トレイルランニングに必要な装備リスト(ウェア・ザック・シューズ・GPSウォッチなど)
この記事にも書いたとおり、走ることは人間本来の営みであり、中でもトレイルランニングは最高に健康的でマインドフルネスだということらしい。
ということで、トレイルランニングを始めた。
これがとにかく最高で、「走る」ことというより、生きている感が半端ないのだ。
トレイルランニングに必要な装備を揃えて山を駆けずり回ってきたので、初心者向けレビューとまとめを行ってみる。
- トレイルランニングに必要な装備一覧
- レインジャケット
- トレイルランニングシューズ
- トレイルランニングザック
- ウェア
- GPS腕時計
- ハイドレーションパック&ソフトフラスク
- サングラス
- ヘッドライト
- 行動食&水分
- その他
- まとめ
トレイルランニングに必要な装備一覧
写真は晩秋の寒い日に走った中国山地のとある山奥。
標高1200mで、登山客もまばら。怪我や低体温などの症状が起きれば、スマホの電波も届かないのでかなり危険だ。さらに熊の過密生息地域でもある。
トレイルランニングは、ロードマラソンと違い、変わりやすい天候やもしもの時に命を守る装備が必要となる。
絶対に必要なものから、できれば持っていったほうが良いものまでを、理由とともに書いていこうと思う。
まずは絶対に必要なもの「トレラン三種の神器」から
レインジャケット
高山では、例え天気予報が晴れであっても、急な大雨や強風など天候の急変は常に気をつけなければならない。
夏場であっても、標高が高ければ気温は低く、雨に濡れた身体で強風を受ければ、すぐに低体温症となり動けなくなってしまう。現に登山中に遭難死してしまう人は、滑落などより低体温症が原因の場合が圧倒的に多い。
なので、トレイルランニングに限らず、山に行く時に一番重要なのは「レインジャケット」だ。
これはホームセンターなどで売っている雨合羽では意味がない。
山の雨は強風と共に降ることが多く、耐水圧が弱いレインジャケットではすぐに体が濡れてしまう。
しかもトレイルランニングの場合、激しい運動をしながら着ることになるため、GORE-TEX素材などの汗や蒸れを発散させる機能がないと、肌にひっついて不快であったり耐水圧機能が低下してしまう。
そのため、トレイルランニングでオススメのレインジャケットは、トレイルランニング専用か登山用レインジャケットが絶対条件だ。
おすすめは日本が誇る最強コスパブランドmont-bellの「トレントフライヤー ジャケット」
本格登山でも使えるレインジャケットの軽量版。
215gの軽さながら、GORE-TEX使用で耐久性も強い。
トレイルランニング専用ではないが、初心者の場合はしっかりしたレインジャケットが良い。
トレイルランニング専用ジャケットは、軽量化と動きやすさに特化しているため、耐久性に乏しいものも多い。そのため、ある程度経験や知識がないと不安な面もある
その点、mont-bell製品は直営店舗も全国にあり、コストパフォマンスも最高なので、初心者にはうってつけだ。
トレントフライヤージャケットの場合は、登山用レインジャケットの軽量版でもあるため、低山やオンシーズンの登山でも十分に使えるので一石三鳥くらいの価値がある。
とにかくレインジャケットは命を守る装備なので、ここは良い物を選びたい。
ちなみにウインドブレーカーを着ていく人も多い。
ある程度撥水性もあり、風を通さないので低体温症になりにくく、そして何よりめちゃくちゃ軽い。
コンビニでもらうビニール袋くらい薄く、100gを切るモデルまである。
が、耐久性や機能は低いのは考慮しなければならない。
トレイルランニングシューズ
トレイルランニングシューズとランニングシューズは何が違うのか?
非常に簡単に言うと、トレイルランニングシューズがアウトソール(靴裏)のグリップが強く、ランニングシューズより硬めにできている。
トレイルランニングは、写真のように岩場や沢沿いを走るため、非常に滑りやすい環境だ。
正直なところ、ランニングシューズでも問題なく走ることはできる。だが、精神的に安心できない。せっかく山に来たのに、転倒が怖くて恐る恐る走ったり、怪我をしてしまえば意味がない。
僕はトレイルランニングをするなら、安全と精神的な不安を取り除くためにも、そして楽しむためにはトレイルランニングシューズが必要だと思う。
アウトソールはこのような感じ。
ランニングシューズと違いゴツゴツしている。コースによっては、クライミングのように岩をよじ登ることもあるため、グリップ力は大切になっている。
僕はSalomonの「SENSE PRO 2」を買った。
トレイルランニングシューズのおすすめは、「自分の足に合った靴」だ。
デザインで選ぶのもよいが、足のサイズが合っていたとしても、指が当たったり甲の部分がキツかったりする事が多い。
特に日本人の足は扁平なので、外国ブランドの靴が合わない人が多い。
こればっかりは履いてみないとわからないので、専門店でスタッフに質問しながら選ぶのが良いと思う。
最近はAmazonでprime wardrobeというサービスがあり、試し履きして合わなければ返品できるようになったので、ホカオネオネなんて売っていないド田舎在住の僕のような人間にはありがたい時代になった。
※prime wardrobe対象商品のみ利用可能
トレイルランニングザック
自撮りなので写真が逆だが、トレイルランニングザックはmont-bellの「クロスランナーパック」を使っている。
容量は7Lと15Lの2種類あり、15Lを選んだ。ド田舎で登山客が少ない山を走るため、荷物が多めになるからだ。
腰のポーチはmont-bellの「クロスランナーポーチ」
こちらは地図やスマートフォンを入れている。すぐ取り出したいものはポーチに入れておくと便利だが、雨が降ると濡れてしまうので防水策は必要。
トレイルランニングザック(バック)は、走っても揺れにくいのが特徴。
さらに走りながら水分補給や行動食摂取ができるよう、色々なところにポケットが付いている。
これはメーカーやザックによって色々なアイデアが試されているので、一番奥が深いアイテムでもある。
容量の選び方は、金銭的余裕があるのであれば用途別に購入するのがベスト。
一番軽量なのはSalomonの「S/LAB SENSE ULTRA 5 SET」のような5Lくらいのベストタイプから、Ultimate Directionの「FASTPACK 30」のような通勤ランやファストハイキングもできる大容量タイプもある。
比較的短距離のコースであれば、ハイドレーションなどの水分補給と行動食とレインジャケットとスマートフォンくらいでよいので、5Lもあれば十分。
本格的な登山コースであれば、安全面を考慮して装備が増えるので12Lくらいは欲しいところ。
後述するが、安全面を考えれば装備は増えていくが、あまり重量が増えると走りに影響が出てしまう。
トレイルランニングの大会に出場する場合は別だが、初心者や僕のように登山+αでのトレイルランニングの場合は、容量を多く見たほうが良いと思う。
mont-bellを選んだのは純粋に安いのとフィット感が良かったから。
なぜかトレイルランニングザックは異様に高い・・・
中華製の安いザックがたくさん出ているが、それについては後述する。
追記
以上3点は『絶対に必要なもの』としてトレラン三種の神器としよう。
トレイルランニングはコースやレベルの幅がかなり広いので一概には言えない事が多いが、この3点があればどこでも安全に楽しめるだろう。
ウェア
トレイルランニングのウェア選びはなかなか難しいところだが、いちばん大事なのは「汗冷えや雨などによる濡れで起こる低体温症」を防ぐ事だ。
だが基本的に登山と同じように「レイヤリング」を意識すれば良い。
レイヤリングとは、例えばアンダーウェア(下着)は汗を発散させる素材で汗冷えを防ぎ、その上に着るミドルウェアはその汗や蒸れを外に出す役目の化学繊維素材のもの、アウターウェアは透湿性を保ちつつも風や雨は通さないGORE-TEXなどの素材のものにする。といった感じだ。
詳細は上記リンクの服装項目に書いているので良かったら見てください。
シャツ
僕は登山装備を併用して、
アンダーウェア=「mont-bell ジオラインL.W.Tシャツ」
ミドルウェア&行動着=「mont-bell ウィックロンZeoロングスリーブジップシャツ」
何だかmont-bellの回し者のようだが、とにかくコスパが良いので仕方がない。
ジオラインは速乾性が高く、ウィックロンZeoは透湿性があり日焼け予防にもなる。
日焼け予防も大事で、山は標高が高いため紫外線が強く、火傷をしてしまうことがあるので注意が必要だ。日焼けが重度だと、日射病や疲労の原因になる。
ちなみにアンダーウェアは、この「finetrack スキンメッシュT」のような網網タイプが最近すごいらしい。
汗をかいた瞬間には、もう消えちゃうんだとか。
ちょっと高いのと、ちょっと恥ずかしそうなのでまだ持っていないがいつか体験してみたい。
パンツ・タイツ
パンツは、UNIQLOのスポーツ用短パン。
スポーツタイツは「TESLA オールシーズン ロング スポーツタイツ」を利用している。
パンツは意見が分かれるところだが、僕はズボンタイプだと走りにくいのと蒸れが気になるのでタイツを利用している。
スポーツタイツは、「SKINS コンプレッションタイツ」のような高価なコンプレッションタイプもあるが、正直効果は色々意見があるようだ。
僕の場合は、木や石などから足を守るのと、防寒用として格安タイツを利用している。
天気が心配な時は、レインパンツをザックに入れている。
これに加え、冬季など寒い時期に走る場合は、ソフトシェルや休憩中に着るダウンジャケットなどが必要になる。
しかし冬に山で走るのは、低山であっても危険が高いので僕は実施していない。
が、上級者になると人気の無い山を走るのが最高なんだとか。
ソックス
ソックスは少しこだわったほうが良い。
トレイルランニングは、不整地を走り凸凹や急坂など足裏にかなりの負担がかかる。さらに靴内に汗もかくし、沢沿いでは濡れることも多い。
一度、普通のランニング用のソックスで走ったところ、靴内でズレが生じたり、蒸れてしまい不快な思いをした。
そのため、速乾性と耐久性が求められる。
フットマックスのソックスは、レビューでも好評な通り、まさにトレイルランニング専用ソックスといえる。
速乾性が高く、またサポート効果があるため、足の負担が減少する。
僕は不整地を走ると、まだ筋力が足りていないため、足底筋膜や足関節の外側靭帯に痛みが出やすい。このソックスで走ると、その後の疲労や痛みの回復が早いので助かっている。
少々高いのが難点だが、非常にオススメだ。
キャップ
かわいいので衝動買いしてしまったpatagoniaのダックビルキャップ。
アヒルっぽいので、熊に出会っても許してくれそうという気がして・・・
機能的には涼しいのと軽量なくらいで、正直コスパは悪いです。
ウェアに関しては、レインジャケット以外はスポーツ用のウェアで良いと思う。
わざわざトレイルランニング用の物を買うとだいたい高額なので、僕は登山用装備と併用か、普段のランニング用のUNIQLOやadidasを着ていくこともある。
とにかく汗冷えなどを起こさないよう、速乾性が高い素材のものを選べば良い。
あと、行動着は黒色だとスズメバチに襲われやすいので注意!
GPS腕時計
GPS腕時計は、値段は高いがあるとないとでは大違いだ。
詳細はリンク記事に書いてあるとおり、GPSで軌跡を追うだけでなく、その時の心拍数や標高やペースなど細かいデータも解析できる。
去年、中国山地の秘境を走った時の記録。
まだまだ初心者レベルだが、こういった記録の確認ができるとモチベーションや目標ができてますますトレイルランニングが楽しめる。
地図データを取り込んでおけば、簡易ナビゲーションとしても使える。
ハイドレーションパック&ソフトフラスク
水分補給に欠かせないハイドレーションパックとソフトフラスクだが、こちらは完璧に失敗した。
ソフトフラスクとは、写真のようなシリコン製のフニャフニャの水筒で、軽量かつ飲み終われば小さくたためるので便利なのだが、Salomonなどの正規品はとにかく高い!
ということで、中華製の安い「AONIJIE ハイドレーション ボトル 500ml 」を購入したが・・・10回ほどの使用で穴が空いた。
まあそもそも消耗品だし、安物なので仕方がないが。
練習ランニング中だったので良かったが、これが山であったとしたら非常に困ってしまっただろう。
ということで、嵩張るが安心のハードタイプにした。
まあ嵩張るが致し方ない。
同じ理由でハイドレーションパックも中華製にしたので、安心の「Platypus」にしました。
水分補給は非常に大事だが、飲み方は人それぞれ好みが出るだろう。
僕はザックのショルダーハーネス部ポケットのフラスクで水分補給しているが、ハイドレーションパックからホースで飲むパターンも有る。
別にペットボトルでも良いし、最近は「シンプルハイドレーション ボトル」のようなハンドボトルタイプもある。
サングラス
こちらも必携。
日差しから目を守るためだけでなく、枝や飛んでくる砂、さらには弾丸カナブンから目を物理的に防御するので着けたほうが安全だ。
こちらもOAKLEYなどの高級スポーツサングラスなどではなく、ズレにくいスポーツサングラスなら何でも良いと思う。
僕は中華製の「FERRY スポーツサングラス」を利用しているが、こちらは今のところ問題なし。ズレないし、レンズ曇りも起きにくい。ダサいけど。
2400円で2つの眼鏡と5つの交換レンズが付いていた。
偏光グラスであれば、日中でもトレイルが見やすいので、不要な転倒や事故は避けることができる。
ヘッドライト
夜間走る予定がなくてもぜひ持っておきたいのがヘッドライトだ。
事故で動けなくなった場合や道に迷ってしまった時、夜になれば辺りは真っ黒になってしまう。
スマートフォンの明かりだけで、夜の山を歩くのは大変危険だ。
購入したのは、「PETZL ACTIK CORE」
明るさや防水性などの基本的機能は十分ありながら、最大のポイントはUSB充電可能なところ!
電池式だといつ切れるか分かりづらく、予備電池も必要になる。以前持っていたヘッドライトは、電池を入れたままにしていたため、液漏れして壊れてしまった。
USB充電できるので、普段のランニング用としても使いやすく重宝している。
100マイル走などの日をまたぐ長距離走になると心もとないが、ヘッドライトとしての機能は十分すぎるくらいあるのでオススメ。
行動食&水分
トレイルランニングは高負荷なスポーツなので、栄養摂取しながら走ることは基本。
エネルギーは糖と脂肪から産生されるが、普段運動しなれないと、すぐに糖が切れてしまい「ハンガーノック」という恐ろしい状態になる。
これは糖が身体に少量しか貯蔵できないので、普段から鍛えてしないと糖が欠乏し、筋肉が動かなくなったり、低血糖症状で動けなくなってしまう。
栄養摂取は基本的に消化の良い糖分が重要。
ウイダーゼリーのような製品がイメージしやすい。
マラソンやトレイルランニング用の高濃度エネルギーゼリーみたいなのが消化も早く軽量でベストだが、馬鹿みたいに高いのでオススメしない。
僕はチョコレートやフルーツグラノーラを持っていく。これをちょっとずつ摂取しながら走れば、ハンガーノックを防ぐことができる。消化は遅いが、コスパが良い。レースでもないかぎりは、食べやすいもので良いと思う。
また運動中・後は筋肉の損傷の回復や、疲労が残らないようにするため、タンパク質やアミノ酸を摂取すると良い。
「アミノバイタル プロ」はよく利用されているが、こちらもけっこうなお値段がするので、僕はコンビニで買えるタンパク質多めのエナジーバーを行動食にし、運動後はプロテインを飲んでいる。
せっかく鍛えたのだから、プロテインは早めに摂取したいところ。
運動後、30分くらいまではゴールデンタイムと呼ばれており、この時間にタンパク質を摂取すると筋肉の再生が促されより強い体になれるというわけ。
プロテインは、最高に安いが最高にまずい「ホエイプロテイン 無添加 ナチュラル (3kg)」を利用している。
水分は水で良い。
長距離になると、昼食用にポカリスエットを持っていく。
持っていく水分量はなかなか難しいが、水場がないコースだと多めに持っていったほうが良い。
中国山地は水場があまりないので、携帯用浄水器を買おうか悩んでいるところ。
夏場は塩分摂取も忘れずに。
その他
ツェルト
僕は「ライペン(ARAI TENT) ビバークツェルト・ソロ」を持っていく。
ツェルトとは、緊急避難用の簡易シェルター。ポンチョのようにも使える。
遭難した時や豪雨に巻き込まれたときなどに、シェルターとして利用する。
これがあれば助かったのに・・・と言われないようにしたい。
熊鈴
一度、小熊と出くわした時は死を覚悟した。
最近の熊は慣れすぎてあまり効かないとの噂も。
トレッキングポール
軽量の物が高すぎて買えない(泣)
急勾配のコースでは有ったほうが負担が少ないが、正直荷物も少ないので邪魔な気もする。
エマージェンシーキット
救急キット。傷の手当やレスキュー用のホイッスルなど。
ハチに刺された時のポイズンリムーバーのような装備もある。
まとめ
ランニングと登山の良い所取りのトレイルランニングは、冒頭でも述べたが、人間本来の運動でもあるのでいざやってみると驚くほど面白かった。
しかも我がフィールドである無名の低山が連なる中国地方という登山趣味僻地において、トレイルランニングは相性が良い。
アクセスが良く、低山でも楽しめるからだ。しかも(かなり冒険になるが)バリエーションルートも豊富なので、日本アルプスのような有名な山でなくても新たな世界が作れるのだ。
ということで、トレイルランニングは非常にオススメ。
最近、ランニングにキャンプに筋トレとやることが増えすぎて散財が酷いが、人生楽しくやっとります!
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