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走ることが大嫌いな僕がランニングを始めるきっかけになった本

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中学生の頃、あれだけ嫌いだった『走る』こと。

中学時代の体育教師は、なぜか月に一回1500m走をやらせた。虚弱もやしっ子だった僕は言うまでも無く遅かった。女子よりも遅かった。

あの時から僕は走ることが嫌いになり、走ることとは苦痛であり避けるべきものであり恥を生む危険の高いシロモノになった。

 

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・・・が、三十路を超えた今、急に走り出している。もちろん遅いことこの上ないが、2kmでヘロヘロになることから初め、3ヶ月でなんとかハーフマラソンを2時間で走れるようになった。

なぜ走るようになったのか?そこに至るまでは、フルマラソンに匹敵する読書の長旅があった。

ということで、ランニングを始める前に読みたい本、ランニングのモチベーションを保ちたい人にもおすすめな本を紹介してみる。

 

 

 

 

サピエンス全史『本来の人間とは?』

この手の本では異常な大ヒット作である『サピエンス全史
とにかく面白く、そしてためになるとの話だったので手に取った。
これはまさに今までの歴史の概念を破壊する危険な本でもあった。
 
内容は是非読んでほしいのだが、ここで気になったことは、
「狩猟採集生活をしていた石器時代の人間の脳は、現代人より容量が大きい」
ということだ。
現代人より屈強な体躯を持ち、運動能力は秀でていたとは思っていたが、まさか脳までも優れていたとは驚きだった。
その脳はスマホを使ったりAmazonで買い物することには使わなかったが、多様な採集物(動物や植物)や自然環境の膨大なデータを、文字記録なしで記憶し利用していた。
石器時代の人間は、我々現代人よりも、『個』の動物として遥かに優れていたのだ。もちろん弱者が自然淘汰されていたことが一番大きいのだが。
 
ここで優れた科学技術により守られた現代人が、なぜこれほど弱くかつストレス社会で苦しんでいるのかという疑問が湧いた。

 

 

GO WILD『本来の人間のライフスタイルとは?』

サピエンス全史がグサリと来た人には、ここからほとんど同じ本の道を歩んだ人が多いはずだ。

GO WILD』は、サピエンス全史にも書かれていた「最強のホモ・サピエンス=20万年前の狩猟採集時代」のライフスタイルこそ人類に最適である!との説を科学的に分析している本である。こちらも全米ベストセラー。アメリカ人はこういうのに弱いようだ。

 

現代人が苦しむのは、肥満などによる生活習慣病と、そこから引き起こされる糖尿病や癌である。

この原因を著者は、現代のライフスタイルこそ根本原因だと指摘する。

 

まずは炭水化物食だ。

現代人は炭水化物を常食としている。米やパンやパスタなどなど。

だが、炭水化物を主食としてかなりの割合で食べ始めたのは人類史から見るとつい最近のこと

本来、糖の摂取は根菜や木の実がメインで、その摂取量は少なかった。

そのため、現在のように炭水化物食やジュースや酒など高濃度の糖を摂取すると、身体が対応しきれず、そのため糖尿病になってしまう。

よって著者は多様性に富んだ食生活を勧めている。肉や魚、野菜やナッツ類だ。

 

次は運動

これは言わずもがなだが、現代人はデスクワークのようにほとんど動かず、さらに環境も変化しないルーチン生活になっている。

著者おすすめはトレイルランニングだ。トレイルランニングとは、山の中を走るスポーツ。木や石だらけの不整地で走るなんて危険極まりないように思えるが、トレイルランニングこそご先祖様が獲物を追っていたあの生活と同じ運動なのだ。ジムでの運動では、脳を育てる全身運動ではないし、これこそルーチンワークになってしまう。

さらに山や森での活動は、森林浴ができたり日光を浴びることで良い睡眠が取れる。

※ランニングがなぜ良いのかは次章に譲ります

 

 

Born to Run『人間=走るために生まれた』

GO WILD」でも取り上げられていた『人間=走るために生まれた』説の核心部分を、熱量高いストーリーでお送りしているのがランナーのバイブルである『BORN TO RUN

こちらは熱い脚色多いノンフィクションであるが、これを読んでも走らなかった人はおそらく永遠に運動しないであろう本質的な欲求を揺さぶりまくる名著である。

 

ストーリーは2部構成。

タラウマラ族というメキシコの秘境にいる「走る民族」と暮らすアメリカ人カバーヨ・ブランコが世界中の最強トレイルランナー(変人ばっかり)を集めて行ったコッパーキャニオンウルトラマラソンの模様。

もう一つは走ることについての考察で、ベアフットランニングと人間=走るために生まれた説を語っている。

この2つのストーリーが、ごちゃ混ぜになっているので少々読みづらくもあるがそこがこの本の良いところでもある。

※トレイルランニングレースはぜひ本を読んでもらいたいので省略。

 

ベアフットランニング

著者が異常に激怒していることでもおなじみのナイキ批判

というか昨今のランニングシューズすべてを批判している。

本来人間は足の中央部分かやや前方を、重心の真下で着地するように走っていた。最近流行りのミッドフット走法に近い。

だがナイキが作り出したフワフワソールのランニングシューズがそれを変えた。着地の衝撃が吸収されるので、重心よりも前に、ストライドを少しでも伸ばして走れるようになった

そう、踵着地で走れるようになったのだ。

だが、この踵着地によってランナーは怪我に苦しむようになってしまった。たしかに着地の際の足の痛みは減ったかもしれないが、その代償として膝やアキレス腱に障害をきたすケースが多くなってしまった。

というのが著者の主張。この本の大ヒットのおかげで、「ビブラム ファイブフィンガーズ」や「ルナサンダル」が爆発的に売れた。これらのシューズは、非常にソールが薄い。これは、タラウマラ族の古タイヤシューズとそっくりにできており、人間本来の走りができるというもの。

 

ここでちょっと横道にそれる。

ベアフットランニングには賛否あるが、実際にベアフット系サンダルでいくらか走ってみた所、

①ふくらはぎが鍛えられる

②正しいフォームが習得できる

という2点は納得できた。ランニングシューズと違い、着地の衝撃がけっこうあるので、自然と早いピッチのフォアフット着地になる。

そして走ったあと、ふくらはぎが地獄の筋肉痛になる。要するに普段使っていないからだ。ちなみにアフリカ系のマラソンメダリストは皆、アキレス腱からふくらはぎの部分をバネのように使って走っているという。

 

だが、デメリットもある。

それは速く走れないという事だ。僕もこの本を読んで勘違いしていたが、ベアフットランニングは正しい走り方かもしれないが、現代マラソンのように高速走行には向いていない。足への負担がかなり強いからだ。当然だが速く走ると尚更だ。後述する石器時代の人間も、速く走るよりは長く走ることに長けていたようだ。

この本を読むと、ベアフットランニングを行えばむちゃくちゃ速くなるように書かれているが、最近の日本記録を出した大迫選手等のトップランナーたちが履いているシューズは皮肉にもナイキの厚底ソール「ヴェイパーフライ 4% フライニット」である。

 

『人間=走るために生まれた』説

人類が生まれたのはおそよ200万年前、そして狩猟で槍などの武器を本格的に使い始めたのは20万年前といわれている。

ここで疑問が湧くはずだ。

人間は、槍や弓が無い時代、どうやって狩りをしていたのか?である。

道具を手にする前の人間は、主に屍肉を漁ったり、植物を採集していたが、牛や鹿などの大型哺乳類も捕獲していた。

その方法は、『獲物がぶっ倒れるまで追いかけ回す』という人間しか出来ない唯一の狩猟であった。

爪や牙などの武器もなく、腕力もなければ鈍足の人間は、相手が潰れるまで追い回すという作戦に出た。

 

人間の体の構造は、哺乳類の中でもかなり異質だ。他の哺乳類と比べ異様に発達や進化しているアキレス腱、土踏まず、大臀筋、項靭帯。

そして動物界最強の体温調節機能。体毛を無くし、汗腺を張り巡らし、走りながら呼吸することで、長時間走り続けてもオーバーヒートしないように出来ている。

犬は炎天下に散歩させると舌を出してハアハアして動かなくなるし、動物界最速のチーターは10秒くらいしか走れない。だが人間は、足は遅いが炎天下でも何時間も走ることができる。

人間は広い広いサバンナで、牛や鹿の群れの中の一匹を標的にし、何時間も追い回しオーバーヒートさせてからとどめを刺した。そして大量のタンパク質を手に入れ、脳を肥大化させ進化していった。

よって、人間は走ることで生きてきたのだ

 

この本は、ドラゴンボールの天下一武道会のようなワクワクするストーリーに、真面目で少しトンデモな学説を絶妙に混ぜることによって、人間の持つ本来の走ることへの欲求・回帰を促す麻薬のような存在である。無論、アメリカ人はこういう本が大好物であった。

 

 

 

EAT&RUN『走る哲学』

そして極めつけは「Born to Run」の登場人物であり、伝説のトレイルランナーのスコット・ジュレクの自伝。
過酷な100マイルレースを何度も優勝しているスコット・ジュレクは、なんと菜食主義者。
彼の人生はとても複雑で、その中でたどり着いたのがトレイルランニングと菜食主義だった。
この答えに至る道が、そんじょそこらの人生訓や自己啓発本なんか比ではないくらい熱く重い。そんな数ある苦難や挫折を、スコットはとても素直に綴っている。
この本は走ることについての哲学書であり、そして今すぐ駆け出したくなる本だ。
ランニングに関する技術書ではないが、「Born to Run」が楽しめた人にはぜひともおすすめ。
 
ちなみについ最近発売されたスコット・ジュレクの「NORTH 北へ―アパラチアン・トレイルを踏破して見つけた僕の道」は、アパラチアン・トレイル(3,500km)を北上して最速踏破記録を樹立するための激闘の日々を書いている。
こちらは前作の自分との戦いを描く哲学書というよりは、最愛の妻や友人たちと本気でぶつかりながらも助け合い、日本列島を縦断するくらいの長大な戦いに挑む姿をこちらも素直すぎるくらい本音で書いている。

 

スコット・ジュレクが「神」と呼ばれる由縁は、走りに賭けた強い信念と、走ることによって生まれた繋がりを大切にしている姿が人々に感動を与えるからだと思う。

とにかく憧れてしまうスコット・ジュレクだが、僕は菜食主義者にだけはどうしてもなれない・・・肉食いてえよ。

 

 

ランニングする前に読む本『走ることが嫌いな人に』

そんなモチベーション上がる本ばかり読んでいると、「さあ走り出そう!」となるが、やはり「走ること=辛い」という一種のトラウマが頭をよぎる。

冒頭にも書いたが、僕が走ることが苦行でしかないと感じるようになったのは、中学時代の体育の教師が原因だ。

毎月行われた1500mタイム走は、ただでさえきついのに、運動音痴な僕には自尊心を削る取られるという二重の苦しみでもあった。

同じくらいタイムの遅い友人に「一緒に走ろう」なんて虚しい予防線を張っていたのは悲しい思い出。※そしてだいたい裏切られる

日本の部活偏重な学校生活では、運動音痴や虚弱体質者にとって「運動=ただ苦痛」と刷り込まれてしまう人は多いのではないだろうか?

はてまた、「運動はスポーツ万能な選ばれた人が行うもの」「タイムや記録を測るもの」「将来金にならない無駄なもの」なんて思う人も多いんじゃないだろうか?

 

だが、上述した本を読んでいけば、人間には運動、特に走ることが如何に大切かわかるはずだ。

では、大嫌いなランニングをどうすればよいか?

そんな時に読んだのが、「ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニング (ブルーバックス)」である。なんとブルーバックスである!

AMAZONでおすすめされていたのと、題名がドンピシャだったこともあり、購入した所、「なんでこれを学生時代に教えてくれんかったんやあ!」と咆哮した。

 

 一番のポイントは、今までの常識を覆すランニング=「にこにこペース」でゆっくり走るということ。 

これは、「にこにこしながら走れるくらいのペース」という意味で、必要以上に心拍数を上げないで走れば効率良くエネルギーを使って走ることができるという理論。

例えば、100m走を全力で走れば、すぐ息切れして足が上がらなくなる。これは車でいうとガソリンをバンバン使ってエンジンをフル回転させている状態なので、長続きしないし負担も強い。

「にこにこペース」は乳酸性閾値(LT)内で走ることにより、自分のエンジンに最適な速度を保つことで、燃費良く効率的になが~く走り続けることができる。

乳酸性閾値(LT)とは、乳酸が血液中に急激に貯まり始める運動強度の事。簡単に言うと、主に糖をエネルギーとして使う際に発生する乳酸が、代謝される速度よりも速く蓄積すると、筋肉がいわゆる疲労した状態になってしまう。

なので乳酸性閾値(LT)のギリギリラインで走ると、最適な運動強度なので効率よく走れるということになる。さらに糖だけでなく、脂肪もエネルギーとして利用するため、ダイエットにも最適というかエネルギー効率が最高となる。

 

 

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目安としては、最大酸素摂取量の50%の運動・運動中の目標心拍数:138-年齢/2なのだが、これを知るには計測器が必要なので、僕はGARMINのGPSウォッチを買ったのであった。

 

他にもミトコンドリアや最大酸素摂取量( VO2 max)などなど小難しい話も多いが、「にこにこペース走」を行うことで一番革命的なのは、

『思ったより走れる』ことである。

僕がマラソンを嫌いになった原因は、結果である完走タイムのみが評価される「タイム至上主義」であった。これなら遅い人間は面白い訳がない。

「にこにこペース」で走ってみた所、たしかに遅い。GARMINの心拍計とにらめっこしながら走ると、はじめ僕は1km6分ちょいくらいが「にこにこペース」だった。しんどくはないが、タイム至上主義教育下でしか走ったことがない僕からすると、「これってマラソンなのかな?」と複雑な気持ちだった。

 

だが、にこにこペース走ならどこまでも走れそうな気がした。効率的なペース配分を知らなかった時は、4kmも走れば息が上がるし足が痛くなるしで辛いの一言だけだったが、気の向くままににこにこペースで走った所、気づけば10kmも走っていた

タイム的には非常に遅かったが、タイム以外のマラソンの楽しさ、そして人間本来の走る能力が垣間見れた瞬間だった。

実際、集団で走って獲物を追っていたご先祖様たちは、この「にこにこペース」だったという。集団で獲物を休ませず、時に40kmというフルマラソンくらいの距離をじわじわと追いかけていったのだ。現代のオリンピックのマラソンのような「高速レース走」は、人間の走る歴史からいうと極々最近のものである。

本来の「走る」とは、人が生きるために選んだ武器であった。それは生物界最強の長距離走行が可能になるまで身体を進化させたのだ。

だからこそ、人は走ることでストレスが発散できたり、健康的な生活が送れるのだと思う。

 

もちろん、「にこにこペース」はいつまでも遅いわけではない

トレーニングを積むと、にこにこペースがどんどん速くなり、それが結果として現れる。著者は50歳で2時間30分台という最高記録を出したとか

ちなみに、長距離走は効率的にエネルギーを使える人が有利になってくるので、性別や年齢は関係なくなる数少ないスポーツだ。100マイルレース(160km)で女性が優勝したり、トレイルランニングの世界大会で60歳の男性が優勝したこともある。

この本は、走ることの本当の楽しさを教えてくれる初心者に最適な教科書だと思う。

 

 

 

まとめ

ということで、ランニングとトレイルランニングを始めてからというもの、非常に快活な生活を送っている。もちろん、生来の面倒くさがりのため、仕事による拘束感へのストレスは微動だにしないが、ランニングをすることで目的意識を持った生活になったように思う。

逆に考えると、獲物を追いかけたり、良い環境を求めて移動を続けていた石器時代に適応するために生まれたのに、現代のようなルーチン生活にデスクワークといった生活が如何にストレスなのかというのがわかった。というか、そのせいでますます労働意欲が無くなってしまったのはかなりの副作用。

 

兎にも角にも、運動することは良いことです。

もちろん、ランニングこそ至高!という意味ではなく、やはり生活にメリハリをつけ、一本筋の通った人生を歩むためには、非常にコストパフォマンスのよい趣味であることは間違いないと言えるでしょう!

まだまだハーフマラソンがやっとのレベルですが、がんばってフルマラソンを走れるようになりたいし、もっといろいろな山でトレイルランニングをやってみたい今日このごろ。

目標があることは良いことです。

 

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