アルゼンチン入国でインフレの恐ろしさを知る。

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バリローチェまでは8時間。

チリと違ってアルゼンチン側は入国チェックが緩いらしいので、少し気は楽だ。

アルゼンチンといえば、つい最近デフォルト危機寸前までいったので通貨レートがめちゃくちゃなのだ。

通貨レートがめちゃくちゃというと、例えば1USドル=100円という公定レートがある。これは随時変動するが、日本の場合銀行や両替屋やATMでも手数料はかかるが1USドルは100円で取引される。

しかし何度も自己破産しているアルゼンチンではこの公定レートなるものが胡散臭すぎる。政府が出しているレートが実際の貨幣価値と大きく乖離があり、のほほんとATMなんかでカネを下ろすと大損するらしい。

アルゼンチン人もいつ再生トイレットペーパーになるかもしれない自国紙幣を信用しておらず、USドルでタンス預金なんかしちゃってる有り様。

ということなので、さすが需要と供給様。USドルを出せば闇レートで交換してくれるらしい。さらにサンティアゴで出会った日本人曰く、「チリ・ペソでも案外レートよく替えてくれるんですよ。」とのことなので、我々も多めにチリ・ペソを持っていく。

 

 

 

そんなこんなで肉とマテ茶とデフォルトのマラドーナ帝国、もといアルゼンチン入国。

バリローチェまでの道は美しい景色三昧。車で旅したら最高だと思う。僕の理想はカリオストロのルパンたちのような改造フィアットで旅をすることなので、いつかここいらの峠路をまくってみたいものだ。

 

 

バスターミナルへ到着。

パタゴニアに突入するためにエル・チャルテンまでのバスを聞いてみた。

「オラ!」

「オラ!」

笑顔でオラ!と言ってくれる受付の美女は決して孫悟空ではなく、これは単なるスペイン語挨拶。

「おら、パタゴニアってとこにすんげえ強え奴がいるってカリン様に聞いたんだけど、そこまでバスっていくらすんだ?」

1200ペソよ!」(・・・この子、しっぽ生えてる)

1200ペソ!!!!!」

幼少期版ドラゴンボールな世界観で話しかけたら、いきなりセルゲームが始まったくらいの衝撃を受けた。

1200ペソだと10000円を遥かに超えているではないか!!

高い高いと聞いていたが、ここまでするんならちゃんと調べておくべきであった。

エル・チャルテンまで24時間だという。丸一日乗るんだから仕方がなくもないが、時間で見てもチリの界王拳2倍はする。

 

 

 

かなり気が動転した。

そりゃ、いきなりセルゲームだ。

時間は20時だという。その時18時。

なぜか、僕らはバスチケットを買っていた。

 

バリローチェで、南米のスイスといわれるバリローチェでゆったりしようなんて話していたことも忘れ、我々はバスに乗り込んでいた。