巡礼26,27日 San Martin del Camino~Astorga~Rabanal del Camino
6月16日
San Martin del Camino~Astorga 23.5km 6時間
昨日がんばった分、今日は少し短くなった。
こういう調整が大事だったりする。
一応ガイドブックのスケジュールに添ってはいるが、たまに意味不明なブラック企業化するときもあるので、自分のペースが大事だ。
アルベルゲ、朝6時半出発。
珍しく早い。最近は暑いせいか朝早く出立する人が多く、6時過ぎまで寝ていたらほとんど誰もいなかったなんてことも多々ある。
今日は若い女の子の韓国人2人組が、朝早くからテンションマックスで出発用意してルンルン飛び出していったので、おかげで早く目が覚めた次第。
寒い。
昼間は30度近くなるのに、朝は10度切る時もある。
体に悪い・・・
Hospital de Orbioには大きな橋がかかっていた。
朝日に照らされ、とても美しく見えた。
この町を出ると分かれ道。
よくわからんので地図を取り出そうとすると、地元のおっさんが真っすぐ行けという。
2ルートとも正規の道なのだが、真っすぐは幹線道路沿いの一直線、右の道は山道をくねくねと歩く道。一見真っすぐが良さそうだが、13kmの間町一つ無いアスファルトロード地獄だということをこの時は知らなかった。
地図の予習は大事。
朝の日を受けて
延々歩き通すと、今度は長ったらしい嫌味な坂。
周りの人たちも悲鳴を上げる。
なんてったって暑い。
暑さでぼーっとしながら歩いて行くと、何やら十字架が。
そして遠くAstorgaの町が見えた。風の通り道でとても涼しい。
景色も良いし、このまま一気にAstorgaへ向かう。
San Justo de la Vegaの町を抜けると、Astorgaのカテドラルが見えてくる。
カテドラルは遠くからでもわかるくらい巨大だ。
そして歩けども歩けどもなかなか近づかない。
ラスト5kmの辛さは、巨大なカテドラルの幻影によって高められる。
なんじゃこりゃ!
線路を渡る歩道橋。でっかい。
歩道橋から見た町
町中に入る。
この像の後ろにあるアルベルゲが良いということをこの時は知らない。
Burgosまでの都市では旧市街の道がわかりにくいので、アルベルゲへの看板が沢山立っていてわかりやすかったのだが、LeonといいAstorgaといい大きい町なのに何の標識もない。
まだ先に良いアルベルゲがあるのかと探索に行ってしまった。
ガウディ設計の司教邸。
なんでも司教が恥ずかしがって住まなかったとか。
たしかにメルヘン。
ガウディ建築は見るのは良いけど、住むのはちょっと勇気がいる。
逆光のカテドラル。
だいたいカテドラル近辺にアルベルゲがあると踏んで、あたりで聞きまくる。
教えてもらった所にやっとこさたどり着くと、9€でキッチンはあるけど見させてくれないという有り様。
結局また巡礼者に聞きまくって、先程の像の後ろにあるアルベルゲへ辿り着く。5€、キッチンあり。
もうヘロヘロ。
この町、スーパーマーケットがあった。
やはりこういったまあまあ都会な町が一番良い。アルベルゲ近くに全国チェーン系のスーパーマーケットがあるからだ。
スペインは店によって商品の価格がバラバラで、このような大手のスーパーマーケットと田舎の個人商店では2倍近く価格が開く場合が多い。ここは安すぎるので、今日はリッチな晩飯に。
ぎゃーーーーーーーー!
と、毎度スーパーマーケットで驚いてしまうウサギちゃん。
今回は「パックでウサギちゃん」
このアルベルゲはとてもよい。キッチン、シャワー、WIFIの設備、近くに大手スーパーマーケットの立地、そして5€。
そしてそしてこの景色。
テラスで食事ができる。
あと、宿のお兄ちゃんが変な日本語が喋れる。
「おれは、モンキー・D・ルフィだ~!!!」
キッチンと韓国人と食文化
清き正しき巡礼の旅。
でも実は水面下で争いはある。
それはアルベルゲだ。ベッド数が決まっているため、速い者順となり、辺鄙なところなどでは競争になる。
やっとアルベルゲについても今度はシャワーと洗濯争い。争いと言っても食いかかるようなことはないけども、やっぱり皆待ちたくはない。
しかし、唯一言い争いになることがある。
キッチンだ。100人も泊まれるような大アルベルゲにも関わらず、キッチンが小さいなんてことはザラで、食事時はそれはもう戦争になる。
そしてその根源はだいたい「韓国人グループ」なのだ。
韓国人は、アルベルゲでも立派な韓国料理を作る。すごく豪華で、僕はいつも横目で眺めてはよだれを垂らしている。
しかも韓国人はグループ巡礼が多く、さらに同じアルベルゲで出会った韓国人達と一緒に食事をする傾向にある。仲睦まじき韓国人。それだけなら微笑ましいのだが、そのキッチンの占拠率なるは半端ない。
なんせ、米を炊き、コチュジャンとニンニクの肉料理、さらにスープなどなどを一斉にグループで行うので数少ないコンロをあっという間に占領してしまう。
これには皆閉口で、これが原因の言い争いを2回見た。というか巡礼でケンカなんてこの件でしか見たことがない。
だから欧米人には韓国人を悪くいう人もいる。
しかしそれには異論がある。これは食文化の問題でもあるのだ。
欧米人はというと料理はすごく早い。パスタを茹で、ちょっとベーコンなんかを炒めて終わりである。
では、東洋人はというと米食文化だ。スペインはパエリアがあるくらいだから米はよく売られている。韓国人と話すといつも米の話になる。
「やっぱごはん食べなきゃ力でないよね」
しかし、米は炊くのに時間がかかるのだ。これはどうしようもない。欧米人がパンやパスタを食べているころ、我々はまだ米をぐつぐつ炊いている。
しかも、米食はおかずが必要不可欠なのだ。ご飯だけでは味気なさすぎる。欧米人がよく食べるパスタやサンドイッチは、生の野菜やハムやチーズなどをそのまま使えるが、東洋人のおかずはどうしても調理が必要な物ばかり。
韓国人がキッチンを占拠してしまうのは、人数が多く、さらにグループで食事をし、そして調理に時間がかかってしまう。というところにある。
日本人はそもそも人数が少なすぎるし、韓国人よりも欧米食を食べる割合は多い。僕らも米とパスタは半々だ。
まあ、キッチン占領していようが全く意に返さない韓国人が多いのもあるけども、米食は時間がかかってしまうというのが原因だとも思う。
写真はキッチン大戦争図。真ん中はビビって入れない嫁。
そんなキッチン大戦争には平和憲法など通用もせず、せこせこと隙を突いて作ったのはなんと韓国料理。
これは以前Najeraで韓国人にもらった韓国軍携帯食のコチュジャンで豚バラ肉を炒めたスタミナ料理。もちろんニンニク盛りだくさん。
この2日はハードだったので、ちょっと高めのワインとこのスタミナ料理でパワー充填だ。
6月17日
Astorga~Rabanal del Camino 20km 5時間
昨日の豪華飯のおかげで今日は凄まじく元気。
なので快調にすっ飛ばしていく。
さあ、行こう!
町を抜けると土の道になった。
これで足が少しは楽になる。
今日はなだらかな登りがずっと続く。
Murias de Rachivadoの町
ピンバッジだらけのバックパック。
ピンバッジは一個2€前後するので、けっこうな額がかかっていそう。あと重そう。
景色は久しぶりの大自然。やはりこっちのほうが気分も良いし、足も軽い。
十字架に導かれ、巡礼者は行く
超久しぶりのがっつり山道。
ここ2週間以上見なかった。明日からは凄惨な山道らしい。はあ~
町が見えてきた。日差しが強い。
今日の目的地Rabanal del Camino
もうちょっと行けそうだったが、嫁さんの意見によりここで泊まることに。やはり暑さがきつい。
で、ビール。
こればっかり。最近、これだけ歩いているにもかかわらず腹が出てきた。どうなっているんだ!!
ワールドカップは世界のお祭り
ワールドカップでカミーノの話題は持ちきり。
開幕直後のスペインの大敗のニュースが駆け巡っている。
仲良くなったドイツ人とバルで、ブラジル対メキシコを見に行く。
ドイツ人はやっぱりサッカー狂い。今日のバルも地元民以外はドイツ人だらけだった。
そんなドイツは緒戦で強豪ポルトガルをボッコボコにしたものだから調子が良い。
だからワールドカップの試合結果はニュースを見るまでもなく、ドイツ人がみんな教えてくれる。
「イングランドが負けやがったぞ!」とか「ブラジルも大したことねえな!」とか。
ここで「世界で聞いた日本人サッカー選手の人気ランキング」
・・・・と思ったんだけど
悲しいかな、ほとんど知られていない。
ミランに行ったばかりの本田はともかく、天下のマンチェスター・ユナイテッドの香川、インテルの不動のサイドバック長友なんかは有名かとおもいきや・・・
「日本人?ごめんけど誰も知らないや」
ドイツ人にはドルトムント時代の香川の話をすると「あっ!確か日本人いたような気がする」と言われ、イタリア人は「自分の応援するチーム以外興味ない」とも言われる。
悲しいけどこれ現実なのね。
同年代の友人と飲んでいる時に『昔なつかし外国人スポーツ選手』の話をする時があるが、そんな時にぽっと日本人選手が話題に上がるようなものなのかもしれない。
こっちの人からすると本田や香川や長友も、オマリーとかガルベスとか三都主とかシジマールとかと同じような感じなのかもしれない。
そんなこんなで、アルベルゲの門限いっぱいまでサッカーをわいわい楽しむ。