巡礼20,21日 Ledigos~Sahagun~牛追い祭り
6月10日
Ledigos~Sahagun 16km 3時間30分
今日は短め。
最近かなりきつかったわりに、これからのスケジュールもかなりハード。
ということでガイドブックで3日間のところを4日間かけて行くことにした。
Sahagunは大きい町なので、けっこう皆が同じスケジュールにしていた。
休憩は大事だ。
そしてこの判断が牛追い祭りにつながるとはこの時思っても見なかった。
今日も元気に出発
快晴続きでありがたい。
農場を行く。
今日はくねくね道と変わり行く景色。
これぞ巡礼の旅。
Templariosはテンプル騎士団と縁があるとか。
思わず寝っ転がりたくなる花の中。
自転車も気持ちよさそう。
自転車巡礼は早い人ならサンジャンピエドポーからサンティアゴ・デ・コンポステーラまで2週間位だとか。
下り道の自転車は羨ましすぎる。
なぜか電線にぶら下がる靴
San Nicolas del Real Caminoのアルベルゲ兼バル。
客がこれだけいるのに時間通りに閉店。昼までお休み。
「スペインタイムよ」とイタリアのママが言った。
スペインタイムは住んでいる人には最高だが、巡礼者には時に牙を剥く。
この花、すごく良い匂い。
Sahagunが見えてきた。
大きい町だ。
手前の教会で休憩
巡礼者憩いの場
アルベルゲまであと少し、が長い。
Clunyというアルベルゲは教会の中。
ぱっと見、教会としか思えず街中をだいぶさまよった。
シャワーがあんまりだが、キッチンもWIFIも良い所。
久しぶりの、念願のスーパーマーケットとキッチンが両方揃った。
今日は奮発して豪華な料理に。最高の休息日となった。
朗報来る
アルベルゲで昼食をとっていると、いつも一緒のドイツ人が駆け足でやってきた。
「明日、牛追い祭りらしいわよ!」
なんとパンプローナで見たかったと嘆いていた牛追い祭りが、ここSahagunで明日行われるという。
しかし、さらに調査してみると牛追い祭りは明日の20時からだという。
無念。アルベルゲは連泊できない。昼までなら次の町のアルベルゲまで行ってしまえばよかったが、夜では無理だ。ホテルに泊まるしかない。
そんな時、一人のルピュイから歩いている日本人が言った。
「ぼく、私営のアルベルゲで予約できましたよ」
「マジで?」
6月11日
僕たちは私営アルベルゲにいた。
朝八時に泊まっていた公営アルベルゲを出て、その足で昨日予約した同じ町の私営アルベルゲに行ったのだ。
アルベルゲはルール上連泊できない。
同じ町のアルベルゲも無理だと聞いていた。スタンプを押されるのでわかってしまうからだ。
でも、何故かできたのだ。
教えてくれた日本人もダメ元で聞いてみたら、あっさりOKだったらしい。
7€で同じ町に泊まることができた。これで牛追い祭りをじっくり楽しめる。
※同じ町に連泊不可は、公営アルベルゲのみの話だと言われた。だから、始めに公営に泊まり翌日に私営に行けば同じ町に連泊できるのかもしれない。確証は定かではないが、もっと早く知っておきたかったような気もする。
牛とスペイン人
そびえ立つ闘牛場はこの時まだ静かだった
祭りが始まると、町は薪に火が広まるように徐々に徐々に熱狂を呼び起こす。
シエスタや日曜日のスペインでは想像もできない人々の賑わい。今までさっぱり感じなかったが、やはりここは祭りと情熱の国スペインなのだ。
町を歩けば老若男女が至るところからビールやワインを片手に集まってくる。若者は派手な衣装とマリファナの甘い匂いに包まれながら踊り狂っていた。
男たちはビールを浴びるように飲みながらも、目はいつもの陽気なスペイン人ではない。
祭りの前のふつふつとした時に浸るSahagunの人々
パレードが始まる。
いよいよパレードも終わり、牛を載せたトラックが道を走り抜けると、人々は歓声をあげる。
一つ目の号砲のあと、男たちは柵を飛び越える。さっきまで道を闊歩していた人たちは消え、
辺りが一瞬静寂に包まれる。
牛追い祭り、始まる
号砲とともに始まった牛追い祭り。
その迫力を連写でご覧あれ!
再度の号砲。
道の奥の方から唸るような声。
男たちは叫び、皆が牛が来たる方を睨みつける。
かすかな地鳴りとともに牛が現れた。
巨体を震わせ、石畳を砕くように走ってくる。
男たちも走り出す。
破れんばかりの歓声の中、人と牛が走り抜ける。熱狂は渦となって牛を追い立てる。
一瞬の出来事。死の香りと牛が揺るがす大地。
そこにスペインのすべてがあった。
闘牛場編に続く