現時点で世界一周旅行を格安で行う最善の方法
photo by AlicePopkorn
前回の記事で紹介した「旅のお金の話」だが、思っていたより安いんじゃない?というコメントを頂いた。
僕らの旅はまさに王道のバックパッカースタイルかつ物価の高いアメリカや西ヨーロッパを避けたからなのであれくらいに抑えることができた。
しかし、150万円は大金だ。
このお金を貯めるために、僕は結局5年近くかかってしまった。奨学金を返しながら、車を買ったりもしたせいもあるが、薄給一人暮らしだとかなり悲惨な生活をおくるハメになる。学生ともなれば、さらに大変な困難だろう。
ということで今回は、できるだけ安く世界一周を行うにはどうすればよいかというのを、現段階(2015年2月)で僕が知り得た情報の中で考えたものを披露してみよう!
飛行機
旅で最大のネックはこの航空券代だ。
LCCの登場によってだいぶ相場が下がってきたが、やっぱり高いものは高い。
そんな航空券は同じ路線でもLCCなら安く行けるのはもちろんだが、時期によっても値段は変わってくる。
行き先を決めたらまずチェックするのは「スカイスキャナー」
このサイトは星の如くある航空会社を一気に横断検索して、最安値を教えてくれるという優れもの。しかもそこからサイトまでジャンプして、そのまま航空券を買えてしまう。
さらに安くなったのを教えてくれるアラート機能までついていて、さらにさらに日本語対応、極めつけは手数料無料!
おすすめの使い方は行き先を決めたあと、出発日のところを「1年」にして調べること。そうすればどの時期が安くか一目瞭然なので、計画段階では大いに助かる。
航空券はオフシーズンはもちろん安いが、たまにその国の連休と重なって1週間だけべらぼうに高くなっているなんてこともある。なのでそういった変化を調べるのにも使えて便利だ。
スカイスキャナーと同じようなサービスにKAYAKがある。
たまにサイトによって若干値段が違うことがあるので、いくつかの横断検索サイトをチェックしておくのも良い。
スカイスキャナーでだいたいの相場をチェックしたあと、こちらのサイトにも寄ってみよう。
「Traicy」は航空券だけでなく旅のあらゆる情報が詰まった便利サイトだが、特に便利なのがLCCのセール情報だ。
LCCは時たま信じられない激安航空券をセールで流すことがある。
路線就航祝いに「片道800円」なんてニュースを見たことがあるのではないだろうか?
セールは開始同時に完売になったり、どんどん値段が釣り上がって行く早い者勝ち争奪戦となるので、事前に知っておけばおくほど有利になる。
かくいう僕の友人もポーランドからスウェーデンへ800円で飛んだことがある。もちろんセールだ。運が良かったらしい。
飛行機対策まとめ
①スカイスキャナーで最安値をチェック!
②セール情報から目を離すな!
宿泊
航空券代の次にお金がかかるのが宿泊代だ。
アジアなどの物価が安い国だと1泊100円なんてところもあるが、アメリカやヨーロッパでは連泊するのがかなりキツイ国も多い。
宿代が高いと自然と急ぎ足の旅になってしまって、せっかくの観光がへとへとになってしまうことも多い。
とにかく安く!という人におすすめなのは「カウチサーフィン」
これは旅先で部屋に泊めてくれる人を探せるサイトだ。
まずはじめにサイトに自己紹介などを登録する。そのあと自分が向かう町を検索し、泊めてくれる人を見つけて交渉するというもの。
運が良ければ無料で泊まれるのはもちろん、一緒に食事をしたりガイドをしてくれたりと世界中で友達が作れるチャンスがあふれている。
しかしデメリットもある。
ほとんど問題はないらしいが、100%安全とはいえない。それに交渉などで最低限の英語力が必要だ。
僕らはこれで断念して利用しなかったのだが、実際に使った人に聞いた話では、「友だちができて最高だった!」「現地の名物料理を作ってくれた!」という意見や「人の家だからあまりくつろげなかった」「ホテルと違って好きなように観光三昧とはいかなかった」という意見もあった。
ちょっとカウチサーフィンは抵抗があるという人には「Airbnb」がおすすめだ。
これは簡単に言うと、使っていない部屋や出張で家を空ける時などに有料で部屋を貸してもらうというサービス。
こちらもアカウントを作って、町を検索し良い所があれば交渉するという流れ。支払いはクレジットカードで行う。
うまく使えば安く泊まれるのはもちろん、ホテルだと高過ぎるような良いロケーションで泊まることができる。
ちなみにこのサイトを使って副業している日本人も多いとか。都会と観光地だけだろうけど。
他にも、Find House Sittersのような留守番を頼むようなサービスもある。
やっぱり人の家では落ち着かないという人には、やっぱりホテルやゲストハウスになる。
宿泊代金も航空券と同様、時期によって相場が変動する。バカンスで有名な島だとオフシーズンなら半額で泊まれたり、逆に祭りがある時期だと何倍にも跳ね上がったりする。記憶に新しいブラジルワールドカップの時は、普段の10倍もふっかけていたとか。
このサイトはそんな宿泊代金のシーズンをひと目で分かるようにできている。
計画段階では非常に助かる。
宿の検索は以下のサイトがおすすめだ。
サイトに寄って値段が違ったりするので、物価が高いところならいくつか見比べると良い。またいくら安いからといって治安の悪いところや、アクセスの悪いところ、盗難被害が起きるようなところだと元も子もないので口コミはよく読んでおいたほうが良い。
また食費を安くするにはやっぱり自炊が一番なので、キッチンがあるかどうかもチェックしておくと安く済ますことができる。
宿泊対策まとめ
①カウチサーフィンで友だちを作って無料で泊めてもらおう!
②Airbubで空いている部屋を安く貸してもらおう!
③宿はシーズンと口コミを要チェック!
移動
意外と馬鹿にならないのが移動費だ。
飛行機を使わないバスや鉄道での移動もうまく計画しておかないと無駄が多くなってしまう。
まず移動だけの観点でいうと飛行機は極力使わないほうが良い。
ヨーロッパやアジアはLCCの競争のお陰でバスや鉄道よりも飛行機が安いこともあるが、たいていは下道で時間をかけて進むのが最安だ。
なので一番安くしようと思えば(太平洋や大西洋を越えるような)大陸越えは飛行機を使い、あとは公共交通機関となる。でもこれだとものすごい時間がかかってしまうのでおすすめできない。
なので移動をどう安くするかは初めの計画にかかっている。
いくつか例を出そう。
例えば日本からA、B、C、Dの国を周るとする(ABCDは隣り合っている)
距離的にいえばAが一番日本に近いので、最初はAに飛べば良い・・・とはならない。なぜなら日本-Aの航空券が高いからだ。日本からCに飛んでぐるっと陸路で一周してAから帰るほうが安くつく。
これは航空券の問題だ。
地理的には近くても、路線の規模やLCCなどによって逆に高くなってしまうこともある。なので飛行機を使う場合はLCCが発展した国まで移動するか、相性の良い地域同士を探すのが良い。
次は陸路の場合。
世界一周で南米を訪れるとする。さてどう周るか?
まずは何をしたいか?何を見たいか?を考える。
観光地やアクティビティでは「シーズン」があることが多い。日本でも紅葉の時期の京都が一番きれいだし、冬の富士山は登れない。
なので何を再優先にするかをランキングにする。全部を一気に見るというのはなかなか難しい。
ここで大事なことは行きたいポイントを出来るだけ一筆書きでなぞりながら、シーズンに合わせて移動することだ。
例えば、マチュピチュ、ウユニ塩湖、パタゴニアは絶対に行きたいとしよう。
ここで問題なのはパタゴニアが3月中旬には冬になってものすごく寒くなってしまうことだ。
だからこの3点を結んで、しかもそのシーズン中に収める計画でなければならない。そこから他にも行きたいところを足していく。期間が長ければ申し分ないが、忙しいのだったらアマゾンやイースター島は時間的に難しいから削ろうとか、ナスカの地上絵は寄れそうだから加えようと考える。そしてある程度プランができたら、飛行機やバスの値段を調べて最安の道を考える。真ん中にあるボリビアやチリから入ってしまうと、飛行機代も高いし移動が二度手間になってしまうし・・・という具合だ。
移動計画は地理とシーズンを踏まえて考えよう。
まあ計画は旅先で人の話を聞いてしまうとコロコロ変わっていくのが旅の悲しい性だが、安く移動する経路だけはしっかりと考えておこう。
プランが出来たところで次は最近流行のカーシェアリングについて。
この「BlaBlaCar」はヨーロッパで注目されているサービスで簡単にいえば「相乗り」だ。決してピンクのワゴン車ではない。
高速代やガソリン代を割り勘しよう!というのがこのサービスの肝。ヨーロッパはバスや鉄道も馬鹿高いのでうまく使えば格安でヨーロッパ巡りができてしまう。
ちゃんと会員登録されているので、行き当たりばったりのヒッチハイクよりは安全だ。
移動費対策まとめ
①どこから入ってどこから抜けるのが大事。
②地理とシーズンを踏まえて移動は最短経路で。
③カーシェアリングでヨーロッパを駆け巡ろう!
観光
積もり積もってあとでビックリするのが観光費。
僕らはバルセロナでガウディ建築めぐりをしたが、これがまあ高いのなんの。サグラダ・ファミリアは入場料15ユーロとかする(2200円)
他にもマチュピチュは4500円、シーギリヤロックは3000円、ロス・グラシアレス公園氷河ツアーは8000円、バルセロナFCの試合は7500円・・・
チケットを安くする一番良い方法は『学生証』だ。
良い所なら半額や無料で堂々と入場できてしまう。でも学生でないならどうするか。
これには奥の手がある。
まずはどこかの外国語学校に入学すること。フィリピンやグアテマラなどでは格安で留学できるので、そこで作っている人もいた。
次は偽学生証を買うことだ。バンコクのカオサンロードで普通に売っている。でもこれは完全に黒なので何かあっても保証しない。
最後は禁じ手だが学生証っぽいものを堂々と見せるというもの。
僕の友人は学生証(本物)を宿に忘れてしまい、ダメ元でスキューバダイビングのCカードを見せたらすんなり半額になった。さすがエジプト。ほぼノーチェック!!
下の2つは完全にアウトなので、下手したら入場禁止にされてしまうから全くオススメしない。最近はかなり厳しいらしく、日本人旅行者がルーブル美術館で偽学生証を見破られて追い出されたなんてことを聞いた。
日本の恥じにもなるのでそういうのはやめておこう。なのでオススメは外国語学校で発行してもらうことだ。
やっぱり高いのはツアー代金。人気の観光地なら周辺の物価なんて気にしないので、びっくりする額になることも。
これは金額的にはそこまでお得ではないが、現地の人が連れて行ってくれるツアーサイト「Voyagin」
インドのスラム街を歩いたり、タイで象使いになれたりとなかなか経験できないツアーがある。豪華ではないが、お高いツアーにはない体験ができそうだ。
観光費対策まとめ
①学生証があれば大幅割引
②現地の人と交流してみよう
情報
さすがに世界一周ともなればガイドブックを全部持っていくのは無理な話。電子書籍にしようにもかなりの額になってしまう。
そんな人はまず図書館へいってみよう。
普通の図書館なら「地球の歩き方」が絶対に置いてあるはずだ。
日本でシェア1位のガイドブックなので、世界中をだいたい網羅している。
計画をたてるときは、行きたい候補の国の地球の歩き方をしっかり読み込んでおくと良い。地図や宿情報はコピーやスキャンしておけば旅先でも使うことができる。
旅の情報はトリップアドバイザーやLonely Planetでも調べられる。
口コミ情報はかなり頼りになるので、迷った時にはじっくり読んでおきたい。
その他の便利なサイトをあげてみよう。
アプリだがそこら辺のガイドブックでは太刀打ち出来ないくらいの豊富な情報が詰め込まれている。
国や都市ごとにダウンロードしていく。無料だがすべて英語なのでちょっと読むのに根気がいるかも。
地元の人のおすすめレストランを教えてくれるサイト。
最近、ちゃくちゃくとカバーしている国や都市を広げているので使いやすくなった。
このサイトは各地の名物料理を紹介しているので、B級グルメ好きにはたまらない。
情報化社会のおかげで、あらゆる情報を格安で使えるようになっている。かつては王様や官僚でしか知り得なかった情報が、インターネットをサーフィンすれば読みきれないくらいあふれている。
逆に言えばその情報をうまく収集して使えるかどうかが大切な時代になってきたということだ。
今回紹介したものは極々わずか。この瞬間にも新しいサービスやアプリが開発されている。もし良いのがあったら教えて下さい。
情報料対策まとめ
①図書館を有効利用しよう。
②役立つサイトやアプリを使い倒そう。
装備
意外と忘れがちになるのは装備にかかる費用だ。
家にあるものでなんとかなるものが大半だが、中にはちゃんとお金をかけないと逆に出費がかさんだり、過酷な旅になってしまうものがある。
そんな装備について、帰国してから僕が再考した物を挙げてみた。
やはりバックパックや靴なんかは安物過ぎると壊れたり疲れやすくなってしまうので良い物を買うべきだと思う。その他の情報はこの記事を見てね。
ここからはそんな装備を安く集める方法。
まずは王道のヤフオク。
カメラやレンズ、パソコンなどはちょっと古いものだと格安で購入できる。
もし海外で登山をするなら、ヤフオクで装備を集めれば半額くらいで買うことができる。
趣味性の高い物であれば、型落ち品で我慢すれば格安で揃えることができる。
またヤフオクを利用するなら、このサイトで相場を調べてから値段設定すると良い。
季節や新製品の登場などで値段が変動するので、装備を揃えるなら1年前くらいから始めたほうが良いだろう。
長期の旅行となると、ほとんどの人が引っ越しをすることになるだろう。
そんな時は不要品をただ捨てるだけでなく、物々交換してみるのも良いかもしれない。
あとはダイソーなどの100円均一ショップを利用すること。
生活のすべてをバックパックに詰め込んで旅をするわけだから、食事や洗濯といった生活用品も必要になる。100均では「これ、バックパッカーのために作られたんじゃないの?」と思えるようなアイテムが多い。
装備費用対策まとめ
①装備はヤフオクや物々交換をつかって安く集める。
②100円均一ショップはバックパッカーの味方。
まとめ
以上、現時点で世界一周旅行を格安で行う最善の方法でした。
旅だけに限らず現代は、如何に有意義な情報を早く安く上手く使えるかという時代になっている。
GoogleやFacebookが作ったこの道は、利用者にとって便利ではあるが情報が多すぎるという問題を創りだした。昔のように新聞とテレビを見ていれば良いという時代ではなくなったのだ。
そんなことで今求められるのはこのような情報を集め、選別し、効率的に実生活で使うということ。
なので、他にももっと良いサイトやアプリなどの情報があれば、どんどん教えて下さい。このブログもそうやって作り上げていけたら良いなと思っています。
では皆様、良き旅を!