ストリート・アート IN サンティアゴ
2月22日
今日は夜行バスでチロエ島に向かう。
と、教えてくれたからだ。
パタゴニアまでの道のりは、果てしなく長い。
途中、途中でなにか楽しい町にでも泊まっていかなければ二度とバスに乗れない体になってしまう。
と思ったのも束の間。嫁さんが腹痛。なぜか長期バス旅直前によく腹が唸るようだ。
なので昼すぎまでゆっくりして、あとは近所を散策した。
サンティアゴは見どころがないとは言ったが、ガイドブックには乗っていない楽しみ方がある。
「落書き」だ。
町中落書きだらけなのだ。スプレーやペンキを使った落書きがいたるところにある。
スペイン統治時代から続く見事な彫刻が施された建物と、19世紀ぐらいからありそうな古びたビル、さらに真新しい大きな窓ガラスがあるビルが林立しているサンティアゴの町はそのコントラストだけでも美しい。
そこに描かれた落書きの中にはアーティスティックなものが多い。
バルパライソが本場だろうが、今日はそんなサンティアゴの町を彩る芸術作品を見て回った。
人垣に犬のようについていくとモネダ宮殿だ。
モネダ宮殿の地下は美術展や土産屋などが入る巨大なスペースがあった。
さすがはチリだ。俗にいう打ちっぱなしコンクリートの近代的な構造物がよもやモネダ宮殿という古めかしく威厳がある宮殿のすぐ下あるとは思いもせなんだ。
旧市街をぶらつく。
新旧入り混じったモザイク都市。
そこには平等に落書きがキメられている。
そんな風景を写真に収めていると、古びたマンションの住人に変な目で見られた。
「日本人は何でも写真を撮りやがる。」
そんなふうに思っているかもしれない。
彼は笑いながら眼下の僕に手を振ってくれた。
サンティアゴの歴史を感じさせる街並みを、全く意に介しないアートな落書きたち。
そんな厄介な展示会を見ながら、バスターミナルへ向かった。