ヌワラエリヤでスリランカ最高の紅茶を飲む
8月15日
久しぶりの投稿。5日間もWIFI難民していた。インフラが弱い国では、町中ネットダウンなんてこともあるので大変だ。そんな時には優雅にお茶の話でも・・・
スリランカといえばセイロンティーで知られる紅茶のメッカ。
緑に覆われた山岳地が多いスリランカでは、良質な紅茶が作られる。
意外にもかつてはコーヒーが主産業だったというが、害虫でコーヒーの木が壊滅的被害を受けたため紅茶に切り替えたという歴史がある。
そしてもう一つ紅茶の悲しい歴史もある。
ティータイム好きな宗主国イギリス人の紅茶プランテーションと化したスリランカでは、旧イギリス植民地にありがちな民族紛争がつい最近の2009年まで行われていた。
イギリスは紅茶作りの労働力不足を補うために、こちらも植民地だったインドの南部に住むタミル人を連れてきたのだ。宗教が違うシンハラ人とタミル人が独立後に争ったのは言うまでもない。
やはり独立に必要なナショナリズムはこういった対立を生み出してしまう。
そんな歴史を感じながらも、やっぱり目指すは美味しい紅茶。
キャンディからバスで3時間、「スリランカの静岡」ヌワラエリヤに向かった。
ヌワラエリヤは標高2000mにある山間の町。
かつてイギリス人の高級避暑地だったヌワラエリヤは、国内でも有数の茶畑が広がる。
チェコでできたてほやほやの破壊力を五臓六腑の隅々まで感じたので、「美味い紅茶を飲むには紅茶工場に行くのが良かろう」と遠路はるばる茶をしばくためにやってきた。
・・・のだが、ものすごい山道。
もうお馴染みタタ・モーターズのオンボロバスに激しく揺られる3時間。
アジア名物「ゲロ吐き童子」の嗚咽をBGMにひたすら揺られる辛い旅路だった。
※ゲロ吐き童子とは、アジアの田舎で自家用車もなく育った素朴な子どもたち。とてもかわいらしいのだが、慣れない車とボロバスの乗り心地と酷たらしい道路事情によって食ったものを全て吐き出したあとも吐き続けるくらい吐きまくるサルトルもびっくりの吐きっぷりな子供。主にネパール、ミャンマー、スリランカに出没する。もらいゲロしやすい人は要注意だ。
ヌワラエリヤに着くとすぐにまたバスに乗る。
またまた激しく揺られながら最初に向かうは「ラブーケリーティーセンター」
車窓は一面茶畑しかない。それがずーっと続く。最大規模の茶畑をもつラブーケリーティーセンターは行けども行けども工場がなかなか見えてこない。
やっと到着。
バスターミナルを出て20分かかった。そのうち15分位はずっと茶畑だったので、いかに広大かがわかる。ちびまる子ちゃんも大空翼もコロ助もびっくりするに違いない。
あれ?ハリウッド??
工場の横にあるショップにはたくさんの紅茶やマグカップなどが並び、観光客が押し寄せる。
思ったより人が多く、見学のガイドが見当たらない。
ガイドと一緒に工場を見回らないといけないらしいが、ガイドが行方不明なのでちらっと中を見学。
工場内はお茶の匂いでむせ返りそうになるほどだ。
隣接するカフェで念願の出来たてティータイム。
しかも紅茶が無料で飲める。
ミルクティーとケーキは有料らしいが、なぜかミルクティーもタダだった。
肝心の紅茶のお味はけっこう濃い目、そしてすっきりとした後味。
チェコのできたてビールもそうだったが、新鮮だと雑味が無くなるようだ。この紅茶も濃い割に後味がすっきりで、しかもお茶のあの渋みがない。
上品な紅茶のお陰で気分は英国紳士。
茶畑を行く。
続いてはまたバスターミナルに引き返して「ペドロティーセンター」に向かう。
ペドロティーセンターは10分ほどで着く。
ここのガイドツアーは無料の割にかなりしっかりしている。
英語ガイドが工場内で実際に機械を動かしたり、完成品を見せてくれたりとなかなか勉強になった。
写真撮影は禁止。
紅茶には等級がある。上質なものほど高く、悪いものはティーバッグや地元用に出荷されるという。その仕分けの工程が面白かった。ベルトコンベアーで乾燥させた茶の葉をたくさんのふるいにかけていく。
ここでも紅茶は無料。
先ほどの紅茶より、香りが強く後味にほのかなフレーバーさがある。
おそらく最高級に近い新鮮な紅茶をたくさん飲めた。しかも無料で。
紅茶はコーヒーやビールと違いそこまで味の違いは強くはないが、上品な後味は病みつきになりそうだ。
これでアルゼンチンで肉、チェコでビールと最高級なシロモノをたくさん胃に収めてきた。
日本に帰ったら僕みたいな輩が入店拒否されるレベルの高級店でしか見られないだろう最高級品が、手頃なお値段でいただけるのも旅のありがたいところ。
そんな上質の紅茶に癒やされたあとは・・・
またカレーかい!!!
我々は今からカレーしかない「カレー原理主義国」を周って行くことになる。
そして僕はスパイスがどうも苦手なのだ。
スリランカのカレーは味は最高だし米なので美味しく食べられるのだが、やっぱり辛い。
辛い食べ物は食欲増進とかいうが、辛すぎると食えないのでどんどん痩せていく。
僕のように外食文化がないド田舎生まれで激甘党幹事長クラスの母ちゃんの料理ばかり食べてきた奴では太刀打ち出来ない辛さ。
一口ごとに神経をさかのぼる火柱によってのたうち回る僕を見て笑うスリランカ人。
「これ、すごく辛いんですけど」
「え?甘口だけど」
隣を見ると僕が食えないくらいに辛いカレーの上に、勢いよくチリソースをぶっかけるおっちゃん。
「前略おふくろ様、ボンカレー甘口を今すぐ送ってください」