それでも町は生きている、というのが今回の写真集のテーマ。
住人自身が諦めきっているこのシャッター通りこそ、この町の縮図という皮肉。
そんな諦めとともにあるこのシャッター通りは、その姿を隠すことなく何事もないかのように風を通している。
ひっそりと息をすることだけが許されたような道を歩く、今日は日曜の昼下がり、開いているのは美容院とコインランドリー、それでも町は生きている。
混み合う車の列の中でポツンと捨て置かれたカート。
商店街では見ることが出来なかった人混みは、とりあえずここに来るしかなかったような顔で埋め尽くされている。
「まあ仕方がないね」
それでも町は生きている。