「Ai Nikkor 50mm F1.2S」+D750でブナ林を撮る
当ブログではもはやお馴染みの中国山地のブナ林です。
中国山地は豪雪地帯かつ秘境中の秘境ということもあり、ブナの原生林に近い環境が残されている希少地域でもあります。
中国山地のブナ林については、「中国山地の登山」にて書いておりますのでご参照ください。
今回も例の『Nikon AI 50 f/1.2S』を引っさげて、西中国山地は臥龍山にてブナ林を撮影してきました。
F8くらいだとおぞましいカリカリシャープです。
ブナの原生林では、ごらんのように見事なブナの大木周辺には笹くらいしか生えません。
これは巨大なブナにより制空権を9割以上制覇されてしまったために日光を浴びることができず、他の木々は死に絶えたからです。
静寂なブナ林ですが、超競争社会でもあります。
樹木たちの知られざる生活: 森林管理官が聴いた森の声 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ペーター・ヴォールレーベン,長谷川圭
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2018/11/06
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る
ブナ林に興味がある方はこの本超おすすめです。
霧と雨のブナ林でしたのでかなり暗かったんですけど、さすが大口径レンズ。
手持ちでも何とか行けました・・・が、周辺光量落ちがすごいのなんの。
でも流れるボケの感じといい、ええ感じだなあ。
霧が上がってきました。
遠くに写っているのは友人です。
今回も撮影技術を各種取り揃えて教えてもらいました。
日本海側のブナは豪雪地帯のため、ぐにゃぐにゃ曲がっているものもあります。
しかしこのブナは見事なY字。
雪が多い地域のブナは樹肌も白い色に近いです。
この模様は地衣類によるもの。キノコとか藻のようなものです。
木肌が剥がれないので、木によって個性的な表情ですな。
後ろのモワモワボケが蜃気楼っぽいけど、この日は涼しかったです。
この辺でゴリゴリモノクロぶち込んどきましょう。
見事なビスケット・オリバ型のブナ。
菌に襲われたり、鳥や虫に喰われたり、風で枝が折れたり、雪の重みで曲げられたり・・・数々の傷を治し、時には不要な枝を捨てて、このような体躯になりました。
老木になると、傷の治癒が間に合わず、木の中の細胞や栄養分は様々な動物や昆虫や菌類に食べられてしまいます。
わりとハードな人生なんですね。
豊作の年には1本のブナが数万~数十万個の種子を落とすというが、その中で樹齢数百年の大木に育つのは1つあるかないかくらいらしい。
写真について言うと、このリンクの写真はD750のキットレンズである『Nikon AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR』で撮ったのだが、当たり前だけどぜんぜん描写が違う。
「Nikon AI 50 f/1.2S」は現行でも売られているが、設計は古くオールドレンズともいえる。
もちろんマニュアルフォーカスで、F1.2のピント合わせはデジタルカメラのファインダーでは不可能なので電子ビューを使っている。
写真はご覧のようにかなり癖があり、昨今のAFレンズに慣れている身からすると驚くこともあるが、そこが個性として愛せるのではないか・・・と思ったけど、「赤城写真機診療所」の医者が言うようにそれは気のせいらしい。
あ~でもこれは完全に沼だ、広大な沼が見える。
次回もブナ林!
おすすめリンク
貴重なブナ林が残っている中国山地へいらっしゃいませ。
お山の頂上に立っても周りは木で覆われています。
登り甲斐より森を愛でましょう。