インドの治安はまさにカオス!「負けるな日本人!対インド危険回避マニュアル」

f:id:tetsujin96:20140922004548j:plain

御存知の通り、インドの治安は悪い。

万全を期していたため直接的な被害は受けなかったが、そういったお誘いは耳が腐り落ちるほど受けてきた。
強盗や泥棒などの被害は、危険な場所を避け、最大限の注意を払っておけばそこまで恐れることはない。夜間は出歩かない、知らない人について行かない、荷物から目と体を離さない、列車やホテルでは荷物にチェーンロック。これだけやっていれば、よっぽど運が悪くない限りは被害に会うことはない。


インドで一番降り掛かってくる災難といえば、「詐欺」である。
このブログでも再三取り上げたが、その手口といったら子供だましからシャーロック・ホームズもたまげる完璧犯罪までバリエーション豊かにおおくりされている。

 

そしてその格好の獲物といのが我々「日本人」だ。
和をもって尊しとなす、空気を読むバーコードリーダーなJAPAN人はとかく彼らの大好物である。インドの地に一度足を踏み入れれば、あなたは大人気。初対面なのに友達だといってくる中年オヤジたちに囲まれることだろう。フェイスブックでも処理できない友だち申請の嵐。そしてその友だちはあなたの財布の中身にしか興味が無い。


NOといえない日本人。そこに彼らのつけ込む隙がある。強く否定しなければ「OK」なのがインド。ダマされる奴が悪いというのがインド。警察もグルなのもインドなのだ。
強引にリキシャに乗せて自分の知っているホテルやツアーショップに連れ込まれ、そこで無理やりボッタクリ価格で契約させられてしまう。地球の歩き方に毎号書かれているのに、まだダマされてしまう人がいるという。
彼らは巧みに近寄ってくる。時には強引に、時には優しく。まさしく柔の心ではないか。
慣れない土地で急に仲良くしてくるインド人。道を教えてくれたり、困っていないか聞いてくれたり。彼らが最後に化けの皮を剥がすまで、残念ながら良い人か悪い人かはわからない。

 

でもそれはほんの一部の輩なのだ。
インド人は親切だ。市井のインド人は道を聞いてもちゃんと教えてくれるし、困っていても助けてくれる。僕らも自分の乗る列車がわからなくて困っていた時に、わざわざネットで調べてくれたインドの若者がいた。僕らが降りる駅になると教えてくれたある家族、ミールスの食べ方を教えてくれたおっさん、バスの乗り継ぎがわからない時に一緒についてきてくれた老夫婦。彼らは金銭の要求もしないし、どこかの店に連れ込もうともしなかった。
ほんの一部の輩のせいで、インドに悪いイメージが覆いかぶさっている。

如何に詐欺師達との戦いを「楽しみながらもやっつけれるか」がインドの旅のテーマともいえる。

なので今回は対インド旅行マニュアルを書いてみよう。インドに愛をこめて。

 

 

 

 

インドでの気構え

f:id:tetsujin96:20140922011728j:plain

彼らの手口はインドの神のごとく無限に存在する。
駅に行けば、「今日は列車のチケットがすべて完売だよ!」
外国人用窓口に向かえば、「その窓口は今日は休みだよ!」
行き先を告げれば、「そのホテルは潰れたよ。僕の友達のホテルが良いよ!」
安宿街を歩けば、「今日はインドのお祭りでどこも満員。僕のホテルしか空いていないよ」

政府のツーリストオフィスに行けばそこは偽物、バスセンターに行けば違うバスに誘導され、ツアーショップに行けば言葉巧みに関係のないツアーが組まれそうになる。

まずは敵を知るべし。ということで、インドで巻き込まれるありとあらゆる手口のほんの数%だけだが、マニュアル化しておこう。

 

親切なインド人はいる。しかし、残念ながら言い寄ってくるインド人の99%は「金」の匂いを嗅ぎつけてやってきた奴らである。
だから寄ってくるものはすべて悪人だと決めつけておかねばならない。

大げさだが、これくらいの気持ちでいないと痛い目にあう。被害にあった人の話を聞いても、結局のところ一瞬の油断なのだ。彼らは疲れたところを狙ってくる。空港や駅、バスセンターなど長時間の移動でヘトヘトになったところにやって来る。朝方や深夜も要注意だ。彼らは土地勘と相場観がない始めのうちに勝負をかける。だからどんな時も冷静でなければならない。


そんなことでは市井のインド人との交流ができない!と思われるかもしれない。しかし、ブッダガヤではそんな人を狙った詐欺の話を聞いた。
ブッダガヤを歩いていると気さくに話しかけてくるインド人と仲良くなる。一緒に散歩したり、ジュースを飲んだり。「明日僕の家においでよ」と誘われる。家に向かうと料理を出してくれる。彼の家族とも仲良くなって楽しんでいると帰り際にこう言われる。「お金払ってね」と。金銭の要求ならまだマシだ。どこにいるのかもわからない状況では、命にかかわることが起きないとも限らない。


さっきまで仲良く話していた人が急変するのはよくあることだ。頼んでもないのに急にガイドを始めたり、肩を揉んできたりするのはあとで面倒なことが待ち受けている。
要するに被害に会いたくなければ、楽しめるか楽しめないかは置いておいて、

『すべてを疑うこと』

小さい女の子だって気を抜かない。甘い言葉には裏があり、タイミングが良すぎる出来事は落とし穴なのだ。


だからもしインド人と仲良くなって一緒に過ごすことになるとすれば、最終的にお金を払う事になると思って望んだほうが良い。それがツアーショップや土産屋の客引きだったとしても、仕方がないと思えるなら仲良くしてもよいと思う。あとで裏切られたとしても、割り切れるのであれば。

 

上述したように、親切なインド人はたくさんいる。でも僕はその親切の最後に待ち受けるものを常に疑ってかかっている。そして何事も無く笑顔で別れた時に、ひどく罪悪感に襲われる。「良い人だったのに、なんて態度をとってしまったんだろう」と。
だからインドは難しい。でも僕は騙されたり、どこかに連れて行かれたくはないので、全てを疑いながらの28日間だった。それで楽しかったのか?と聞かれればなんとも言えない。でもそのスリリングさもインドなのだ。


おかげで大きなボッタクリや騙されたということは無かった。リキシャやその辺の買い物なんかで逐一ボラれているとは思うが、本やネットで溢れているような大きな被害はなかった。

 

 

リアル被害体験

f:id:tetsujin96:20140922011821j:plain

実際に被害にあった人たちにも出会った。
僕らの友人である台湾人のカップルはデリーについてすぐに偽のツーリストオフィスに連れて行かれた。彼らは初日のホテルの予約をしていなかった。ツーリストオフィスでは「今日は祭だからどこもフルだよ」と言われた。

電話を貸してくれたので、調べていたところに片っ端から連絡を取ったがどこも「フル」だった。結局、ツーリストオフィスの紹介で30USドルのホテルに連れて行かれた。インドで30USドルといえばけっこうな高級ホテルだが、そこはお世辞にも綺麗といえる部屋ではなかったという。
あとで考えれば、電話は自作自演(2階の電話とつながっていてスタッフが声色を変えている)で安宿街まで行けば空いているホテルはあったと思うと言った。

 

 

ある日本人の女の子は、市外地の観光地にタクシーで向かった。初めはかなりのボッタクリ価格だったので、限界まで交渉して大幅に下げてタクシーに乗った。タクシーは観光地に向かった。観光地は山の上にあった。タクシーは麓で止まる。「ここから上に行きたかったらさらに金を払え」と言われた。初めと話が違うと抗議するも、相手にされない。タクシーの運転手が圧倒的に有利だ。市外地の山の麓。周りにタクシーやリキシャはなく、人通りも少ない。しかも相手はおっさん。女の子一人だったので、だんだん怖くなって結局元の価格を支払ったという。

 

 

バラナシで出会った日本人の大学生。プージャーを見物していると「一緒に見ててもいいですか?」と聞いてくる。新手の日本人詐欺かと思ったが、尋常ではない挙動不審さだった。話を聞いてみるとバラナシでオートリクシャに乗った所、危うくどこかに連れていかれそうになったとか。行き先を伝えると初めからえらく安い値段だったので乗りこんだのはいいのだが、明らかに町から外れていく。

だんだん人家も少なくなってきたので、運転手に尋ねてみたが適当な返事。怖くなって50ルピー渡して無理矢理おりて走って逃げたらしい。するとオートリクシャのおっさんは怒鳴りながら追いかけてきたらしく、それが原因でインド恐怖症になっていた。

 

 

 

対インド必勝法

f:id:tetsujin96:20140922011902j:plain

その1,敵の狙いを考えよう!

インド対策としてまず考えなければならないのは、彼らがどこにつけこんでくるか?である。
「彼を知り己を知れば百戦して危うからず」と孫子先生はおっしゃっている。
彼らが観光客を狙うのは、

 

 ・土地勘がない
道を知らないので、実際よりも長い距離だといってボッタクる。行き先と違う道を走っても気づかないのでショップや違うホテルに連れて行く。

 

・相場観がない
タクシーや土産物の相場を知らないのでいくらでもふっかけられる。

 

・勝手を知らない
駅のチケットのシステムや寺院の入場料などを知らないので騙すことができる。

 

以上、3点をまとめれば、「予習しておけばなんとかなる」という答えが導き出される。まさに敵を知ることなのだ。

 

D28 地球の歩き方 インド 2016~2017

D28 地球の歩き方 インド 2016~2017

  • 作者: 地球の歩き方編集室
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド・ビッグ社
  • 発売日: 2016/06/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

なのでインドに行く前は、最新のガイドブックを買い、内容を頭に叩き込む。ある町に着いたのならば、その前に地図と距離感を頭に叩き込む。僕の友人は、リキシャに乗った時にIpadのGPS機能で正しい道を走っているかこっそりチェックしていた。

地球の歩き方には詐欺の手口も載っているので、暇な時間にでも読んでおいたほうが良い。

 

asia.prices.country

物価はとにかく安い。しかし、外国人と見るや平気で釣り上げてくるので、だいたいどのくらいの相場かは確認しておいたほうが良い。とくにリキシャの値段は10倍スタートも珍しくない。

インド人の平均月収は25000円ほどらしい。これは大都市ムンバイのサラリーマンのデータなので、若者や田舎はもっと安い。

 

物価の目安

コーラ500ml 35ルピー

中級レストランのカレー 150~300ルピー

ヨガのレッスン(2時間) 200~300ルピー

ACなしダブルルーム 300~700ルピー(都市部は高い)

列車(チェンナイ~コルカタ 28時間)

・SLEEPER(予約寝台) 660ルピー

・3A(エアコン車3段ベッド) 1730ルピー

・2A(エアコン車2段ベッド) 2500ルピー

 

 

www.anzen.mofa.go.jp

さらに事前にインドでどんな行為が横行しているかを知っておく事が大事だ。外務省のホームページや海外の危険情報を扱った本、被害にあったことを書いてあるブログなどで手口を予習しておく。
南米で流行っているケチャップ強盗などはその典型で、手口を知っておけば被害に会うことはない。ケチャップ強盗とはケチャップなどを引っ掛けて戸惑っている 内に手荷物を盗んだり、周りの人間が汚れを拭いてあげるフリをして財布を抜き取るという手口だ。知っていればケチャップをかけられようが、動じずにその場から逃げれば助かることができる。
ということで、インドに行く前にはぜひ予習しておこう。被害にあったあとではすべてが遅いのだ。

 

 

 

その2,とにかく無視&NOと怒鳴れる日本人になれ

慎ましく、波風を立てないのが日本人の美徳。しかしインドは最初から台風直撃の大荒れ波浪警報なので、そんなこと不要。
とにかく無視。無視に継ぐ無視。心は無。どんなに話しかけても死んだ魚のような目の日本人を見れば、だいたいのインドのおっさんは立ち去っていく。

 

それでも引かないのならば、「NO!」の一撃。こちらは怒っているんだぞという意思表示が大切だ。
それに体を触ってくるような攻撃にも「NO!」、無理矢理店に押し込まれそうになっても「NO!」だ。

二度と会うことはないインドのおっさんに嫌われようが、あなたの人生には1mmも影響はない。

 

適当な受け答えをしても上述のような嘘を返されて奈落の底にひきずりこまれるのがオチだ。とにかく無視、そして怒る。すなわち、インドでは石原慎太郎になれば良いのだ。

 

 

その3,たまには遊んでみよう

ホテルも移動のチケットも用意出来たなら、もう何をされても大丈夫だ。さすがに暴力まで使ってくるインド人はほぼいない。もし余裕があれば、たまにはおっさんたちと遊んでみよう。客引きのおっさんこそ、インドの真髄である。
彼らは日本のお笑い芸人が束になってかかってもびくともしない心臓と、無限の返し技を持っている。

ここからは僕が実際に体験したインドおやじの力量である。

 


コルカタのオートリクシャ乗り場にて
「トモダチ~!どこ行くの?」
「月に行くよ」
「僕のリキシャはNASAで買った宇宙仕様。月までは6000USドルだよ」

 


バラナシのマーケットにて
「ヘイ!トモダチ~!名前なんていうの?」
「ブラッド・ピット」
「嘘だ!僕は彼と映画に出たことあるし、彼とは親友なんだ。この前もアンジーと一緒に僕の家に遊びに来たよ。君もおいでよ。ブラピが絶賛していた絨毯だあるんだ!」

 


バラナシのガートにて
「あなた日本人?僕の店来てよ!ナイスプライスな土産あるよ!」(かなり上手な日本語)
「日本語上手だね。でも土産もう買っちゃったから行かない」
「日本人いつも同じ嘘つくね。なんで嘘つく?インド人に騙された?」
「ああそうだよ。だから行かない」
「あなたバカ。インド人悪い奴多い。80%のインド人悪い人、20%のインド人良い人。そして僕はその20%。だからあなた僕の店来たほうが良いね」

 


ニューデリー駅にて
「ハイ、ニホンジ~ン!どこ行くの?ベストプライスなツアーあるよ!」
「ツアー行かないよ。この辺りのツアー会社は危険だってガイドブックに書いてあるからね」
「それは嘘よ!私の店はとっても親切」
「ダマされないよ!あなたの顔写真載ってるよ(ウソ)」
「あなたの顔写真も新聞に載ってたよ!危ないヤ◯ザだってさ!ハハハ!」


インド人、強すぎるぜ!!!!
そんなインド人にまともに戦っては勝てるわけがないので、とにかく無視しよう。

 

 

まとめ

f:id:tetsujin96:20140922012214j:plain

・地図や相場の予習

・無視

・はっきりと「NO!」という

・常に気を抜かない

 

どれも海外旅行では基本中の基本であるが、インドは特に気を引き締めてかからなければならない。

他に逐一領収書をもらう、お釣りはしっかりと数える、迎えが来ても本物かどうか免許証などで確認する、何事も料金交渉から始めるというのも基本なので躊躇せずに行うことが望ましい。

 

 

f:id:tetsujin96:20140922012309j:plain

最後になるが、悪質な詐欺や盗難以外はどれも小さな額である。

ボッタクリにしても、大喧嘩して値引きさせたあとで冷静に計算してみると百円くらいだったなんてことも多い。

 

ヒンドゥー教やイスラム教には「施し」という文化がある。これは裕福な人は貧しいものに援助をすることは良い行いであるという文化だ。なのでインドの物乞いなんかはやたら高圧的だが、彼らにしてみれば「俺が貧しいおかげでお前は徳を積める」という感覚らしい。

インド人にしてみれば、貧乏バックパッカーな日本人でも「大金持ち」である。インドは中国以上に貧富の差が激しい国であり、急成長するGDPで隠れてはいるが、4億人もの人が世界銀行が定める基準の「1日1.25USドル以下」の生活をしている。

なので少しくらいのボッタクリなんかは寛容に払ってもいいのではないかと思う。ブログや書籍でも「値切ってやった」自慢が書かれているが、それでも地元民の2,3倍は払っているのだ。だから外国人と見ればおっさんたちは群がってくる。僕も何度も大喧嘩したが、いつもあとで虚しくなる。インドの絶対的な貧困を目の当たりにすると尚更だ。だからサービスが良かったり頑張ってくれたインド人にはお釣りをあげたり多めに払ったりした。良いサービスにはそれだけの報酬が得られると思ってくれれば、騙すよりはマシだという考えになってくれるかな・・・なんていう希望を胸に。

 

といっても許容範囲を超えるボッタクリや詐欺には断固戦うべきだ。大した努力もなしに口先だけで大儲けするような輩は断固誅滅しなければならない。なぜならそれは輪廻のごとく未来永劫続いていくカルマだからだ。そしていつまでも日本人が騙されていくのだ。

 

これだけ脅迫しておいて言うのも何だが、インドは最高だということは変わらない。人生観が揺らぐほどの経験なんて、今やインドくらいでしか感じることができないのではないだろうか?

 

最後に、僕らを騙したバスオフィスの姉ちゃんの言葉を借りよう。

「でも、インドは素晴らしいところよ!」

 

参考記事

tabing.hatenablog.com

旅につきものの盗難や破損リスクの観点から、バックパッカー装備を考えてみました。 

 

tabing.hatenablog.com

インドよりもヤバかったところ・・・