自宅カフェ化計画~ドリップコーヒー器具はこれに決めた!~
前回の記事で書いたように散々迷ったコーヒー器具。
なんせ正解はない。自分好みの味が出せれば良いというわけではなく、日常で使うことに意味があるからだ。
そんなことを思うようになったのはこの記事から。
元から物が少ない生活をしていたが、ただ切り詰めて我慢するだけでなく、好きな物に囲まれて楽しく暮らす事こそが幸せなのだと思ったのだ。
コーヒーは毎夜、一番リラックスした時に淹れる。ただ飲むためではなく、淹れる作業自体も日常の楽しい時間に組み込まれている。
だからこそコーヒー器具はしっかりと選ぼうを思ったわけだ。
ドリッパー
ABLE KONE コーヒーフィルター 3RD GENERATION
- 出版社/メーカー: Able Brewing Equipment Inc.
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一番悩んだドリッパーはABLE KONE。
これはアメリカ・ポートランドにある「Coava Coffee Roaster」の監修で作られたステンレス製のコーヒーフィルター。
これはペーパードリッパーのように使うのだが、その性能はものすごい。
まず何度でも使える。ペーパーはいちいち捨てないといけないが、KONEフィルターは洗えばまた使うことができる。
アメリカの金持ちが好きそうなエコロジカルな感じ。その胡散臭さと自己矛盾を体系したような出で立ち。
そしてその味だが・・・は最後に。
まずは開封の儀(これやってみたかった♪)
Amazonから送られてきたカックイイ箱。
こういうのを見るとMade in USAな感じがする。
なぜか年を取るごとにアメリカ製品が好きになってきてしまった。
・・・しまった?
いきなり現れたメタリックな三角すい!
もう察しの良い読者はお気づきだろうが、こういう近未来的な、悪く言えば小学生が「すげぇぇ!」っていいそうなものに弱いのだ。
B級SF映画に出てくるウーマンロボットのおっぱいにしか見えないところが好き。
説明書が無駄にカッコイイ。
右は日本語説明書。
細かい穴が見えるだろうか?
ここから湯が滲み出るようになっている。
しかし、なんてスピルバーグなんだ!なんてルーカスなのだろう!これこそキューブリックだ!!!
わずか36gの軽さ。
だがペラペラではなく、軽く押したぐらいでは凹まないくらいの強度がある。
まるで僕みたいだ。
サーバー
CHEMEX(ケメックス) ガラスハンドル コーヒーメーカー 6カップ(並行輸入品)
- 出版社/メーカー: CHEMEX(ケメックス)
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感の良い人ならもうお気づきだろう、サーバーはCHEMEX。
実はKONEフィルターはこのCHEMEX専用に作られている。
CHEMEXは1941年、ある科学者によって作られ、その突飛でなめらかな形は一切変わっていない。
科学の実験で使うような理科系な形であるにも関わらず、そこには手作業で淹れられる生活臭が沸き立つコーヒー。
このアンニュイな感じがたまらない。
6cup用を買った。
CHEMEXといえば木のハンドルだが、ガラスハンドルタイプにした。
木のぬくもりよりも使い勝手、合理性を取った。アメリカっぽい造形。
「へうげもの」風にいうと『ぬらっ』として『どんじり』な形。
飾っているだけで空気感が変わるような気がする。
日本の茶の湯とは正反対の出で立ち。
コンバトラーVもびっくりな合体美!
所有欲が具現化したような合理的な美。
と、ひとり微笑む。だって高かったんだから。
ミル
ついにミルまで買ってしまった。
ここまで来るとかなり重度なカフェイン中毒。
しかしこれには理由がある。
僕の住んでいる町、ろくなコーヒー豆が売っていない。
近所の喫茶店にU◯Cの豆とかはあるが、一度買ってみたところ小泉旋風で列島が湧いていた時代に焙煎したようなカッスカスの味。かと言って僕の大好きなKALDIは半径100kmに無いのでそうそう行けるわけでもない。
コーヒー豆は生鮮食品だ。豆の鮮度こそ命。一度挽いたのなら早めに飲まなくては、テーブルに出しっぱなしにしていたイカの刺身のようになってしまう。
だからこそ豆で買わなければならない。やはりお店で挽いてもらうより、直前に挽いたほうが味も鮮度も圧倒的に強い。
美味しいコーヒーのためと地理的条件のため、僕はコーヒーミルを買うことになった。
ミルもまたものすごく悩んだ。
一時期、野菜ジュース用の回転刃式のジューサー(一応コーヒー豆も可)を使ってみたが、豆のバラつきがひどかった。
せっかくだから良い物がほしい。
やはり一番評判の良いみるっこDX。
最早、業務用の域なのだが値段も40000円近くとプロ並み。
6000円程度とコストパフォマンスが良いKalitaのミル。
手入れが面倒だがスペースをあまり取らないというナイスカットミル最大のライバル。
アウトドア雑誌には必ず乗っているメイドインジャパンの名機。
手回しこそ最高の香りが出るなんて説もあるが、家族4人分ともなると・・・
そんなこんなで悩みに悩んだ挙句、ナイスカットミルに。
決め手は15000円と安売りにバッタリ出会ったこと、なによりも評判の良さ、そしてこのチープでもなく圧倒的でもない存在感。
一生ものだと思い、清水寺の舞台でムーンウォークをかました。
挽き具合はまさに完璧。
ほとんどバラつきなく均等にせっせと挽いてくれる。
レビューである静電気による粉の飛び散りも、最新モデルのシルバーの粉受けだとそこまで気にならなかった。
ミルがあることで受ける最大の恩恵は、
「均一した味を出せる」ということに限るのではないだろうか?
銘柄買いのスペシャリティコーヒーとなると酸味や香りなどの特徴を如何に出せるかがポイントだが、そもそも毎回同じように豆が挽けないとその練習すら出来ない。
その他
ちなみにCHEMEXは細かい杯数の目盛りが付いていない。
そもそも計量しながらコーヒーを淹れる前提となっている。
その方が先程も書いた「均一性」への挑戦ができるというわけだ。
本当はハリオのコーヒー専用スケール(重さ測定とタイマーがセット)が欲しかったのだが、5000円という金額はすでに大枚を叩いてきた僕にはパッキャオの左ボディ並の破壊力だ。
ということで家にあったタニタのスケールとイケアのタイマーを使う。
とりあえずコーヒー器具を揃え終わる
さあ、とにかく揃ったコーヒーツール達。
まさに初任給をガツッと突っ込んだのは、労働を具現化するという当初の目標は大いに実現した。
CHEMEXを見る度に、「俺のあの仕事がこうなった」と確信できる。
もはや禅の世界だ。
このコーヒーツール達、選んだ理由はいろいろあるがここに一枚の写真を・・・
ん?
Paddlers Coffeeの丸パクリじゃん!(※すいません)
KONEフィルターの味に興味があったのも、CHEMEXの歴史がカッコイイなと思ったのもあるが、最大の理由はここのバリスタさんの淹れ方を眺めていた時だ。
「なんてかっこいいんだ」
素直にその立ち振舞に憧れてしまった。
言ってみればただの道具、それがバリスタさんの身体の延長のように感じた。そしてそこからこの部屋の色を生み出していた。高級なソファやインテリアではなく、この小さなコーヒーを作る道具たちが、空間の根源的な始まりの一点になっていた。空間を創るというのはこういうことなのだと思ったわけだ。侘び寂びに通じる道具という存在の意味、それを何となく感じたような気がした。
所有欲の最も深いところには、流行や広告の立ち入ることが出来ない人間と道具が対等な関係になれる聖域がある。それは人によって全く違う。そんなフィーリングが合うようなものに囲まれて暮らしてみたいものだ。
ABLE KONE コーヒーフィルター 3RD GENERATION ゴールド限定版
- 出版社/メーカー: Able Brewing Equipment Inc.
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※ちなみにそんな憧れのPaddlers CoffeeにあるKONEフィルターはゴールド限定版だと思う(すいません)
【追記】アウトドア用コーヒーセットも揃えちゃいました。