僕の生まれ育った郷は、昭和的な漁師町だ。
一次産業の衰退と共に、唯一の自慢の漁港は干からびた網が這う寂しい風景に染まった。
公共事業と東京からのおこぼれで細々と生きている町。
若者はこの地を去り、慢性的な赤字と多くの高齢者を抱えた典型的な過疎地域。
でもそんな寂しい潮風が好きだったりする。
世界を周っていろいろな町を見てきたが、結局はこの魚の腐った匂いとねちゃつく風とぼってりした雲を見ているとなんだか一番落ち着くのであった。
サーフィンでもやろうかなぁと思っていたら、あれって波に入る場所や順番みたいなルールがあるらしい。
なぁ~んだ。