巡礼17,18,19日 Castrojeriz~Fromista~Carrion de los Condes~Ledigos
6月7日
Castrojeriz~Fromista 23km 7時間
今日はミシュランのガイドブックでは17kmコースだったけれど、その分明日が25kmになってしまうので、6km先の街に向かう。アルベルゲも多いし街も大きいようだ。
ルート選びは人それぞれ。僕らは期限がないので気の向くままに巡礼中。
朝の静けさ。スペインは7時半でもこんな感じ。
いきなり見えるは急坂。
朝から登りかぁ~
12%の登りが1kmほど。
初日のピレネー越えに比べれば大したことないじゃないか!と念じながら登る。
100mくらい駆け登る。
頂上。この地域はテーブル・マウンテンのような台地が多い。
そこからは文字通りまっすぐ。
どこまで見渡せる素晴らしい景色。
これがあるから歩けるというもの。
そしてまた急激に下る。
Itero del castilioという巡礼者の病院だった建物を抜ける。
古い橋
スプリンクラーだらけの畑が続く
Vegaの町
そしてまたまっすぐ。
今日はこんな気の遠くなるような道ばかりで、実際の距離以上に長く感じた。
おにぎり。しかも海苔付き。
昨日、余ったご飯をおにぎりにしていると韓国人が海苔をくれたのだった。
海苔はどこにも売ってないので、これはカムサハムニダ~だ。
途中で一緒になったオーストリアのmagnoのおっちゃんとアレックスにあげてみる。
「この黒いのわかる?」
「海に生えてるやつだろ」
「おいしい?」
「・・・う~ん」
Boadilla del Caminoでバルしたあとは一気に6kmを駆ける。
ラストはいつも根性だ。
Fromistaにたどり着いた。
今日は見渡すかぎりの大平原ばかりを歩いたのでやたら疲れた。
しかしこの町のアルベルゲが厄介だった。
町すべてのアルベルゲがキッチンなし、そしてほとんどが8€。
泊まった公営宿は初めてのキッチンどころか冷蔵庫すらない。にも関わらず8€。皆でしかめっ面。
オーストリアのおっちゃんにヨガを教えてもらう。
オーストリアのおっちゃんにスペインのお酒を教えてもらう。
アルベルゲは門限があって大体22時には門を閉める。
おっちゃんたちとバルを渡り歩き、22時前に宿に帰る。
それにしても、みんな酒強い・・・
6月8日
Fromista~Carrion de los Condes 19km 5時間
昨日頑張ったので今日は短め。
最近は20kmくらいなら楽だなあと思えるようになってきた。
あと足が二回りくらい太くなったので、カーゴパンツを履くのがきつくなってきた。
毎日たくさん歩いてたくさん食ってたくさん飲んでたくさん寝ているので、終わる頃にはヘラクレスみたいになっているかビール腹オヤジになっているかのどちらかだろう。
日曜日の高速道路は静かすぎる。
Pablacion de Camposの町。
日曜日は基本ゴーストタウン化する。
巡礼者仲間発見!
今日は真っ直ぐな道が嫌なほど続く。
とても感じのよいアルベルゲ兼カフェ
距離が合えばここに泊まりたかった。
ハンモックまである。
まっすぐまっすぐ。
そろそろ半分歩いたことになる。
まだ半分か。先は長い。
まっすぐな道の横もこんな感じ。
果てしない・・・スペイン。
Carrion de los Condesにたどり着く。
今日はまっすぐ過ぎて疲れた。
町の中に入ると、たまに道がわかりにくくなる。
そんな時は「ドンデ エスタ カミーノ(サンティアゴ)」と聞けば教えてくれる。
スペイン人はみんな巡礼者にやさしい。
教会横のアルベルゲ。
ここは昨日と真逆で歴代最高のアルベルゲだった。
やさしいシスター、大きなキッチン、きれいなシャワー、WIFIもついて5€。
ついにスタンプも表面終了
日曜日なのでほとんどの店が閉まっている。シスターに開いている店を教えてもらう。わざわざ店先まで送ってくれたペルー生まれの優しいシスター。
結局今日も肉をゲットできず、ハムで済ます。肉との縁が悪すぎる。キッチンがあればスーパーがなく、スーパーがあればキッチンがない。
おお、神よ!!!
このアルベルゲではミーティングや歌会があった。そしてミサにみんなで向かう。
ミサのあと、巡礼者だけ残された。
司祭から感動的な言葉をいただく。
たくさんの巡礼者が号泣している。
日本人にはなかなかわからない感覚だ。でもカトリックのミサはとてもそういった演出が華麗で、最後にはその場の人たちと感動を分かち合うようになっている。
これが宗教なのか。初めて受ける感覚だった。
巡礼者はいろんなとこからやってくる
ミサの後の巡礼者だけの話の中で、司祭がどこから来たのか尋ねられた。
司祭が地域別に国の名前を上げて手を挙げる。日本の時はちょっと緊張した。
40人くらいいたが、一番多かったのは黒海にあるアルメニア。さすが歴史上始めてキリスト教を国教にした国だ。
・・・って思っていたら、Alemania=ドイツ人でした!!!
ドイツ人は団体だったので、3割を占めていた。やはりヨーロッパからの巡礼者が多く、フランス、アイルランド、オランダ、チェコなどから来た人が多い。ご当地スペインからはたったの2人だった。基本的にスペイン人は残り100km地点から激増する。
アジアからは珍しく韓国人がいなかったので僕達だけ。あとはアメリカやカナダからちらほら。珍しかったのはニカラグア。
さすが世界最大の宗教キリスト教。世界中から集まっている。
6月9日
Carrion de los Condes~Ledigos 23km 6時間
もう一泊したかったけど、泣く泣く出発。
アルベルゲの悲しいところは、これに尽きる。連泊できるのは最後のサンティアゴ・デ・コンポステーラだけ。
今日は歩き始めてついに半分を超える記念すべき日。なのだが、そんな気分を感じさせないくらい辛い道のりだった。
なんと今日はスタートしてから17kmの間、町がひとつもない!
補給も息抜きもできない。辛いなあ。
挙句の果てに11km鬼の直線
景色が変わらないのは苦痛・・・
立ちションもしにくいのが、ストレートの弱点!!!
バターのCMで使えそうな景色
さすがのタフガイも嫌になるくらいのストレートな道が続く。
17km歩いてやっとCalzadilla de la Cuezaの町にたどり着く。
でもまだまだ終わらない。
そして直線・・・
高速道路沿いを抜ける。
Ledigos到着。
長い一日だった。距離的にはそうでもないんだけど、精神的に辛い道中。
ほとんど精神力で歩いているようなものだから。
わんちゃんがお出迎え。
町は殺風景で何もない。
スーパーマーケットもアルベルゲ兼バルに併設されていて、品揃えもよくない。今日も肉が食えない。
でも、今日はイタリアママの本場パスタをいただく。
材料が少なくても、レストラン並みの味。
ボ~ノボ~ノ!!
嗚呼、イタリア人
ヨーロッパな人たちの中でヨーロッパな過ごし方をしているが、中でもイタリア人はおもしろい。
ドイツ人やフランス人が英語ペラペラな人が多い中、イタリア人はほとんどの人が話せない。イタリア語だけだ。
イタリア人のすごいところは、こっちがイタリア語なんてわかるはずないのにガンガンにイタリア語で攻めてくる。
彼らは地中海のような陽気さで、イタリア人だけで集まってよくパーティーをする。イタリア人のパーティはパスタとお菓子と大量のワイン、そして歌と笑い声。
そして何より一番食べ物をくれるのがイタリア人。いらないといってもワインを注いでくるイタリア人は楽しい人達ばかり。
ゴッドファーザーの真似をしたらかなりウケるのでオススメ。
マンマミ~ア!!!