ダハブでゆったり

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1週間もの間、死人のようにたそがれていたダハブ。
「ダハブはめっちゃ物価安いし最高っすよ」と教えてもらったので「旅疲れ」を癒やすために向かった。しかしいざ行くと決まったあとに「ダハブ、クソ寂れてますよ」とSNS上で旅仲間に言われた。どっちなのダハブ?


カイロのボロボロでエアコンもないバスターミナルから9時間の夜行バス。
最近のあまりよろしくない中東情勢はここエジプトにも当てはまる。エジプトは観光立国なので、観光客にはほとんど被害は出てはいないらしいが、イスラエルに近いシナイ半島は外務省様からあまり近寄んなと言われている。そんなまっただ中をバスで突っ切る。(ダハブは安全区域)


大丈夫と言われてもビビってしまうのが世の常。もしテロリストに襲われて身ぐるみ剥がされた挙句、「君も同士になれ」とか言われてイスラエルの空港で銃乱射とかになったら・・・


と、思ったりもしていたがこの区間かなり安全。
なぜならチェックが多すぎるのだ。
9時間の間に3回もパスポートチェックと荷物チェックがあった。その分危険だといえるが、軍人さんが賢そうな犬を連れて荷物チェックに勤しんでいる。これだけやってれば、さすがの悪い人たちも手も足も爆弾も出せまい。

 

 

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チェック、チェックで睡眠不足の中、ダハブに到着。
タクシーで町中へ向かうと、見事に寂れている。
海岸沿い以外の建物は殆どが空き家。オフシーズンとはいえ、人もまばらで思ってたのよりもグッと寂れている。西部劇のような渋い風景だ。

 

我々が向かう宿の名は「ペンギン村」だ。値段より名前で決めたのは言うまでもない。
怪しいスケベなマッドサイエンティストや「んちゃ!」とかいってウンチつけてくるメガネ女や何でも食べるバケモノや名古屋弁が飛び交っているかもしれない「ペンギン村」
かなり緊張して向かったが、普通のWIFIが遅いホテルだった。

 

ということで、1週間のんびり過ごしたダハブだが、少しは何かしらをしたのでそれについて書いてみる。

 

 

ブルーホールでシュノーケリング

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魔の海溝ブルーホール。ダハブの町から車で30分ほど行った場所にそれはある。
海岸沿いを歩くと、いきなりまるで巨大なバケモノが口を開けたかのように大きな青い穴が目に入る。
恐る恐る近づいてみると、そこには!!!!

 

 

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美しい珊瑚ときらめく魚たちが。
ああ、美しき紅海。照りつける太陽、澄んだ海、はしゃぐ人々。

まるでイスラムな空気を感じないここブルーホールは、世界的に有名なダイビングスポットだ。
なんせ珊瑚の中にいきなり800mもの深さをもつ大穴が開いているのだから。

 

ダハブといえばダイビング。

Cカードが格安で取れ、さらに目の前は世界屈指の美しい海がある。
けれども、ダイビングにさっぱり興味もないし金も無いのでシュノーケリングに勤しむ。
ダイビングって息が詰まりそうだ。それに天地無用の海の中って怖くないのだろうか?
そんなシュノーケリングで、手持ちの2m防水カメラのショボいカメラを駆使して撮ってみた珠玉のボケボケ写真。

 

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おそらく水中はちゃんとしたカメラとフラッシュがなければ、なかなかきれいな写真は撮れそうにない。でも防水ケースは、それこそ新品のカメラが買えそうなお値段だということは知っている。

 

 

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そんなブルーホールとラクダのミスマッチな風景が、ダハブだといえるかもしれない。

 

 

メインストリート

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寂れているとはいっても、メインストリートの夜の華やかさはまさにリゾート。
といってもほんの数百mもないが。
ここではイスラム圏の飯のレパートリーのなさを忘れさせてくれるくらい、豊富な料理が待ち受けている。

 

 

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サンレストランという日本人宿の上にある日本食屋。
久しぶりの味噌汁は、少ししょっぱい。多分、僕の涙がドバドバ入ってしまったからだろう。それくらい懐かしい味噌汁の味は格別。

 

 

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キングチキンという大層な名前通りのでっかい鳥肉を喰らわせてくれる店。これで300円位だ。
ペンギン村近くは安いレストランが多い。
ここでは足元でネコやら犬やらが施しを狙ってぞろぞろと集まっている。
目をキラキラさせて「ちょうだいちょうだい」しているので思わずあげてしまいそうになるが、世の中そんなに甘くはない。

 

 

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最後はいつもタイ料理店ブルーハウスのミルクシェイク。
ここの屋上でミルクシェイク(ストロベリー味)を飲みながら、寂れたメインストリートを眺めるのは「なんか俺リゾートしてる」という気分に浸らせてくれる。

 

 

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あと久しぶりに買い物もした。
Tシャツプリント屋さん。
選んだ図柄をアイロンでジュッと焼き付けてくれる。
一枚4€は安いが、「大丈夫、大丈夫ネ」というオヤジの言葉を信じるか信じないかはあなた次第

 

 

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ダハブではほとんどひきこもりニート生活だった。
ダイビング好きな人なら「なんて勿体無い!!!」と思うだろう。
これも贅沢なのだ。
ペンギン村のエアコン付きダブルルームはオフシーズンなので、一室110エジプトポンドにまで下がった。やはり人が少ないのだろう。
外は糞暑い砂漠と海の町なのに、ガンガンに冷えた部屋でゴロゴロする。
ああ、至福。

 

 

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溜まっていた本や映画を見たり寝たり飯食ったり寝たりぼーっとしたり寝たり寝たりの6日間で、やっと体力完全回復だ。火で焼かれようが斧でぶん殴られようが一夜で全快なドラクエの勇者には脱帽だが、これでアジアまで何とか行けそうだ。