白い港町エッサウィラ

4月6日

 

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さすがにマラケシュに埋もれっぱなしで骨まで埋めてしまいそうなので今日から移動。

エッサウィラというここから3時間ほどバスで行った港町に向かう。

きれいなビーチと新鮮な魚介類が人々を待ち受けているらしい。

白人御用達の観光地らしいので、もしかしたらビール飲めるかも♪というかすかな望みも込めてバス停に向かった。

 

 

イスラム教と酒

これが相性が悪い。おおっぴらに売ることができないのだ。戒律が厳しい国に行くとそもそも国においていないこともあるという。お国柄だからちょいと寄ったくらいの旅人が文句をいう資格はないが、やはり喉元が寂しい。

しかし、モロッコは戒律がそこまで厳しくない。スカーフをしていない女性やジーパンの女性もいるし、カップルが手をつないでデートしていたりする。モロッコの歌手のPVや化粧品のポスターなんかも日本のそれと変わりがない格好だ。こんなものアフガニスタンやイランにでも持って行こうものなら・・・

だから期待しているのだ。観光客、とくに白人の保養地になっているところは酒がちょっとはあるんじゃないかと。

 

そんな下心も秘めてバス停に。

案の定、混むといわれていたマラケシュ発10時半のバスは満員だった。予約するのが面倒だったので、行き当たりばったりでいったがそんなに甘くない。

つぎの14時半のバスに乗る事に。とっても暇かとおもいきや、最初からこうなると思って考えていた駅のマクドナルドへ向かうことに。

久々のマックのお味はとくに代わり映えもなかったが、やはりモロッコではちょっとリッチな店なのだった。

 

旅をしているとマクドナルドの位置づけがコロコロ変わる。

世界一のファストフード店はたくさんの国にある。だが、ペルーにいた頃のマクドナルドは超高級店で入ろうと考ることもなかった。しかしバルセロナではマクドナルドをよく利用した。ほとんど値段は変わらないのに。その国の物価によって色合いを変えるマクドナルド。モロッコではちょっとリッチな店だった。

 

 

 

 

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3時間でエッサウィラに。

潮の匂いに飛び交うカモメ、旧市街は要塞の中という観光地らしい町。

その高い壁はこの地が戦略上重要な場所であったことが想像できる。

物々しい、大砲までオブジェとして使われている旧要塞内は、至って普通の生活が営まれている。

海外の城は日本と違い町を囲むように作られている。日本の城といえば江戸期までは城下町を見下ろすように高台や山の上にあるのが普通だった。日本の街は高い塀や砦で囲まれていることはない。

これは平地が少ないこともあるが、やはり日本は平和だったことを表しているともいう。中国やヨーロッパによく見られるこういった要塞町は、度重なる戦争と特に異民族の流入がそうさせた。

やはり島国ニッポンは平和なところだということだ。

 

 

HotelSmaraはダブルで104DHと格安。

立地も良いし気に入っていたが、「風の谷のナウシカ」を読んでいた嫁がふと目の前に現れた王蟲、もといダニちゃんがたくさんいたので宿泊の際はベッド周り(とくに枕付近)を要チェック!

エッサウィラにはかもめ号という日本人が経営しているアパートがあり、そちらではキッチンが使えるらしい。

 

 

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町は観光客だらけで、港には洒落たレストランがある。

港というのは世界中同じ臭いがする。

寂れた漁師町が故郷の僕はこの臭いとべたつく風が好きだった。

 

 

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港近くの美味しい魚を焼いてくれる屋台に向かうもけっこう高かったのと、こちらでも客引き同士が喧嘩をし始めたので退散。

しばし漁港風景を楽しむ。

 

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※陽気な兄ちゃん

町中のムハンマド通りに向かう。

ツーリスティックな店より僕らは庶民の味が好きだ。財布的にも。

ということで、

 

モロッコ恒例食い倒れ紀行INエッサウィラ

 

魚の揚げ物屋

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ここは最高だった。

イワシ、小エビ、つみれを揚げてあるだけだが、これまたほっぺに鱗が生えそうなくらいうまい。

そして何よりこの量で25DH(300円しない)はじめ一人25DHかと思ったら2人でこの値段。

 

 

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店主のおじさんが良い意味でやる気がなく、港の店のようにせっつかないし金の計算も超適当。

はじめ小エビだらけだったので「エビを減らしてイワシをもっとちょうだい!」と言ったらそのままイワシをたくさん入れてくれたのだけれど値段が変わらなかった。

港がすぐそばなので新鮮なのは当たり前だ。マラケシュなら2倍以上は取りそうだが地の利とは素晴らしい。

さらにつみれがとてもうまかった。なぜ、なぜビールがないのだ。

 

 

ドーナツ

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通りに人だかり。

モロッコでのこういう時はうまい店があるか喧嘩しているかのどちらかだ。

覗いてみるとドーナツ屋。おじいちゃんがせっせとドーナツをあげていた。

 

 

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エッサウィラで行列ができるドーナツ屋では、みんな大量のドーナツを買っていく。それをおじいちゃんが輪っかに紐を通してくくって渡していた。

味は普通だが、やはり揚げたてはうまい。砂糖をたくさんまぶした揚げたてドーナツはなんと一個1.5DH(20円しない)

 

 

クレープ

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ドーナツ屋から港方向に行って十字路をすぐ左にあるクレープ屋。

こちらもかなり混んでいてクレープ、ハリラ、ミントティーを出す。

 

 

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食後にハリラとミントティーでゆったり過ごすのはモロッコでの最高の贅沢かもしれない。

クレープはハチミツ入りで3.5DH、ハリラ3DH、ミントティーはポットで5DH。

エッサウィラの物価には孫の代まで感謝してもしきれません。

ミントティーはやはり大量の砂糖が入る。角砂糖6個分くらいの巨大な塊がついてくるが、モロッコ人はこれからさらに2.3個は入れる。

ミントティーというかミント風味シュガーティーだ。でもそれくらい入れたほうがうまいんだなあ。

 

 

エッサウィラは買い物もマラケシュより安いのでこちらも沈没しそうで怖い・・・

 

 

 

 

~4月8日

 

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エッサウィラの町は居心地が良すぎて困った困った。

朝起きてクレープ屋でハチミツクレープとミントティー、昼はドーナツか例の魚屋、夜食はまたまた魚屋からのドーナツ、シメにハリラとミントティー・・・といった具合に、たった3軒の店をローテーションして暮らしていた。

これだけ食べても一人500円しないのだから、もうバルセロナでは暮らせない。

 

 

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エッサウィラはマラケシュより安くお買い物ができる。

モロッコでは珍しく値札が貼ってあり、それがマラケシュで値切りまくった値段よりちょっと安いくらいなのだ。マラケシュより品数のバリエーションは少ないが、殺伐とした値段交渉をせずに買い物ができる。

 

 

 

 

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エッサウィラにはビーチがある。

まだ少し肌寒いので海水浴とはいかなかったが、ぼーっとひなたぼっこするには良い。

パワフル白人たちはがっつり泳いでいたけれど。

 

 

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浜辺の風景は何となく落ち着く。

 

 

 

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モロッコの都市はどれもイメージカラーがある。

マラケシュはオレンジ、シャウエンは青といった具合だ。

エッサウィラは白。白い町並みと青い空と海。

とても狭い街で一日あれば歩き通せるが、散歩しているだけでも楽しい風景。

 

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そんな僕らはというと初日のホテルで案の定ダニにやられまくった。

なぜか僕は後頭部がボッコボコにされていて、頭をさすればロッククライミングできそうな感じになっている。

部屋を変えてもらって何とかなったが、これから何日か苦しみそうだ。

買い物もたくさんしたので、マラケシュに帰ることに。

散々通って顔なじみになった魚屋の親父達との別れが辛い。

もちろん親父達が作るイワシの揚げ物との別れのほうが辛い。

そして結局探しまわったけど情報が古くて見つけられなかった酒屋・・・辛い。