結局、初めてのファミリーキャンプテントは何を買えばよいか。『4人家族』『程よく安い』『設営簡単』
前回の記事で述べたように、テントはとにかく種類が多く、また値段の幅が広くて選ぶのがとにかく大変!
経済的に余裕があるのならデザインなんかで選べるかもしれないが、我が家はもちろんコストパフォマンスが最優先である。
ということで、こういう高い買い物をする時の鉄則!
まずは自分たちが欲しい機能、優先する事項を挙げてみる。
- テント選びで譲れない項目
- ローベンス クロンダイク(7万円~10万円)
- テンマクデザイン CIRCUS 300ST(46800円)
- スノーピーク エントリーパック TT(53784円)
- その他、迷いに迷ったテントたち
- 最終決定は・・・
テント選びで譲れない項目
『4人家族用テント』
今は3人だが将来のことも考えて=余裕を持って6人用テント
『出せて5~8万』
安すぎず高けりゃ良いというものではないコスパラインを狙う=タープ別と考えるとこの辺が限界
『設営が簡単』
夫婦共に3段ボックスすら満足に作れない不器用者=とりあえず立てるだけなら簡単なワンポールテント
以上の3点は絶対譲れない項目だ。
よって「6人用ワンポールテント=8万円まで」というのが我が家のテントにふさわしいということになる。
他にも、「質感はコットンが良い」「あまり人と被らないものが良い」「軽量」などなど邪念が渦巻いたが、これらは物欲と見栄が生む副産物なので、宝くじが当たるか庭から石油が吹き出すまで胸の内に封印しておく。
では、そんなこんなで森羅万象調べまくった結果、食指が動いたテントたちを挙げてみる。
ローベンス クロンダイク(7万円~10万円)
いきなりの欧州モノ。
さっきまで言っていたコスパはどうしたのだろうか?
邪念の権化、コットンテントへの憧れは誰しもが持つだろう。
山岳テントを持っているが、あのナイロンっぽい質感はコスパ&使い勝手最高だが、どうも居住性は悪い。
だがコットン製は重く値段が高くカビやすい、まさに金持ちの余裕が無ければ維持できない。
しかしコットンテントを無理して買っても(もちろん手が出ないが)、結局雨や汚れに気を使いすぎてキャンプの醍醐味が薄れてしまうような気がした。なんせ我が家の二歳児は笑いながらジュースをぶちまける悪行を平然と行うのだから。
そんな中、この「ローベンス クロンダイク」はポリコットン製。
ポリコットン(T/C)とは、ポリエステルとコットンの良い所を合わせた素材。ポリエステルの撥水性や汚れへの強さ、そしてコットンの質感を併せ持つ二兎追う者が二兎得た感じの万能感。逆に言えば、コットンっぽい「感じ」と普通のテントより若干重い中途半端なモデルでもある。
クロンダイクは、「ノルディスク アスガルド」のようなベル型テントで、しかもフロアセットモデルなのに10万円と同レベルのモデルからするとかなり安い。
ノルディスクやテンティピなどの高級メーカーはフロアシートが別売りなものが多く、しかもそれが抜群に高い。
※「ノルディスク アスガルド 12.6用 ジップインフロア」=51840円
しかもクロンダイクは自分で海外から輸入すれば7万円台も夢ではない。
大きさは6人用で16.1kg。
ベル型テントが欲しかったのは、ワンポールテントにありがちな外縁部のデッドスペースが解消される事と、換気が良い事がある。
これにより、ワンポールテントの設営のしやすさと大人でも立てる高さに加え、床面も十分に使える居住性が加わる。
こりゃ人気が出るわけだ。
さらにクロンダイクに惹かれたのは、男子諸君が大好きな「煙突」が出せる通気孔が標準装備。
真冬キャンプなんて絶対しなさそうだが、男という生き物はこれに非常に弱い。
薪ストーブで温まりながらウイスキー(飲めない)をちびちびなんて男の中の男ではないか!
ということで、ローベンスのクロンダイクが第一候補として君臨した。
テンマクデザイン CIRCUS 300ST(46800円)
次は国産の雄「テンマクデザイン CIRCUS 300ST」
最近、非常に攻めたアイテムを産み出し、ヒット連発即完売だらけの国産メーカー。
デザインや機能面から、「テンマクデザイン CIRCUS TCサンド」が欲しかったのだが、フロアシート/グランドシートと一体型ではなく、別売りのシートもベルクロ等で密閉できないようなので見送り。寒いのが苦手なので。
大きさはまずまず。
もう一つ大きな「テンマクデザイン CIRCUS440」もあるが、こちらは区画サイトでの設営が厳しい様子。
「大は小を兼ねる」は大抵の場合有効だが、キャンプの場合、大きすぎるとオートサイトなどの区画が決まっている所では、設営が難しかったりはみ出してしまうことがあるので注意が必要。
テンマクデザインのテントは、かゆいところに手が届くようなアイデアが満載だ。
CIRCUS300STでは写真のように、風通しの良いベンチレーター+雨の日でも濡れにくい荷物渡し窓のように、機能的なアイデアを盛り込んでいる。
グランドシートにファスナーがついており、写真のように土間を作ることができる。こうすれば雨の日でも快適に利用ができ、そして薪ストーブも使いやすい。
またワンポールテントにはなかなか無い前室(入り口の庇)があるため、雨や汚れの侵入が防げるのも、子供がいるファミリーにはありがたい。
しかし、テントの素材はポリエステル 210D。その分、14kgと軽いのだが、耐水圧
フライシート1500mmと少し心細い。
スノーピーク エントリーパック TT(53784円)
しかし、この辺りで少し冷静になります。
「自分たちはガチ初心者なのだ」と。
これはあらゆる趣味初めに起きる最初のマリッジブルー的なやつである。
そんな時目にしたのが、あのスノーピークの青田買いモデル『スノーピーク エントリーパック TT』である。
これは本当に商売上手なスノーピークらしい商品。
ちょうど僕のように選択肢が多すぎて、疲れてきた時に衝動買してしまいそうな巧妙なセットである。
なんせ一番値段が高く種類が多いテントとタープがスノーピークお墨付きセットとなっているんだから、悩める子羊が簡単に罠に落ちていく素晴らしい戦略的商品。
初心者客を始めにスノーピークに触れさせ、さらに店舗に行けば小物もスノーピークで買っていくことだろう。
エントリーモデルともなれば、必ずその先がある。初心者がもしキャンプにハマれば、確実に上級モデルを探すであろう。そうなれば、「スノーピークで揃えたい」「スノーピークの道具を流用できるじゃないか」「スノーピーク率が多いと安物が目立つなあ」「プラチナ会員になりたい」・・・嗚呼スノーピーク無限地獄。
逆にキャンプが合わなくてすぐ辞めてしまった場合でも、スノーピークが初期投資額を回収できる。キャンプは初期投資が一番大きい。
気づけばダンケルクに追い込まれた英仏連合軍のような状況に陥れるスノーピークの戦略は、最強としか言いようがない。
エントリーパック TT プロモーション動画|Entry Pack TT PV
それでこの動画ですよ。
かなり心が動かされた。
なんせスノーピーク製品のテントとタープセットで、5万円ちょい。
レビューを見ても、ほぼ高評価でコスパ最強との声も。
多すぎる選択肢を投げ出したい気持ち、誰かに決めてもらったほうが楽だという現実逃避、「初心者だしスノーピークさんが言うなら」という安心感、あえてエントリーモデルと名付けたスノーピークの戦略が深慮遠謀すぎる!
たぶん、初心者と自認し、手堅くステップアップしつつも、もしもの撤退リスクを想定している堅実な人には絶対こちらがオススメだ。
少人数でも使いやすい大きさ、テントとタープが個別に使える、セカンドテントにも最適な設定、まさに拡張性=伸び代しかない恐ろしいテントセットである。
その他、迷いに迷ったテントたち
急に自信が無くなった結果、登山でお世話になりまくってるモンベルにしようかなと誘惑される。こういうときこそ、ブランド力が発揮されるのだ。
僕はモンベルが世界最強コスパのアウトドアメーカーだと思っている。
ムーンライトテントは、設営簡単なのに雨や風に強く割と安いというまさしくモンベルらしい機能が備わっている。
名前は月明かりでも設営できるからムーンライトだとか。う~んモンベルらしいセンスだ。
でもやっぱり形が好みのティピーテントは捨てがたい。
ワンポールで立てられるのは本当に魅力的だ。
そこで国産に舞い戻り、ピルツに心が揺らぐ。
だけどシングルウォールというのがネックだ。結露の恐怖は登山でも身に沁みている。
でもシングルウォールならではの軽さは非常に気になる。
その他、もう考えるのが嫌になって定番中の定番コールマンに気移りしたり、謎の「あえて」が発動しカマボコテントを調べてみたり、最後には気が狂い始めてカーカムスやテンティピを海外サイトで探してみたり・・・
最終決定は・・・
これになりました。
おそらくほとんどの人が知らないテント『UJack(ユージャック) Desert 450』
このテントはまさに考えつくされた隙間需要テント。
満足感と機能性を両立しながらコスパよしモデルの全容はまた次回!
謎のスペックはこちら
↑次回「UJack Desert450レビューと設営方法」
おすすめリンク
キャンプ装備を一式揃えるといくらになるのか?を実践!