モノクロ写真を撮るならFoveonという選択肢
モノクロ写真好きなら試してほしいのが、SIGMAのFoveonセンサー搭載カメラ。
Foveonのカメラは、一般的なカメラと違ってユーザーフレンドリー皆無。
僕の使う10年近く前のdp2 merrillに至っては、ISO400超えるとノイズが酷いし、真冬だと30枚くらい撮ったらバッテリーがお亡くなりになるレベル。
iPhoneに慣れた現代人を初見で殴り倒すとにかく扱いづらいカメラだが、吐き出す写真は唯一無二。
Leica M Monochrome(モノクロ専用センサーカメラ)に匹敵するとかしないとか言われるこの階調豊かな白と黒の世界は、わざわざマップカメラを漁る甲斐はある・・・と思う。
Foveonセンサーの特徴については過去記事を参照していただくこととして、Foveonのモノクロ写真の何が良いのか?
結局の所、この白黒の粘りである。
もう技術的なレビューではなく、感情的なニュアンスの世界だ。
この写真は、遅撃の巨人といわれているSIGMA Photo ProというFoveon現像ソフトで編集したものだ。
JPEGだとこんな感じ。
基本的にSIGMAのFoveonカメラは、撮って出しは厳しい。
特にカラー写真は色がすごいことになっていたりする。
モノクロ写真だと使えなくもないので、僕は基本的にモノクロ専用カメラとして利用している。
先程の写真と比較してもらうと、階調の豊かさと粘り気がおわかりいただけると思う。
このフィルムのような質感がたまらないのだ。
スペック的な情報だけではないこの温かみ、それを感じられるのであれば、あなたは『Foveonに選ばれた』のである。
つまるところ、Foveonの写真は感情に訴えかける。
なにせ使いづらい、データは重い、RAW現像も面倒だ。
この行程すべてに写真を撮る行為という身体的なデータが練り込んである。
故に単純なスペック競争のマウント取り合いと成り果てた昨今のカメラ界隈において、フィルム写真と同等の感情と身体性が残されている稀有なカメラと言えよう。
だからこそおすすめする「Foveonセンサー搭載カメラ」で「モノクロ写真縛り」という制限を加えることで得られる「撮影行為」への集中、これこそがFoveonの真髄なのだ。
だからこのモノクロ写真がすごいだろうと言えるのは、この写真を生み出すために弄した労力という謂わば思い出補正的な感情であり、これこそが撮影行為への集中を生むのである。
作品創り?映えるバズる「いいね」写真?
タイパが悪い?コスパが悪い?
Foveonはそんな次元ではない体験ができる稀有なカメラ。
そこに耽溺できる人間はFoveonに選ばれるのである。
Foveon楽しいよ〜これが言いたいだけの妄言記事でした。