巡礼14,15,16日 Sanjuan de Ortega~Burgos~Hornillos del Camino~Castrojeriz
6月4日
Sanjuan de Ortega~Burgos 27.5km 7時間30分
腹減った。
昨夜の腹ペコぶりが朝から響く。
しかも今日はかなりのロングウェイなのだ。
この日は皆が早起き。誰もが腹ペコなので急いで次の町に急ぐ。
腹が減っては巡礼はできぬ。
6時半に早くも歩き出す。
3km先のAgesに急いで駆けつける
念願のブレイクファースト。
今日は朝からリッチにバル。スペインオムレツが身にしみる。
Atapuercaで食料調達
『あばれフランス人がおそってきた』
先に行っておいてといったアレックスが猛然と追い付いてきた。
「エナジ~!エナジ~!エナジ~が足りない!!!」
3人でエナジ~補給。
急な坂を越え
丘の上の十字架
天気はまあまあ
Riopicoの町
カフェで休憩。
アレックスは誰にでも話しかけるので友だちが多い。
なので彼といると賑やかな食卓となる。
Burgosに近づいてきた。
都市部近辺は舗装路なので歩きやすいが、足への負担が大きい。
巨大ブリッジストーン工場、なかなか抜けないくらいデカイ
Burgosの町。巡礼始まって以来最大の都会。
そして大きい街はここからが長い・・・
矢印を辿る。
なんとアルベルゲまで3kmもあった。
まだ着かない・・・
やっとアルベルゲ到着。
27.5kmが7時間半。ハイペースで終われたのもタフガイのおかげ。
彼が好きな日本料理をつくろうとスーパーで買い物までしていたのに、まさかのキッチンが電子レンジのみというひどい話。WIFIも有料。
都会なので「あるに決まってる」と話していたけど世の中そんなに思い通りにはいかない。やっぱり買い物はアルベルゲを確認してからにしよう。
こんな巨大な教会見たことない。
サグラダファミリアに匹敵するくらいの圧倒感。
英雄エル・シッドとその妻が埋葬されているとか
精巧な石造りの塔
街もため息が出るほど美しい・・・
街をさまよっていたら昨日のオーストリア人のおっちゃんと再会。
一緒にバルへ向かう。
イベリコ豚やシーフードなどが並び、それを選んで炭火で焼いてもらう。
べろべろに酔っ払った韓国人のおじさんにビールを奢ってもらったりして、楽しい時間を過ごす。
オーストリアのおっちゃんは巡礼中バルに行きまくっている猛者で、かなりのスペイン通になっていた。
これはMagnoというスペインの呑兵衛おっさんたち御用達のブランデー。安い、強い、うまいの三拍子そろった居酒屋のアイドル。
おっちゃん曰く、スペインの呑兵衛はこれとビールやワインを交互に飲むとか。
そう言って40度のMagnoを一気に飲み干すおっちゃん。もはやスペイン人だ。
アルベルゲに帰るとアレックスがアメリカ人と飲んでいて付き合わされる。
20歳のアメリカ人ライアンはビール瓶6本、ワイン3本開けてもまだまだ飲み足りないらしい。
「アメリカ人はクレイジーだ」
色んな意味で巡礼中よく聞く言葉の一つ。
ワインに溺れながら、ブルゴスの夜は更ける・・・
6月5日
Burgos~Hornillos del Camino 20km 5時間
しんとした寒気が降りた朝のBurgos。
大聖堂に早くもおさらばしなければならない。
先はまだまだ長い。
でもやっと300kmを歩き抜いた。
300km、車で半日もあればいけるのに2週間以上かけて歩いた。
そこに何があるのか、はまだわからず。
でもとりあえず充実した毎日。そして友人がとても増えてきた。だんだん同じようなメンバーが固まってきて、今一番楽しく過ごせている。
その分、酒の量もだいぶ増えてきたけど・・・
標高860mのBurgos
朝は寒い。
霧があたりを覆う
線路沿いを延々と歩く。
昨日朝食を買えなかったので、一番近い6km先の町で食べようと思っていたのに・・・その町がさっぱりない。
Villalbilla de Burgosという町が地図上ではあるはずなんだけど・・・
結局10km先のTardajosまで腹ペコのまま歩いた。
やはり朝食は大事だ。
トルティージャ(スペインオムレツ)が最近のヒット。
じゃがいも入りのオムレツはどこで食べてもとても美味しい。
最近バルでトルティージャとコーヒーが外せなくなってきた。スペイン人に近づいた証拠?
お腹を満たし、さあ歩こう!
ラスト8kmが民家も何もない道を行く。
青さで目がくらむくらいの快晴。暑い。
なだらかな登りでヘロヘロになる。
要水分補給。
青、麦、道
ポピーが咲き乱れる。
フランスではコクリコというらしい。
映画「コクリコ坂から」を見たけど、あれはフランス語だったのか。
暑い台地をやっと登り終えると、Hornillos del Caminoが見えてきた。
なんて景色だ。登りの辛さが消し飛んだ。
昨日のオーストリアのおっちゃんとフランスのアレックスと食事会。オーストリアのおっちゃんのジョークとアレックスの顔芸で腹筋がねじ切れるかと思った。
オーストリアのおっちゃん「Magno飲みに行こ!」
昨夜のMagnoを飲みにバルへ。
すでに4人で4本ワインを空けていようと気にしない。
やっぱり本場のヨーロピアンは酒に強い。・・・うぷっ
ヨーロッパ事情
文章にできないようなお下劣ジョークばかり話しながらのMagno会。
ついでにいろんなことを聞いてみた。
昨今ヨーロッパでは「移民問題」が最大の感心事らしい。
極右政党が選挙で大勝したと報道されたフランスではやはり移民排斥的な意見が強いらしい。
原因は移民(とくにイスラム教徒)による治安悪化だそうだ。フランスには北アフリカ地域からの移民が多く、彼らによる麻薬汚染や強盗などの犯罪が後を絶たないらしい。
オーストリアではトルコ移民(クルド人系)が多く、ドイツ語も喋れないのに大量の移民が押し寄せてきているらしい。
二人共「政府は無能だ!」と言っていた。
移民問題は深刻なようだ。日本もそういった議論が起きているが、日本の場合はどうなるのだろう?
あとは、「ヒトラーはオーストリア人じゃない論争」や「ブラジル人は美人が多い説」とか「スペイン女子の口説き方講座」などなどで笑い転げる。
今日は久しぶりにふらふらするくらい飲み明かした。
ちなみにただいま巡礼中です(汗)
6月6日
Hornillos del Camino~Castrojeriz 20.5km 5時間
軽度の二日酔い。
アレックスは極度の二日酔い。
天気は良いけど、ぼーっとしながら出発進行。
家庭的なアルベルゲ だった。
スケボー片手に巡礼中のイギリスボーイ。
下りがむっちゃ速い。その手があったか。
今日は800m台の平坦な道。
6km先のSanbolは小屋が一つあるだけ。
その後はゴールまで町一つという大自然。
人家が少ないからか、やたら風力発電が並び、飛行機が飛びまくっている。
スペインは風力発電がものすごく多い。
11.5km歩いてHontanasの町。
映画のセットみたいな町だった。
トルティージャとカフェ・コン・レチェ
フランス人やイタリア人と一緒に歩いているせいか、カフェで休憩するのが日課になってしまった。
美味しいからいいか。
トルティージャサンドとコーヒー2杯で5€ほど。
知ってる人ばかり
ここから10km何もなし。
最近20kmくらいなら楽だと感じるようになってきた。
ガイドブック通りのスケジュールで歩いている。ガイドブックはだいたいアルベルゲが多い町を結んでいる。
そんな時に出会った日本人のおじさん。
「時間がないんで一日30~40kmくらい歩いてます」
そんなラストサムライは軽く挨拶して颯爽と消えていった。同じ日本人として尊敬します。
山道を抜けると花の匂い
昔の病院跡 San Anton
Castrojerizはあとちょっと
絵画みたいな景色が出迎えてくれた。
アルベルゲが遠くてちょっと迷う。
アルベルゲで久しぶりにゆっくり過ごす。
コンロがなかったけど電子レンジとライスクッカーがあったので、白米と缶詰という軍隊みたいな食事を取る。
アルベルゲと自炊
節約自炊派としては、キッチンがなくては困る。
ガスやガソリンストーブは荷物になるので、やはりキッチン付きアルベルゲが欲しいところ。
しかし、スペインのジレンマがそこにはある。
スペインの田舎町は、日本にあるようなスーパーマーケットがない。けっこう大きい町に行かないと、生鮮食品が売っていないのだ。とくに肉はなかなか売っていない。ハムやチョリソはあるけど、生肉は置いていないというマーケットが多いのだ。
※たまにお肉屋さんがある。
しかもシエスタで昼間は開いていないし、日曜は休みのところが多い。ちょっと遅くついてしまうとシエスタで食事できないなんてことに。
さらにスーパーマーケットがあったのに、アルベルゲにキッチンがないという悲しいことも何故か狙ったようにあるのだ。
しかもしかも、マーケットには日本の惣菜のようなものは売っていないので、何もかもないとカフェのサンドイッチやバルのピンチョスなどを食べることになる。これがまあまあ高い。
日本のコンビニのありがたさが身にしみる・・・