エアロプレス+ステンレスフィルター+インヴァート方式で濃厚コーヒーを淹れてみた

tabing.hatenablog.com

前回記事でエアロプレスのペーパーを使った抽出方法を紹介しましたが、奥が深いエアロプレスの世界はまだまだこんなもんじゃありません。

今回は、ペーパーではなくステンレスフィルターを使い、インヴァート(倒立)方式でエスプレッソ風濃厚コーヒーを淹れてみました。

 

 

 

 

スタンダードとインヴァートの違い

 

スタンダード方式は、説明書に書いてあるメーカー推奨の抽出方法です。

スタンダード方式の詳細な抽出方法は、前回の記事で書いていますので参照ください。

 

インヴァート方式とは、エアロプレス世界大会の優勝者も行っている抽出方法で、簡単にいうとブランジャーを逆さまにして最後にキャップを締めてプレスする別名倒立方式。

インヴァートとは、「逆にする、反対にする、転倒させる」という意味なのでそのままですえ。

このインヴァート方式が人気で、世界大会や有名店でもこの抽出方法が使われていることが多いです。

なぜインヴァート方式が人気かというと、スタンダード方式には弱点があるからです

 

 

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スタンダード方式では、粉を入れたブランジャーに湯を注ぎ撹拌している間、ポタポタと湯が漏れてしまうという弱点があります。

※前回記事の「④湯を注ぎ、蒸らし・混ぜる」を参照

そのため、蒸らしが不十分になったり、コーヒーが少し薄くなってしまいます。

インヴァート方式は、ブランジャーを逆さまにすることで、この弱点を克服しているんです

では、実際にインヴァート方式の抽出方法を見てみましょう。

 

 

 

インヴァート方式の抽出方法

セッティングや事前の準備は、前回の記事と同じです。

・湯の温度を計測

今回はエスプレッソのような濃厚な味が出したいので、93℃くらいにしました。

・豆の量を図り、「中挽き」に挽く

豆は20g、中挽きより少し細かめ。ナイスカットミル目盛り③にしました。

豆を挽いた後、茶漉しを使って余分なカスを取り除いておくと尚良し。

 

①キャップにフィルターをセットしておく

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今回は『AeroPress用DISKコーヒーフィルターFINEタイプ』というステンレスフィルターを使いました。

詳細は後述します。

キャップにフィルターをセットし、湯で洗っておきます。

 

 

②ブランジャーにチャンバーを差し込む

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さあここからがインヴァート方式の醍醐味です。

チャンバーをしっかりとブランジャーに差し込み、スタンダード方式とは逆に倒立させます。

チャンバーのゴム部分がしっかりと差し込まれていることを確認してください。

少しでも隙間があったり、差し込みが浅すぎると、コーヒーが漏れてしまい大惨事になります。

しかしあまり差し込みすぎると、今度は湯があまり入らなくなるので注意が必要です。

いろいろなインヴァート方式のセッティングを調べましたが、写真のようにチャンバーのゴム部分が全て収まっているくらいが丁度良いようです。

 

 

③湯を注ぐ

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粉を入れたら平らにします。

最初は少し不安でしたが、しっかりゴム部分が入っていれば漏れることはありません。

茶漉しを使わないと、写真の薄茶色のカス(豆の皮や微粉)が残ります。

無駄な雑味に繋がるので、面倒くさがり屋でなければ取り除いておいたほうが良いでしょう。

僕は気にしませんが(笑)

 

 

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93℃の湯を100ml入れて、パドルで5回ほど撹拌し、1分蒸らします。

 

 

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さらに100ml追加投入。

200ml入れれば結構ギリギリになります。

 

 

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写真はブランジャー目一杯に湯を注いだ状態。

蒸らしや撹拌中に湯が落ちないので、落ち着いてできますね。

 

 

④キャップを締めて、ひっくり返す

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ステンレスフィルターを入れたキャップを締めます。

ペットボトルの蓋の要領です。

ここからがポイント。

 

本体をひっくり返して、サーバーorマグカップに立てます。

ここでスタンダード方式に戻すわけです。

ひっくり返すときに、当然ですがキャップ部分からコーヒーが漏れてしまうので、マグカップを近付けながら「ひょい!」とひっくり返すのがコツです。

 

 

⑤押すべし!!!

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あとは押すべし!

押す時間でも味が変わります。

今回は40秒でかけてプレスしました。

ペーパーでやるよりは、力がいりますね。

15秒くらいで一気にプレスすると、エスプレッソのような濃厚でオイリーになります。

手で押すのではなく、体重をかけるのがポイント。

コーヒーサーバーより、分厚いマグカップの方が安心感があって良いですね。

 

 

⑥完成

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味はステンレスフィルターの影響ももちろんありますが、スタンダード方式より濃厚です。

フレンチプレスのようなオイル感もしっかり出ています。

手軽に濃厚コーヒーが淹れられるのは、エアロプレス最大の強みですね。

 


キャンプでエアロプレスコーヒーを淹れてみた(インヴァード式)

動画も撮ってみましたので、よろしければご覧ください。

 

続いては、ステンレスフィルターについて詳細レビューしてみます。

 

 

 

 

ステンレスフィルターのレビュー

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able社のAeroPress用DISKコーヒーフィルターFINEタイプを購入しました。

able社といえば、『ABLE KONE コーヒーフィルター』でも有名な、コーヒー用具のサードパーティ商品を作っているアメリカのメーカーです。

 

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そう、うちにあるKONEと同じです。

ステンレスフィルターは、ペーパーのゴミを出さず、半永久的に使えるので非常にエコなアイテムです。

 

 

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able製品は、商品はシンプルですがパッケージや説明書がデザインよくてカッコいいですね。

さすがAppleを生んだUSAメーカーです。

 

 

ableステンレスフィルターの種類

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ableのステンレスフィルターはSTANDARDとFINEの2種類あります。

STANDARDは厚めで穴が大きいです。

僕が買ったのはFINEタイプで、本体は非常に薄く、写真のように小さな穴が無数に空いています。

FINEの方が穴が小さいので圧力が増加します。

そのためエスプレッソのような濃厚な味が出せるようになります。

 

STANDARDとFINEの違いは、この圧力の差があります。

STANDARDは厚めなので手軽に使いやすいためペーパーの代用として、FINEは濃厚な味が好きな人向けです。

圧力を高めるために、この2枚を同時にセットする強者もいるようです。

 

 

ステンレスフィルターの掃除

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抽出後にキャップを外すとこんな感じになっています。

ステンレスフィルターの弱点は、掃除の手間が増えることです。

ペーパーだとこのまま捨てれましたが、ステンレスフィルターを取らなければなりません。

 

 

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左上がステンレスフィルター。

割とべったり粉が付いてしまいます。

キャップのまま少し水をつければきれいに取れることもあるようです。

 

 

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付着した粉を指でこするときれいに取れます。

使用後に長時間放置せず、乾ききる前に掃除すれば問題はなさそうです。

もしこびりついたり、穴に粉が詰まっていても、湯につけて歯ブラシなどで洗えばきれいになります。

そこはステンレス製の良いところですね。

 

 

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FINEタイプは非常に薄く、少し力を加えると歪みます。

強度を心配する声もありますが、ステンレス製ですし、かなりぞんざいに扱わなければ問題ないと思います。

ですが、薄くて鋭利なので小さな子どもさんには触らせないほうが良いでしょう。

 

 

ステンレスフィルターのメリット・デメリット

メリット

・フレンチプレスのようなオイルを抽出できる

・圧力を高めることができるので、エスプレッソ風コーヒーも可能

・ペーパーのようなゴミが出ず、半永久的に使うことができる

 

デメリット

・片付けの手間が増える

・微粉が漏れてしまう 

 

 

ステンレスフィルターはエアロプレスの特性を高めるアイテム

 

ステンレスフィルターを使うことで、圧力が高まり、ペーパーによるオイルの吸収がないので、フレンチプレスやエスプレッソに近い濃厚な味が出せます。

しかしペーパーより片付けに手間がかかり、微粉が漏れ出てしまうのでザラっとすることがあります。

総評としては、エアロプレスの最大の利点である「手間を掛けずに濃厚なコーヒーが作れる」というコンセプトが合う人には、ステンレスフィルターを追加することでその点を最大化することができます。

 

 

そのため、ステンレスフィルター+エアロプレスであれば深煎りのコーヒー豆がおすすめです。

個人的にはコクのあるマンデリンとの相性が良いと思いました。

エアロプレスは豆の品種によって抽出方法を変えて調整することもできるので、コーヒーライフが広がる素晴らしいアイテムだと思います。

豆の品種はよくわからない方は、『加藤珈琲店 電撃の珈琲福袋[Qコロ・Qエチオピア・ラス]』のようなシングルオリジンの豆が数種類を選べる、しかも格安な商品がおすすめです。

 

 

 

おすすめコーヒー記事リンク

こちらはエアロプレス本体のレビューとスタンダード方式での抽出方法を書いています。

 

エアロプレスはアウトドアにも最適です。

ステンレスフィルターは片付けに手間がかかるので、アウトドアでの利用はペーパーの方が良いでしょう。ペーパーならそのままゴミ袋に押し出せば済むので。

 

入店ハードルが高すぎな東京のスペシャリティコーヒー店巡りもしました。