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tabing 世界一周

旅好きな夫婦が世界一周してきます。旅好きな人たちが集まるサイトです。

バックパッカーが日本社会へ順応するまで~②ド田舎就職で見えてきたもの

㊳旅を終えて

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前回の記事で言いたかったこと、それは僕がほんとうにしたかったことは旅でしかなかったということが判明したということだ(^O^)

旅の後にも先にも何もなく、何にも縛られることなく自由に生きる・・・う~んこりゃニート一直線だ。

だが現実は小説より過激だ。

生きるためには金がいる。

さあ働け!

 

 

 

兎にも角にも就職活動

とりあえず貯金もないし荷物も残していた僕の実家(某日本で一番場所がわからないといわれてしまう県)に帰ることに。

そこはドス黒い日本海と腐海のごとく広がる中国山地に押し迫られた猫の額のような平野に人間がひしめき合う限界集落

世界トップクラスの高齢化と学校が軒並み潰れていく少子化のダブルパンチ、寂れた港と荒廃した田んぼが広がる半径100km吉野家もスタバもない秘境。

 


そう、仕事が無い!!

 

ハローワークに行ってみるとそこにあるのは6割土建業、3割医療系、残りは乾物屋や警備員・・

ま・・・まさに自民党王国

 

我が故郷は小さな県立大学があるだけなので、18歳過ぎるとほとんどの(希少な)若者がこの地を後にする。

彼らは初めて見る都会の生活にすぐさま順応し、最初の夏休みで金髪・ブランドで身を飾って帰ってくる。

「ここ何もねえなあ~」と言いながら。

 

そしてもちろん給料もおざなり、そのくせインフラが崩壊しているので車を持っていないと就職すらできない。

安い給料に車の維持費がフッかかる。

家賃が安いだろうと都会の人達はおっしゃる。しかし田舎は物価が高い。競争が少ないのと輸送代なんかも加わるのでスーパーに行けばビックリするだろう。ここに車の維持費が加わる。

田舎暮らしは想像以上にハードなのだ。

 

 

 

じいちゃんの遺言

かという僕はなんと奇跡的に資格を持っているのでなんとか就職はできた。

これは死んだじいちゃんの遺言を守ったからだ。

じいちゃんは教師だったくせに鼻くそほじるくらいしかすることがなかった高校生の僕にこう言った。

「これからは大学出ても一銭もならん。専門学校いって資格を取れ」

じいちゃん!ありがとう!

 

まさにじいちゃんの遺言通りの世の中になった。

今や大学を出ても仕事が無いという世の中だ。

「いや、仕事はあるのに若い奴が選り好みしているからだ」

と、我々ゆとり世代を馬鹿にする大人たちは多い。

が、個性だのオンリーワンだの教育され、テレビを見ればお先真っ暗な未来のニュースを垂れ流された日には、そりゃ選ばせてくれよ!と言いたい。

なんせ僕の世代はバブルを知らない。物心ついたころには平成不況。失われた20年の中でしか生きていない。総理大臣は顔を覚えた頃には変わっている。高齢化社会に医療費問題に世界一の借金王国・・・そりゃ公務員や大企業が人気になるだろう。

僕はじいちゃんのおかげでなんとか働くことができた。

 

 

 

ド田舎就職で見えてきたもの

そんな僕にはけっこう良い大学を出た友人がいる。

彼は都会で仕事を探したがなかなか良い所に入り込むことができず、やっと受かったところが超絶ブラック企業だった。

結婚して子供ができても家族に会えないような激務&激務&激務!!!

嫌気が差して田舎に帰ってきた、がやっぱり仕事が無い。

 

結婚して子供ができた若者に多いのだが、都会の生活と今の上がらない給料ではなかなか暮らしていくことができないために実家に帰ってくるというケースがある。

実家で両親と暮らせば育児や経済面でも恩恵があるが、その分仕事が無いという厳しい面もある。

友人は結局父親の紹介で小さな会社の事務職になった。給料は3割減ったが、仕事は楽なので今は楽しいと言っている。

 

 

都会で暮らすのは経済的に大変、かといって田舎に帰ると(やりたい)仕事が無い。

これが少子化まっしぐらの日本のリアルなところだと思う。

価値観の多様化で個人の幸福度を重視する時代になってきた。そこに未来の見通しの不明瞭さと仕事や経済の不安定さが混ざりこむと、「子供=リスク」という考えが芽生えてしまうのは切実なところだと思う

 

僕も正直子供はいても1人が限界だと思う。

これは僕の周りの友人達もだいたい同じで1人か2人という。日本の出生率が1.4人だからやはりこんなものなのだろう。

僕の知り合いに3人の子供を抱えて家まで建てて頑張っている人がいる。

とても尊敬しているが情けない話僕にはあの火の車のような生活が耐えれそうにもない。

「子は鎹」というのはわかるし、子供は好きだ。

しかしそんな子供にどんな暮らしをさせてあげられるか?そして子供を持った自分はどうなるのか?出来てしまえばなんとかなると言われるが、今の少子化が表すように「子供=リスク」と捉えてしまうのはそもそも自分達に自身が持てない若者の問題でもあると思う。

 

 

もちろん環境面がしっかり整備されていないからといわれるのもわかる。

我が故郷はド田舎のくせに子供に対する補助などが殆ど無い。3人目になると保育料金や医療費の減額があるらしいが、人口減少まっしぐらなんだから空き家をタダで貸すとか税金減らすとかそういった試みを・・・する経済的余力すら無い。

 

これが田舎なのだ。

町はちっさなショッピングモールがあるだけで商店街は死屍累々。漁港は若者がいなくて錆びた船が漂い、山は荒れ果て休耕田の平野が広がり崩れかけた家々が並ぶ。

儲かっているのは病院とパチンコ屋だけだ。

 

 

それでも頑張っている人達もいる

これも忘れてはならない。

田舎で新たな事業を始めている人、若い人たちの力で地元を盛り上げようとしている人たち。

しかし残念ながら行政はどこもにっちもさっちもいっていなので、こういった努力は個人のものすごいエネルギーに頼るしか無いというのが現状らしい。

我が故郷はUターンやIターンの若者などへの支援を表明してはいるが、今流行の空き家バンクや仕事紹介なんかはホームページにちょろっとあるだけで、正直やる気は感じられない。

 

 

 

そして僕がこんなに暗いのは帰国してこんな本ばっかり読んでいたからだ!!!

絶望の国の幸福な若者たち

絶望の国の幸福な若者たち

 

 

ゼロ年代の想像力 (ハヤカワ文庫 JA ウ 3-1)

ゼロ年代の想像力 (ハヤカワ文庫 JA ウ 3-1)

 

夢の様な世界一周から帰ってこんなクソリアルな本を読んでしまうなんて僕はなんてマゾ野郎なのだ。

そんな僕だがなんとか仕事を始めた。

それでは働くことについて、世界で学んだことを次に書いてよう。

 

 

・・・暇なんで