ゆったり港町アル・ジャディーダ

5月7日

 

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全く知らなかったアル・ジャディーダ。

何でもリゾート地らしく、白人が夏になると鮭のように押し寄せるとか。

マラケシュにも近いし、せっかくだから海にでも行くか!な具合でアル・ジャディーダに向かった。

バックパッカーとは、かっこよさそうだけどだいたいこんな感じです・・・

 

 

地球の迷い方

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モロッコは街の中心部からわりと離れた所にバスターミナルがある事が多い。

それも中心部に歩いて行くには多少つらいがタクシーを使うまでもないという絶妙の位置にあるのだった。

アル・ジャディーダもご多分に漏れず、中心部までは10分以上歩かなければならない。重い荷物を担いで暑い中見知らぬ街を歩くのはなかなか辛いが、僕らには「地球の歩き方」先生【13-14"最新版】がついておられる。

地球の歩き方先生の仰るとおりに歩いていけばそれだけで良いのだ。なんせ日本という国は地球の歩き方先生しかガイドブックと名乗れるシロモノは他にないのだから最早全幅の信頼を置かざるを得ないともいえる。

街の中心部まで地球の歩き方先生が指し示される方角に意気揚々と歩きだす。

10分・・・20分・・・あれ?

海に向かっているはずなのに、一向に海など見えない。というか数あるランドマークにかすりもしない。

嗚呼、なんてことだ。以前チロエ島で僕たちは学んだではないか。地球の歩き方先生は別名「地球の迷い方」先生でもあるということを・・・

 

まさかである。チェッカーズが再結成するくらいの「まさか」である。

いくら地球の迷い方先生でも方角を間違えるというのはさすがに酷いのではござらんか?

なんと方角ミスだ。宿の地図で確認したところ、まさかの北が東になっておる。正しくはメディナ方向が北だ。

こんなガイドブックとしてありえないミスのおかげで我々はアル・ジャディーダの奥深くまで知ることができ、おかげで数々のアル・ジャディーダの人々と交流ができ、おかげでフル装備で何㎞も歩かせていただき馬力が上がりもうした。

ということでアル・ジャディーダに行かれる方は、太陽の位置をよく見つつ、バスターミナルでメディナの方向を聞いてから行くようにしましょう。

そんなおちゃめな「地球の歩き方」先生の小噺でした。

 

 

 

 

そんなこんなでなんとか辿り着いたホテル・デュ・マグレブ。看板はなぜかホテル・デュ・フランス(小さくマグレブ)なのがご愛嬌。

ヘロヘロになってレセプションにたどり着くとなぜかオッサン二人が大喧嘩中。

顔も体型もガメラとギャオスのようなオッサンたちが怒鳴り合っている。

そんな中、ガメラの方が大声で罵詈雑言を浴びせながら鍵を手に取り、片手で「ついてこい」して我々を連れ出す。もちろん喧嘩は目下進行中だ。ガメラは振り返りながらギャオスに猛烈な口撃を浴びせつつ部屋まで案内し、我々のパスポートを持ってまた喧嘩の中に飛び込んでいった。ダブル90DH

いきなり面食らったアル・ジャディーダ。

そんな期待していなかったが、とても美しく素朴な街だった。

 

 

メディナポルトガル都市)

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一応世界遺産。だが、他のメディナと別次元の空間だった。

メディナはその土色の要塞のおかげなのか、静寂に包まれていた。

人も少なく観光客の他は、遊んでいる子どもやここで生活している人がちらほら。

ここはモロッコ?

外界を遮断したかのようなメディナ内は久しぶりの静けさを味あわせてくれた。

 

 

ポルトガルの貯水槽

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そもそもこのメディナは500年前のポルトガルによる統治時代に作られたものだ。

街並みもたしかに他のメディナと違い、少しヨーロッパの匂いがする。

そのポルトガル時代の遺産である貯水槽はメディナに入ってすぐのところにある。

 

 

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狭い入り口で10DH払うと、いきなりファンタジーな世界が飛び込んでくる。

何か聖剣でも刺さっていそうな雰囲気だ。

雨水を受けこむための天窓から差し込む光が、スーファミ世代の心を揺さぶる。

 

 

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天窓から漏れる光以外は闇に包まれている。そこにはまるで神殿のように等間隔に配置された円柱があり、天井はコロニアルグエル教会堂のようなアーチ状で覆われている。

まさにダンジョンのような、その辺にセーブポイントでもありそうな気がしてならない。

勇者気分を擬似体験できるスーファミ世代おすすめの地だ。

なぜかレベルが上がったような気がする・・・

 

 

アル・ジャディーダ情景

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要塞のようなメディナは、のっぺりとした土色で覆われ、なんとなく可愛くも見える。

物々しい大砲は今では遊び場所になっていた。

アル・ジャディーダは素朴な海の上のお城だった。

 

 

 

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海が近い=魚が美味い

これ世界共通。

メディナからビーチ方向に海岸沿い歩くと、炭火で魚を焼く良い匂いが。

匂いにつられてネコと一緒に店の中へ。

 

まさかのアジの塩焼き5匹で10DH(130円)

モロッコではカラッと揚げた魚が多いがここは炭火でじっくり焼いてくれる。この安さで。

リゾート地のビーチ沿いにあるシーフードBBQ屋は多いがだいたい高い。伊勢海老やカニなんかあるから当たり前だけど。

僕ら庶民はアジで良い。むしろアジが良い。焼き魚は青にかぎる。

そして魚好き日本人が初めて知った「焼き魚は手で食うのが至高!!!」

あつあつの身を手でほぐしながら食べるのがとてもうまい。

 

モロッコでは意外に魚が食べられるが、モロッコ人はやたら食べ方が勿体無い。

せっかくカラカラに揚げた魚のフライも熱いのにわざわざ身をほじくりながら食べている。骨までバリバリと食べられるくらいカラカラなのにである。

なのでモロッコ人の魚ディナーのあとは、無残な残骸がテーブルに散らばっている。日本人なら焼き魚でもお皿の上だけできれいに頭と内臓と骨をスルッと取り出せるのだけれども。

でもそれはネコちゃんたちの豪華ディナーとして再利用されるので、それもまたモロッコの風景である。