ライカM3を買って3ヶ月のレビューと、撮影フィルム8本の中のベスト写真

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気が遠くなるほどの膨大な時間と軍資金を投入して購入したライカM3とズミクロン初期型。

購入して3ヶ月でフィルムを8本ほど使いまして、その中でのベスト写真をレビューに乗せて打ち上げてみます。

 

 

 

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最初の撮影は出雲大社。

レンジファインダーとズミクロンの絞り作業に慣れなくて四苦八苦しました。

あと露出計のありがたさを痛感した思い出。

 

 

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全然慣れなくて「ちょっと失敗したかな」なんて思ってましたが、出来上がりを見てそんな思いも吹き飛びました。

60年以上前のカメラとレンズでこの質感!そしてフィルムらしい粒子感!そしてそしてオールドレンズらしいゴースト!

これは奥が深いぜ・・・

 

 

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一発勝負のフィルムカメラで子供を撮るというのは暴挙に近いと思っていましたが、これがなかなか味のある写真が撮れます。

よくよく考えれば、僕が子供の頃の写真はみんなフィルムですからね。

印刷すると昭和感が半端なくて最高でした。

 

 

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動き回る子供を撮るのってデジタル一眼レフカメラでもけっこう大変なんですが、レンジファインダーの利点がここで発揮されます。

それはレンジファインダーの視野の広さ。

これは使ってみないとわからないと思いますが、撮影範囲外も同時に見ることができるため、ある程度予測して撮影可能です。

特にM3は視野率ほぼ100%の史上最高のファインダーを搭載しているので、文字通りフレームが空間に浮いて見えます。

 

 

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ズミクロンの描写の凄さは、発表当時の基準をぶっ壊したくらいのシャープさでした。

ドラゴンボールでいえばスカウターがボカン!ってなるレベルです。

フィルム撮影写真はこの木のように立体感がエモいんですよ。

デジタルにないエモさというのは、このピント部分のシャープさとそれ以外の素朴なボケが醸し出しているんじゃないでしょうか?

エモいとしか表現できないんですが、エモいって何?

 

 

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ライカM3を使って知ったのは、デジタルカメラはすごく優しい自動車学校の教官のような存在だということ。

ダイナミックレンジとかISOとか露出計とか、まあともかく様々な優しい技術で素人運転をサポートしてくれています。

この写真は夏のピーカン照りの海を撮ったんですが、角度によって海の色がぜんぜん違うんですね。

古いカメラは現実を突きつけます。容赦ないです。しかしこんな発見もありました。

 

 

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やっぱりライカならスナップだろう。

しかし最初はフィルム撮影のランニングコストにビビりまくって、気づけば日の丸構図ばかりになってしまいました。

ライカでスナップを撮ってみると、とにかく静か、さっと撮れます。目測撮影なんてのはまだ微妙ですが、スナップ撮影カメラとしては優秀だと思います。

写真は「Kodak UltraMAX 400」、Kodakの青が素晴らしい。フィルムは種類によって全然個性が違うんで、そりゃ散財するなという感想です。

 

 

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日の角度というのも気になりました。

この写真は正午きっかり。見事に立体感が吹っ飛んでいます。

露出プラス気味ですが、フィルムの白飛びは飛んでいてもけっこう写っているので面白いですね。

 

 

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フィルムの特性に合わせて写真を撮るというのも面白いと思いました。

Kodakは青だろ!って感じの写真ですね。

また値上げらしいけど・・・

 

 

 

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慣れてくるとわりと冒険した写真も撮れるようになりました。

モニター確認できないので、こういう写真は勘頼みです。

はやく距離計と露出計を脳みそに搭載したいなあ。

 

 

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こういうデジタルが苦手な条件でも、細かなところまで映し出します。

その分、適正露出が難しいんですね。

 

 

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そして失敗するとこうなる(涙)

どうもこういった暗がり、室内での撮影がまだまだ上手くいきません。

上の写真との条件の違いが気になりだしたら、フィルムに慣れた証拠なのかな?

 

 

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まさしくフィルムらしい写真。

こういうのが撮りたかったんだよね。

 

 

 

ライカM3を3ヶ月使ってみた感想

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ライカM3を使ってみて3ヶ月の感想は、『最強の自己満足感製造機』というところでしょうか。

フィルム撮影はまさに熟成された自己満足、デジタルはTwitterみたいなもんですぐに結果が出ます。刹那的な承認欲求は、泳ぎ続けるマグロみたいなもんです。

フィルムは撮影結果を確認するまで、膨大な行程と時間と金が必要です。その熟成された欲求は、寝かされ、発酵し、気づけばさらなる欲求を求めるのです。

ああ、恐ろしやカメラ沼、レンズ沼。中判カメラ欲しい・・・

 

刹那的な欲求を求めるデジタルはさらなる技術的な革新を、発酵して危険な香りがするフィルムは違う『世界』を求めます。

デジタル過激派がPhotoshopでゴリゴリにイジるのと、フィルム過激派がカビ臭い化石カメラを買い集めるのがわかった気がします。

これはカメラ沼の真理です。要するに人間の欲求は尽きることがなく、物欲帝国主義に陥り、最後には防湿庫に押しつぶされて破滅するのです。

 

・・・と、おふざけが過ぎましたが、ライカは良いカメラですし、ズミクロンはエッジの効いたレンズで、フィルム撮影は最高の大人遊戯です。

ちなみに一番好きな写真はブランコの写真でした。立体感エゲツない。

 

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写真はすべてデジタルデータ化していますが、フィルム写真は印刷することをおすすめします。

印刷した写真を見れば、ひっくり返った後にマップカメラの検索が捗ります。

プラウベルマキナかハッセルブラッド欲ちい・・・

 

 

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