は1日1500円前後
巡礼宿アルベルゲは無料~1000円ほど。
自炊も可能だが、商店はかの有名なスペインタイム営業なので昼休みがべらぼうに長く日曜は開いていないので注意。
もちろん移動費はタダ!


チェコは1日2000円前後
プラハは安宿が少ないので要予約。
ビールが美味くて安い。ビールがびっくりするくらいウマ安い。ビールが安いんだなあ。ビールが・・・


オーストリアは1日4000円前後
ウィーンはドミトリーで2000円超えの恐ろしいところ。移動もいちいち高い。
スーパーマーケットでちょっと買い物しただけで1000円越えた時、ちょっと泣いた。


クロアチアは1日3000円前後
ドブロブニクは観光地だけあってめちゃくちゃな物価。
ソベという民宿で自炊してこのお値段。バスも高い。
モンテネグロ、セルビアはこれより少し安い。


ブルガリアは1日1500円~
ドミトリー700円、大盛りケバブ200円というありがたい国。
ヨーグルトは100円で食べきれないほど。
それでいてWifi爆速というコスパ最高な国。


トルコは1日2000円~
イスタンブールは中心部から少し遠いところなら安宿がある。
意外に食費が高かった。気づけばケバブしか食ってねえ。
バスは豪華だが、お値段もそれなり。


エジプトは1日1000円~
格安な旅ができるが美味いものがないのと酒が少ないのがちょっと悲しい。
ダハブは松岡修造でも一日中寝ちゃうような恐ろしい廃人生産工場。


スリランカは1日1500円~
周辺国に比べると宿泊費が高い。
が、バス代が圧倒的に安い。4時間乗って200円。しかしその道は苦行に近い。
30円で震えるくらい美味い紅茶が飲める。


インドは600円~
キングオブ物価安っ!!
1泊ダブルルームで500円、食費は30円から。
もちろんクオリティーは・・・


ネパールは1000円~
レストランやカフェのクオリティーが高いのに値段は安いというありがたい沈没者養成スポット。
良い宿を見つければ廃人になれる。トレッキングになると費用が倍近く跳ね上がるが、間近でヒマラヤ山脈を見るとプライスレスと叫びたくなる。


タイは1500円前後
天国。以上。


ラオスは1500円~
タイより少し物価が高い。
それはほとんどの物を輸入に頼っているから。
だからお布施と思ってビアラオを飲みまくろう。宿の南京虫には要注意。


ベトナムは1500円前後
東南アジアでは宿が少し高めだが、総じてクオリティーが高い清潔なホテルが多い。
フォーは200円でお腹いっぱい。ホイアンではオーダーメードが格安なので女子が殺到している。


カンボジアは1000円~
宿がしこたま安い。
前回のアジア旅行では1泊1ドルのドミトリーがあった。が、そこはヨーロピアンのマリファナパーティー会場だった。


マレーシアは1500円~
宿が高くてびっくりした。意外に都会だったのに驚く。
格安LCCを生んだ国だけあって航空券が鬼安!


台湾、3500円?
ここは友人の家に泊めてもらっていたので、くわしい物価は分からないが多分この辺りではないかと思う。
ナイトマーケットで食い倒れるのも良し、おいしいお茶に溺れるも良し、小籠包であったかいんだからするも良し。


日本、5000円~
「カプセルホテル」という格安ホテルがあるが、蜂の巣のようなところにまるで奴隷船のように敷き詰められるので閉所恐怖症の人は要注意。
ヨーロッパに比べると意外にも外食は安く、牛丼というソウルフードは安い割にお腹にたまるのでおすすめ。
国内移動はべらぼうに高く飛行機や新幹線はもちろん夜行バスも狭いのに割高に感じる。有名だが英語が通じない。有名だが日本の政治家すべてが号泣するわけではない。

 

 

備考

・全てにいえるが首都や有名観光地は物価が高い。上記の値も首都や観光地が基準になっている。国によれば都心と田舎で2倍も物価が違ったりする。都会に見所がない場合はすぐに移動してしまうほうが節約になる。

・ちなみに聞いた話の中では、北欧・スイスの物価は聞いているだけでも身の毛がよだった(ビックマックセットが2000円とか)アメリカはレンタカーを駆使すれば多少安く収めれるらしい。

・僕たちは1日3000円を目安にしていたがこれはアジアを多めに滞在する予定だったからだ。北米やヨーロッパがメインならば5000円~を見ておいたほうが良い。

・生活費の内もっとも高い割合を占めるのは宿泊費だ。宿泊費はカウチサーフィンなどの無料もしくは格安で部屋を借りるようなサービスを使えば大幅に安くすることも可能だ。またオフシーズンだと交渉次第でかなり安く泊まることも可能。

 

 

忘れちゃいけないのは残しておくお金

「さあ、金も貯まったし今すぐ旅立つぜ!」となる前に気をつけておきたいのは、旅立った後でも日本でかかるお金の問題。
僕たちは住民票を海外に移したり、健康保険や年金の支払いを一時的に止めておく手続きを役所で行った。
さらに携帯会社にいって電話帳預かりサービスにプラン替えしてもらったり、奨学金を猶予してもらえるか聞いてみたりとけっこう大変だった(奨学金は海外留学や病気などの理由がいるため結局駄目だった)
僕たちはアパートを引き払って荷物を実家に預けていたため家賃などはかからなかった。出会った人の中にはアパートをそのままにしていたり、友人に貸していたり、倉庫を借りて荷物を預けていた人もいた。

 

引っ越し準備や手続きは早めにしよう! - tabing 世界一周 

 

円高?円安?

日本で生活していると全く気にもかけなかった「円の価値」だが、海外だとこれが死活問題となる。
僕らがプランを練っていた時は1ドル80円前後だったが、アベノミクスのおかげで一気に1ドル100円近くまで跳ね上がってしまった。さらにユーロ高にぶつかり、1ユーロ145円の暴雨の中でスペインにいた。1ドル120円の悪夢の際には物価の安い東南アジアにいたので、そこまで被害には合わなかった。


とにかく日本から出ても切っても切れないのがこの「円」である。

円安が進みトヨタやソニーなんかが喜んでいる中、僕らは遠い異国の地でヒイヒイ言っていたのであった。 

レートのチェックはアプリが便利だ。

 

為替レート - Google Play の Android アプリ

 

 

 

 

さいごに

お金の話ばかりになってしまったが、最後に一つ。

旅において一番大切なことはお金ではなく「安全」であることだ。
僕たちはいくら安いからといって危険な地区の安宿に行ったり、安すぎるバスや怪しいツアーなどには近づかなかった。今はインターネットがあるので、不安な地域は前もって調べておくことが望ましい。

冷静に考えればたった数百円の違いでしか無いことが多い。

そんなことで命や財産を危険に晒すのはどうであろうか?

 

また旅はお金をガソリンにして動いている。
だからお金は常に頭の何処かでフワフワと浮いているし、常時脳内そろばんは稼働しているようになる。
でもそれで無理にケチってあとあと後悔するようでは元も子もない。南米やアフリカのようにちょっとやそっとでは行けないようなところでは、「また来れば良いや」ってことにはならない。それこそ大損である。

 

だからこそ「これだけは絶対見てやる!」というのは絶対に決めておいたほうが良い。僕達も何度かお金のことで諦めたことがあったが、初めに決めておいた「夢」だけは何としてでも体験するようにした。

 

後悔なき旅というのは不可能に近い。僕らも旅の途中で聞いたり知ったことで「あそこもいけばよかった」なんてことは何度もあった。でもそれは旅でしか味わえないことであったりもする。

ああ、また行きたくなってきた。

 


まずは働かないとね(^O^)

 

tabing.hatenablog.com