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パイネ国立公園トレッキング その2

3月9日(3日目)

 

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晴れだ。神々しい太陽様が顔を覗かせている。

ありがたやありがたや。

そんな祈りを捧げているとレンジャーがやってきて不意にこういった。

「この先、雪で埋もれちゃってんのよね。」

なんと、この2つ先のキャンプサイトより始まる峠道が雪で埋もれたらしい。

そこはパイネトレッキングで最高地点を通る最難関の峠道。一気に1000m以上登らなければならない場所だった。どうやらそこが大雪で埋もれてしまったようだ。

せっかくSeronまで雪の中やってきたのに・・・

 

 

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話し合いで引き返すことに決まった。

パイネトレッキング最大の醍醐味はWコースである。レンジャー曰く「道がいつ通れるようになるかはわからない。」ということでぶっつけで行ってみるのも良いが、もし引き返すとなると3日間の浪費となり食料が底をつく。Wコースに行けなくなるのだ。

テントを切なく撤収していると、横にいたスペイン人のきれいなお姉さんが言った。

「私達は運に賭けてみるわ!」

お姉さんはナイスガイな彼氏とともに雪山の方へ向かっていった。

 

 

 

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昨日来たばかりの道を引き返すというのは悲しいことである。

せっかく進んだ道を引き返し、一度味わった苦楽をまたしなければならない。

だが、運良く晴れている。

ぬかるみが多少マシになり、川も歩いて渡れるようになっていた。

 

 

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昨日は何も見えなかった景色が今日はゆっくり堪能できる。

しかし天気が良いというのはここまでうれしいものかね。

昨日と打って変わってピクニック気分でホテルトーレスまで戻る。

 

 

 

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ここから次のキャンプサイトはかなりの距離があるので、早めに着いたが今日はここまでとした。

とにかく洗濯だ。昨日一日で泥んこまみれだった。

手洗い洗濯をすませ、夕方からティータイムである。

お日様の陽気にあてられながら、砂糖たっぷりの紅茶やコーヒーを飲む。

洗濯物と靴を乾かしながら、音楽を流して優雅な時間を楽しむ。

どこを見回しても美しいパイネの景色を堪能できる。

 

 

 

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この日は天気のお陰ではじめてゆっくるとパイネの自然を楽しむことができた。

 

Seron(9時半)→Hotel Torresキャンプサイト(14時) 4時間半 12㎞

 

 

 

3月10日(4日目)

 

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この日よりWコースの道を行く。

ここはかなり整備されており、看板もご親切だ。

地図を見るとこれからの道は小刻みなアップダウンを行く。

眼下に広がる湖を眺めながらのトレッキングなので、景色は最高だろう。

Wコースは巨大な青い湖の横を流れるような道が続く。

 

ホテルトーレスから先にはキャンプサイトCuernes、Italianoと続く。

ホテルトーレスからCuernesまでは4、5時間ほど。そこからItalianoまでは2時間半。

一気に行けなくもない距離だ。Italianoは無料キャンプサイトでもある。

そんな話を前夜ウキウキして語り合っていたが、起きてみるとまたしても雨だ。

しかもけっこう強い。

9時発予定もこの雨でのトレッキングはかなりしんどい。

結局チェックアウト時間まで雨が止むのを待ち続けることに。

 

11時、降り続く雨の中テント撤収を行う。

雨に濡れたテントをパッキングするときほど辛く悲しいことはない。

寝袋もせっかく昨日干しておいたのにまた湿気ってしまう。

気分最悪のまま荷物を詰め終える。

幸い風がないので寒さはないが、雨は一向に止む気配が・・・

 

 

 

 

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と思っていたら急に風が吹き始めた。

途端に雨雲が流れていき、ついに晴れだしたのだ。

 

 

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パタゴニアのわがままな天候が運よく味方してくれたのだ。

風は強いが雨がないのでるんるんである。

スタートがだいぶ遅れてしまったので、今日はCuernesまで歩くことに。

 

 

 

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地図通り美しい湖の横を歩く。

エメラルドグリーンな湖とどこまでも続く山並みが美しい。

道はアップダウンが激しい。

 

 

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この日、ついに「シャリバテ」になった。

シャリバテとはカロリー不足、要するにお腹ペコペコ状態だ。

肝臓に溜め込んだエネルギーが激しい運動で侵食され、ついに空っぽになってしまった。

これだけの荷物を背負って歩いているのに、食事はインスタントラーメンやクラッカー。無理もない。

むしろ精神的シャリバテが酷い。

なんせエル・カラファテでステーキ三昧、登山前は毎晩和食中華にビールやワインだったものだから、こう食事が貧相だとつらいのだ。

登山前にエネルギーを蓄えるという作戦が大失敗だった。人間は食い溜めと我慢ができない哀れな生き物なのだ。

 

 

 

 

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足が重く、石によくつっかかり始めた。

僕が毎日先頭を歩いているのだが、ぬかるみを避けたり道に迷わないようにしながらもペースメーカーの役割をこなすというのがなかなかこたえた。

日本では単独行ばかりだったので、加藤文太郎よろしくマイペースな山行だった。

しかし4人で歩くと何とも楽しくもある。1週間にも及ぶ長いトレッキング。励ましたり協力し合いながら歩くことによってどれだけ助かっただろうか。

 

 

 

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14時、やっとCuernesに辿り着いた。

何度もアップダウンがあり、途中からまた雨が降ったりで距離の割にはしんどかった。

Cuernesはかなり立派なロッジがあり、キャンプサイト用の食事スペースやトイレのある小屋もしっかりした作りだった。

しかしこのキャンプサイト。湖への切り立った崖のようなところにあり、そこから吹き込む風が山をせり上がっていくそのド真ん中に位置する。

恐ろしい強風が吹きあげるのだ。

はじめてペグが宙を舞うのを見た。台湾チームのテントは天井が外れて旗のように波打っていた。

轟音とともに猛風がテントを揺らす。ペグを石で補強しておいたが、その石すらどかすほどの風であった。

 

 

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テント周りを石ころだらけにして食事へ向かう。

ここでポイントだが、食事&調理スペースを使うなら17時過ぎには席取りをしておいたほうが良い。

客の9割は白人トレッカーなのだが、マイペースな彼らは決まって19時前後にドバっと現れる。それまで奇声を上げてふざけていたのに、その時刻になると一斉に腹が減るらしくもみくちゃになる。

我々はテントを立てるとすぐに机を占領し、ゆっくり調理を始める。

18時半くらいから夜食を初めておけば、喧騒から離れて優雅に食事ができる。

ディナーはシャリバテ気味だったのでトマトソースパスタにチーズをどっさり入れ、ツナ缶とともにいただいた。

そのままテントが飛ばされないか心配しながらも眠りについた。

 

HotelTorres(11時)→Cuernes(16時) 5時間 12㎞