巡礼9,10,11日目 Logrono~Navarrete~Najera~Sant Domingo
5月30日
巡礼9日目 Logrono~Navarrete 13km 4時間
昨日の無理がたたってか、朝から足が痛む。
しかし連泊ものんびりもできない朝のアルベルゲ。
黙って旅立つ。
朝のLogronoを歩き出す。
公園を抜けると舗装された散歩道。
Logrono市民もジョギングや散歩に使う。
湖横を抜ける。
13kmのNavarrete付近で、猛烈に足裏が痛み出す。
昨日の夕方くらいからアルベルゲ内を歩くにも痛かったが、ついに限界が来たようだ。
重い荷物に毎日の長距離歩行で土踏まずの筋にかなり負担がかかっていた。燃えるように熱く、一歩一歩踏み出すだけでビリビリしびれてくる。
たまりかねてそのままアルベルゲへ。
13時半まで開かないので暫し待つ。何軒かアルベルゲがあるが、Peregrinos de Navarreteが安くてキッチン付きだった。
歩き始めて1週間が過ぎ、同じように体の節々を痛めてしまう人が続出。僕らと同じように、体の不調でアルベルゲが開くまで待つ人達が集まる。
スペイン人ご夫婦、イタリア人のおっちゃん、オランダ人のおばちゃま。
アルベルゲが開くまでに仲良くなって、今晩一緒に食事をすることになった。
今日は神様がくれた休憩日ということにしておこう。
立派な教会がある。
天井のアーチは一見の価値
17時、夕食の準備。
まさかのパスタを嫁が任される。
本場イタリア人を筆頭としたヨーロピアンな皆様に、白米大好き日本人がパスタを作る。嫁の緊張が極限を振り切る。
皆で仲良く夕食の準備。
といっても言葉がめちゃくちゃな6人。
スペイン語しか喋れないスペイン人夫婦、英語ペラペラなオランダ人、イタリア語と癖のある英語を話すイタリア人、そして英語も微妙な日本人。
イタリア語はスペイン語と互換性があるらしく、なんとなく言っていることくらいはわかるらしい。なので、スペイン人夫婦の話すことをイタリア人が英語で訳しオランダ人が補足して僕達に伝えるという流れと、僕らとオランダ人が話すことをイタリア人がスペイン人夫婦に伝えるという流れが激しく交差するグローバルな食卓に。
嫁のパスタも大好評でホッとしたところで色々話しあう。
ヨーロッパの人たち(よくよく考えて見ればみんなサッカー超強豪国)との異文化交流はとても楽しかった。
イタリアのおっちゃんは「イタリア料理を振る舞おう!」といってせっせと手際よく料理する。
そして「パスタのあとにメインだ。これだけは譲れない!」という。
すかさずオランダのおばちゃまが「面倒臭いでしょ?イタリア人って」と一言。
スペインの夫婦は70歳にもなるのに、僕らと変わらないペースで巡礼中だった。夏に初孫が生まれるので、巡礼を行っているそうだ。
国籍も年齢も話せる言葉もバラバラだけれども、思っていたより楽しく会話ができた。これも巡礼の醍醐味だ。
しこたまワインを飲まされて、この日はぐっすりと眠った。
5月31日
巡礼10日目 Navarrete~Najera 18km 6時間
今日の道中は、昨夜の晩餐会メンバーと一緒に歩いたり何度も出くわしたり、ル・ピュイから歩いているという日本人女性と歩いたりとなかなか楽しい1日だった。
だいたい1週間過ぎると同じようなペース配分の人たちと顔見知りになり仲良くなってくる。久しぶりに出会ったり、一緒に休憩したりと出会いが巡礼の楽しみになってくる。
昨日のイタリア人とオランダ人。
「ブエン・カミーノ!」とあいさつして別れても、休憩や食事なんかで何回も出くわす。その度に「ブエン・カミーノ!」
今日は一日中じっとりした雨、そして寒さ。
日本人女性と仲良くなって一緒にバルでコーヒー。
寒い時のカフェ・コン・レチェ(ミルクコーヒー)は体の芯から温めてくれる。
今日の道のりの景色はあまり良くなかった。
なので話しながら歩けてとても良かった。
Najeraの町が見えてきた。
足の痛みの昨日の休憩で多少マシだ。
アルベルゲはかなり奥に行った旧市街にある。
Peregrinos de Najeraは初めての寄付制アルベルゲ。
90人という収容人数の割に建物が小さいのでオカシイと思って覗いてみたら、なんと倉庫みたいなところに90台ベッドがずらっと並んでいた。1ルームに90ベッド。
その割にキッチンがとても狭いので、食事時間前後は戦争になる。
念願の韓国料理
仲良くなった若い韓国女子グループにごちそうになる。
コチュジャンはやはり韓国から持ってきてるそうだ。辛さの中に日本の味噌っぽい味があるのでたまらなくうまい。
あと、アルベルゲによく残されている「お米」はやっぱり韓国人が置いていったものだった。台所の共有スペースに残ったり使わなくなった食材などを置くところがあり、僕らはいつもそこのお米を美味しくいただいていた。彼女ら曰く「安いし重いから置いていってるよ」
お米は1kg150円ほどで売られている。1kgのお米は食べきれないし荷物になる。巡礼路は韓国人だらけなので、彼らが置いていったお米がアルベルゲに残されているのだった。
ということで自炊派の人は主食類(パスタも結構ある)は無料で食べられる可能性が高い。
変わった形の教会
この日はスーパーで久しぶりに再会したあの「生肉を喰らう肉食フランス男子」と食事。
かなりの偏食なので、健康に良さそうなメニューにした。
彼は「サムライソードをオフィスに飾りたいんだけどいくらくらいするんだい?」とか「ニンジャの手裏剣はどこに売っているんだい?」という難しい質問ばかりしてくるけど日本が好きなようだ。
彼はただいま5週間のバカンス中。急遽一緒になった日本人女性は以前働いていた職場の有給休暇は年に1日。
フランス人「日本人はそれで幸せなのかい?」
6月1日
巡礼11日目 Najera~Sant Domingo 22km 6時間
90ベッドの中で眠るのはすごい体験だった。
いびきの合唱、寝返りの音、そしてなぜか歌い出すアメリカ人。
でも疲れているからぐっすり寝れてしまう。
すごいアルベルゲだったなあ・・・
やる気が失せる看板
Azofnaの町。
今日は21kmの道中に小さな町が2つしかない。
さらに悪夢の日曜日。お店が軒並み閉まる。
なので食料を多めに買っておいた。
※カフェやバルは開いている。
初めて見た馬での巡礼。
扱いは自転車巡礼と同じ。
Ciruenaの町。
ゴルフ場の直ぐ側にある。新しい家が多いが、人がさっぱりいないので別荘地なのだろうか?
売家が多かったのでスペインバブルの残り香がした。
Sant Domingoの町が見えてきた。
この日はほとんど畑の真ん中を歩き続けた。相変わらずきれいだ。
天候も雨が降りそうなまま、結局降らなかったので運が良かった。
スペインの日曜日
日本人が大好きな日曜日は、スペインで豹変する。
スペインの日曜日は完全なる休息日となってしまう。
ということで自炊派の我々からするとユニコーンよろしく大迷惑な
今晩は例のフランス人が昨日のお礼にと彼の持っていたパスタをご
一日あれだけ歩くのだから、
なので今日のように肝心要の楽しい晩餐が質素にならざるを得ない
フランスのタフガイ、アレックスはチョリソを喰らいながら言う。
「エナジーが足りない!エナジーが足りない!」
そんなタフガイに連れられてミサへと向かう。
ミサは全編スペイン語でさっぱりだが、
エナジーが足りないが、明日も頑張ろう。