バルナックライカⅡfのフィルム装填とグッタペルカ剥がれと現像難民
バルナックライカⅡfとニコンF3を貰うという信じられない奇跡が起こりました。
日頃の行いが良いのか、それともあまりに哀れに思われたのか、まあこんな大層なものをいただけるなら何でも良いです。
バルナックライカⅡfとは
人生初ライカです。
手にとった瞬間、「雷に打たれたよう」とはこのことかああああ!ってなりまして、深い暗黒の『ライカ沼』の入り口が垣間見えました。
ライカには憧れてはいましたけど、コスパ最悪のブルジョワ趣味骨董品だと思ってました。要するに貧乏人の僻みなんですが、よく言われる「ライカの良さ」なる哲学的なものが凡人の僕でも持った瞬間にわかりました。
「これはよくわからんがすごいものだ」と。
非常に小さいですが、ずっしり重い。この重さがただ金属の重みではなく、何やら複雑なものが数学的に超絶技巧で敷き詰められた俗人には理解不能な重みなのです。
「これがドイツか・・・」
おそらくこのセリフはライカを手にした者か、ベンツSクラスに乗った者か、気づけばモスクワ寸前まで迫る機甲師団に慄いた某ジュガシヴィリ氏くらいでしょう。
バルナックライカとは、皆様おなじみのM型ライカ以前のモデルです。
天才オスカー・バルナックが生み出したレンジファインダーカメラであり、現在あるカメラの原型といっても良いでしょう。
ブレッソンやキャパが使ってたくらい時代の最先端のカメラでした。
このⅡfは製造番号から察するに「1956年生まれ」であり、カストロとゲバラがキューバに上陸した途端コテンパンにされた年、即ち宅麻伸と同級生であります。
ちなみにⅡfは、バルナックライカ最高の名機といわれるⅢfからスローシャッター機能を省略したモデルです。
ダゲレオタイプのような大型カメラが当たり前だった時代に、手の中に収まる大きさながら美しい写真が撮れるバルナックライカの登場はどんな反響だったんでしょうかね?
たぶんルウム戦役の時のモビルスーツくらい驚かれたことでしょう。そりゃレビルも捕まるわな。
フィルム装填の儀式
写真がブレてて申し訳ありませんが、バルナックライカにはひとつ面倒な儀式があります。
フィルム装填です。
写真のようにフィルムをハサミで切らないといけません。
デジタル世代は何を言っているかわからないでしょうが、僕もさっぱり理解できませんでした。
バルナックライカは、裏蓋が開かないのでフィルムをそのまま入れると干渉しちゃうようです。
なので写真のように、20穴目くらいまでハサミで切らないといけません。
しかもハサミで切る時にササクレができてしまい、かつそのまま装填してシャッターを切ると即オーバーホール(数万円)というわけのわからない仕様です。
しかもしかもこのフィルムを完璧に切るのに必要な純正の定規は20000円とかします。
もう全てがよくわかりませんが、何をどう調べても「悲しいけど、これライカなのよね」としか答えが出てきません。
しかも先程の写真だと切除部分が足らなかったようで、更に切りました。
ヒヤヒヤもんですよ。
フィルム装填の儀式は動画見てやったほうが良いです。
グッタペルカ剥がれとAKI-ASAHI
さあフィルム装填したし写真撮るぞと意気込んだところ、ペリッという乾いた音とともに何かが剥がれました。
『なんじゃこりゃ!』と腹を擦りながら叫ぶしかない状況に。
この黒い革みたいなのって、革かと思っていたら「グッタペルカ」という樹脂みたいです。
ゴムみたいなもんです。これが乾燥や錆などが原因でパリパリになってました。
オピネルってこんな使い方もできるのね!
シールはがし液とかで綺麗に剥ぐのがセオリーらしいですが、本隊の錆が酷いのでナイフで丁寧かつ豪快に捌きます。
こちらの本が参考になりました。
要するに鹿を捌く要領ですね。はい、服部先生。
服部先生の教えを忠実に守っていると、こんなに綺麗に剥けました。
これはこれでありかなあ~
しかし手が滑りまくるし、なんか錆が酷くなりそうなので修理を検討することに。
そしてGoogle検索1ページ目であまりの修理代金の高さにドン引きです。イシンバエワも予選敗退ですよ。
つうことで、貼り替えシールです。
グッタペルカと違って頑丈で扱いやすくてとにかく安いシールです。
転売目的ではなく死ぬまで使い倒すならば、こっちのほうが良いでしょう。
AKI-ASAHIさんで貼り替え革購入。
合皮ですが本物と見分けが付きません、遠くからなら。
手触りはスベスベしてますが、ぱっと見はきれいなバルナックライカになりますので面子は維持できます。ご存知のとおり、ライカの半分は面子でできています。
そしてお値段2300円!お求めやすい!昔の個人ブログのようなAKI-ASAHIさんのショップHPを見て少し心配になりましたが、これもコスト削減のひとつなのですね。
綿棒で水をぬりぬりしながら、細かいところは爪楊枝で止めます。
非常にアホなことをしてしまいまして、レンズを外さずに貼り始めてしまったので大変な目に合いました。
しかもフィルム入れてたので、感光しないように暗闇での作業になりました。
ですがご覧の通りピッタリ!本物と比べてもわかりません。遠目なら。
お気づきでしょうが、冒頭の写真はシールバージョンです。
現像難民
デジタルカメラがアルデンヌを無双走りするグデーリアン装甲集団のようにシェアを拡大し、おかげでフィルムカメラはダンケルク状態です。
当然のようにフィルムは値上がりするし、現像もままならない状況です。
僕の住むド田舎ではカメラのキタムラすら無く、記念撮影がメインの写真屋しかありません。フィルム現像を頼むと、カメラのキタムラの1.5倍の費用提示と「ある程度溜まってやるからいつ現像できるかわからない」と言われました。
まあ仕方ないです。これが資本主義なんです。サンダース働け!
しかもカメラと一緒にもらったフィルムが今は亡きネオパンSS(消費期限2014年)というモノクロフィルムであったため、行く先々で断られることに。
モノクロフィルムって現像大変なのね。
「だったら自家現像すれば良いじゃないか!ハハハハ」と脳内でドーパミン中毒患者と化した大蔵大臣が笑っている。
ネットで現像もできるみたいなので、いつか使ってみようと思います。
そのため、作例一切なしの謎の記事になりました(笑)
まとめ
FUJIFILM カラーネガフイルム FUJICOLOR C200 36枚撮り 英文パッケージ 10本セット
- 出版社/メーカー: FUJIFILM
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
憧れのライカを手にした途端、襲い来る魑魅魍魎。
フィルムカメラの基本も知らない僕は、図書館行ったりブックオフ徘徊したりライカ廃人(聖人)のブログをサーフィンしたりと大変な目に。
結局、まずはネガフィルムで練習してから今後の展望を考えようとした矢先・・・例の沼からお呼びがかかる!
「ライカはええぞ~M型はもっとええぞ~ファインダー1つで賄っちゃってるぞ~巻き上げレバーの感触は買ってみないとわからんぞ~」
次回『普通にM型ライカを買う』の巻!見てくれよな!