バタイユと写真について「防湿庫が酸欠状態な我々は如何にして正気を保っているのか?」

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久々の長文駄文譚、バタイユ関連本を読み漁ったあとの残滓を無理矢理写真にタグ付けした次第。

バタイユの生産消費批判はそれはそれはダイナミックに現代社会に生きる我々を直撃し、防湿庫がパンパンで酸欠状態のそこのあなたなんかは涙なしには見れないのである。

ポトラッチ的非生産消費=蕩尽こそ、人間本来のエネルギー贈与サイクルの本質であると言ってのけたバタイユは、なるほどかなりパンクな人生を歩んでいる。

しかし、冷静に鑑みると、我々のようなカメラ沼の住人は、非生産消費に近いポトラッチマップカメラ徘徊に勤しみ、センサーサイズがどうだ、モノクロのグラデーションがどうだと宣っている。

一般人から見れば、黒魔術のような業界用語が飛び交う邪悪な儀式・・・SIGMAさんFoveonまだかな?

 

そこにあるのはなにか?

生産消費という資本主義経済に汚染された、いずれ競争的消費行動に押し込まれるこの世の全てに対してのアンチテーゼ的生産消費といえる。

結局は大量消費社会におけるメタ的生産消費なのではあるが、そこに流行のような強い衝動的承認欲求を諦めた一種の達観がある。

故にジメジメした暗がりで界隈を築き、お互いの傷をなめ合いながら、表現という無益な行為を生きがいに社畜道でのたうつのである。

バタイユのいう呪われた部分とは、我々にとっては聖なる夜なのだ。

メタ的生産消費における一種の達観、そして「客観的」客観的異常行動における疑似非生産消費、これこそ我々カメラ沼の住人であり、故に現代写真の究極の神経興奮閾値、すなわち終わりの始まりなのである。

しかしその崩壊の瞬間にこそ生きる意味を見出す、故に生産なき破壊により演出された自然サイクルに囚われることなく、崩壊の最中のとある結節点に生きる自己を自己として見出す。

その瞬間にこそ、あらゆる社会のしがらみから抜け出た無重力状態が体感できるのである。

 

 

 

モノクロ写真を撮るならFoveonという選択肢

モノクロ写真好きなら試してほしいのが、SIGMAのFoveonセンサー搭載カメラ。

Foveonのカメラは、一般的なカメラと違ってユーザーフレンドリー皆無。

僕の使う10年近く前のdp2 merrillに至っては、ISO400超えるとノイズが酷いし、真冬だと30枚くらい撮ったらバッテリーがお亡くなりになるレベル。

iPhoneに慣れた現代人を初見で殴り倒すとにかく扱いづらいカメラだが、吐き出す写真は唯一無二。

 

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Leica M Monochrome(モノクロ専用センサーカメラ)に匹敵するとかしないとか言われるこの階調豊かな白と黒の世界は、わざわざマップカメラを漁る甲斐はある・・・と思う。

Foveonセンサーの特徴については過去記事を参照していただくこととして、Foveonのモノクロ写真の何が良いのか?

 

結局の所、この白黒の粘りである。

もう技術的なレビューではなく、感情的なニュアンスの世界だ。

この写真は、遅撃の巨人といわれているSIGMA Photo ProというFoveon現像ソフトで編集したものだ。

 

JPEGだとこんな感じ。

基本的にSIGMAのFoveonカメラは、撮って出しは厳しい。

特にカラー写真は色がすごいことになっていたりする。

モノクロ写真だと使えなくもないので、僕は基本的にモノクロ専用カメラとして利用している。

先程の写真と比較してもらうと、階調の豊かさと粘り気がおわかりいただけると思う。

このフィルムのような質感がたまらないのだ。

スペック的な情報だけではないこの温かみ、それを感じられるのであれば、あなたは『Foveonに選ばれた』のである。

 

つまるところ、Foveonの写真は感情に訴えかける。

なにせ使いづらい、データは重い、RAW現像も面倒だ。

この行程すべてに写真を撮る行為という身体的なデータが練り込んである。

故に単純なスペック競争のマウント取り合いと成り果てた昨今のカメラ界隈において、フィルム写真と同等の感情と身体性が残されている稀有なカメラと言えよう。

だからこそおすすめする「Foveonセンサー搭載カメラ」で「モノクロ写真縛り」という制限を加えることで得られる「撮影行為」への集中、これこそがFoveonの真髄なのだ。

 

だからこのモノクロ写真がすごいだろうと言えるのは、この写真を生み出すために弄した労力という謂わば思い出補正的な感情であり、これこそが撮影行為への集中を生むのである。

作品創り?映えるバズる「いいね」写真?

タイパが悪い?コスパが悪い?

Foveonはそんな次元ではない体験ができる稀有なカメラ。

そこに耽溺できる人間はFoveonに選ばれるのである。

Foveon楽しいよ〜これが言いたいだけの妄言記事でした。

 

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