超初心者向けキャンプ道具の選び方「テント編」
キャンプを始めようと思う。
子供も大きくなってきたので、夫婦共に念願の家族キャンプを行うことに。
登山や世界一周でかなりハードな生活をしてきた我々にとっては、若干舐めていた「キャンプ」
だが、その奥深さと金のかかり方に度肝を抜かれたのであった。
そんなキャンプ道具の選び方を学ぶため、死ぬほど本やインターネットの海を彷徨ったので、ここに簡潔にまとめておく。
テントの選び方
肝心要のテントは非常に癖のある道具である。
種類、用途、そして金額、多種多様すぎるのである。
とにかく玉石混交で選ぶのが大変であり、おそらく一番高い買い物になるので、選ぶ目安を学んでみた。
ドーム型テント
一番ポピュラーなテント。
メリット
【風に強く結露しにくい】
丸形で天上が低いので風に強く、フライシート(テントの上にかぶせるシート)があるモデルだと結露しにくい。
結露とは、真夏に冷たいジュースが入った缶を放置しておくと付く水滴だと思えばわかりやすい。寒暖差があると発生しやすく、ひどい場合テント内がビチョビチョになる。登山でテント泊する人にはおなじみである。
テントの上にフライシートをかぶせることで、二層構造となるので結露が生じにくくなる。
【設営しやすい】
ポールを交差させて設営する。
そこまで難しくはないと言われるが、個人的にはポールの扱いが面倒ではある。
ペグ打ちが少ない。
【安い】
入門モデルに多く、安いものが多い。
デメリット
【天井が低い】
設営しやすさ、風への耐久性と引き換えに、天井が低い。
【キャンプサイトで腐るほど乱立している】
入門モデルということで、キャンプサイトに行くとかなり多いらしい。
人と違ったものが良いという人にはあまりおすすめできない。
代表的なモデル
ツールームテント
ドーム型テント+スクリーンタープ
メリット
【居住性最高!】
ドーム型テントを延長してスクリーンタープ(網戸みたいなもの)を引っ付けたもの。
なので、虫や暑さを防ぎ、快適に過ごすことができる。
また寒い時期は、タープを閉めれば外気を遮断し、暖かく過ごすこともできる。
店舗で見たが、まさに家であった。
突然の雨などにも対応しやすく、プライバシーも守られる。
【タープが要らない】
普通、テント+タープ(シートを立てて屋根のように使う)というのが基本的なキャンプスタイル。
ツールームテントの場合、テントとタープがセットになっているため、タープを改めて買う必要はない。またしっかり連結されているものが多く、居室との移動も楽チンで雨なども入りにくい。
デメリット
【設営・持ち運びが大変】
写真のスノーピーク ランドロックは少し大げさだが、とにかくデカいため設営が大変。
大人数で協力して行うなら良いが、不器用な僕のような人には確実に無理だと思う。
ランドロック=22kgと、重量もそれなりのものになる。オートサイトなら良いが、手軽に持ち運びするのは難しい。
代表的なモデル
ワンポールテント
テントの真ん中にポールを立ち上げるインディアンっぽいテント
メリット
【設営が簡単】
テントを一つのポールで立たせるため、とにかく立てるだけなら非常に楽チン。
ペグ打ちは多いが、かなり大きなテントでも一人で立てることができる。
【天井が高い】
高いものなら3~4mもある高い天井。
ベンチレーター(換気用窓)が多いモデルなら風抜けも良い。
天井から煙突を出せるモデルも有り、冬季キャンプにも向いている。
デメリット
【デッドスペースが多い】
真ん中にポールがあるため、そこは活用できない。
また△の形状なので外縁部は狭く、荷物を置くくらいしか利用できない。
最近は外縁部だけ立ち上がるモデルが人気(ベルテント)
【前室が無い】
前室とは、テント入り口にあるスペースで、ドーム型などは簡単な庇(ひさし)がついている。
ワンポールテント(特にティピーテント)は、入り口に庇が無いので、雨が降った時は中が濡れてしまう/靴の置き場がないなどの問題がある。
代表的なモデル
その他のテント
コットンテント
最近流行りといえばコットンテント。
テントの型の種類ではなく、テント生地がコットンのもの。
コットンは昔ながらの素材だが、高級感と温かみのある白色でインスタばえするらしく大人気。雨にもまあまあ強く、結露しにくい。火にも強く、焚き火やストーブと相性が良い。
だがインスタでは見えないデメリットとして、非常に値段が高い&重い、カビが生えやすいなどを忘れてはいけない。
TC素材(ポリコットン)というコットンとポリエステルの良いとこ取りの生地があり、こちらが扱いやすく口コミ評判が良い。
カマボコテント
寝室やリビングを自由に設定できる。
例えば、「人数が多い時は3分の2をリビングにする」といったような自由度の高さが人気。
設営も簡単で、最近大人気。
テントの選び方の目安
ざっと有名所は紹介したので、ここからは選び方を調べた結果をまとめてみよう。
テントの大きさ=予定人数+2人
メーカーによって広さの感覚に違いはあるが、概ね予定人数より2人足したくらいが丁度よい。
荷物を入れたり、子供が走り回ることも踏まえた上で計算する。
テントはただ寝るだけと割り切るのであれば、狭いモデルでもよいだろう。
設営のしやすさor居住性
不器用だと自認する人は、設営が簡単だと言われているテントにする方が良い。
友人のテント設営を手伝ってみたが、不器用で空間認知能力に問題がある僕のような人間にとっては非常に難易度が高い。
慣れてしまえばどうということはないらしいが、あまりにも設営に労力を感じてしまえば、せっかく買ったのにキャンプに行くのが億劫になってしまう可能性が高い。
逆に器用な人や子供が大きくてかつ手伝ってくれるのならば、設営が大変=居住性が良いということなので、一概に悪いというわけではない。
拡張性
テントは一年を通して利用するのが難しい。
夏季は虫や暑さ対策、冬季は結露対策やストーブの導入など、季節によって求められる機能が全然違う。
真冬や真夏にキャンプをするのはそもそもハードルが高いが、より広いシーズンを網羅できるテントであればあるほど使いやすい。
逆に、夏は夏用、冬は冬用と、専門性の高いテントを2種類買うという手もある。
このように、テントはある程度拡張性を考えないといけない。
最近の流行
最近は、今まで述べてきたテントの活用をガラッと変えるスタイルが増えている。
代表例のカンガルースタイルは、大きなタープの中に小さなテントを設営する。
これであれば、大きなタープを立てれば好きなレイアウトでキャンプができるし、雨や寒さなども防ぐことができる。
今までは重い荷物を運び、巨大なテントやタープを使うのが当たり前になっていたが、最近の流行はミニマムで自由なキャンプのようだ。
たしかに荷物が少なく軽いのは、誰にとっても良いはずだ。しかし、その分デメリットとして快適性を落としているものもあるので、ここの所は上級者向けであるとは思う。
でもやっぱり値段
なんといっても結局は金である。
初心者モデルなら2万円代で、普通のキャンプなら十分なものもある。
逆に、最近流行のグランピング的な豪華さとインスタばえを兼ねるモデルだと、10万円は軽く越えてしまう。
コールマンやキャプテンスタッグのような低価格ながらしっかりしたメーカーもあれば、スノーピークや小川キャンパルのような良質な国産メーカー、さらにはノルディスクやヒルバーグやテンティピのような超高級メーカーまで。
だが初心者の場合、テントにいくら賭けるかは非常に難題だ。なんせ自分がどのくらいキャンプにのめり込めるか不明瞭であるのだから。
A「初心者だからと割り切って初めは安物を買って、その後の展開は実際行ってから決める」
B「安物買いの銭失いにならないよう、初めからある程度拡張性もある良いテントを買っておく」
この2択はあらゆる趣味において究極の難題である。
Aの場合、もしキャンプが合わないと感じた場合の損失は小さい。もちろん友人に借りたり、レンタルをしてみるのが最も良い方法だが。
だが様々な経験上、初心者モデルの安いものは慣れるのは早いが飽きるのも早い。そして各メーカーは必ず上級モデルが欲しくなるような仕掛けをたくさん盛り込んでいる。
Bの場合は、もしキャンプにガッツリハマった場合は最高の選択だ。なんせ初めから欲しかったモデルを手にすることができる。初心者モデルといえどテントはやはり高い買い物。その分を高いテントに回してしまえば、お得感はある。
だが、こちらも経験上慣れてくるともっと欲しいものが出てくる。各メーカーは必ずそんな罠を仕込んでいるのだ。
もちろんキャンプが合わなかった場合、悲劇が訪れる。が、大人気モデルならメルカリヤフオクで売れば傷は小さくてすむ場合もあるが。
結局の所、資本主義経済に雁字搦めの日本において、その最も先鋭化した部分が「趣味」のカテゴリーなのは言うまでもない。カメラマニアは超高額なレンズを買い続け、オーディオマニアは1m10万円のケーブルを手にする、そう、数多くの趣味の沼に溺れた僕が言うのだから間違いない。
よって金額は冷静な奥さんに決めてもらおう(笑)
まとめ
テントの種類と選ぶ目安をまとめてみた。
セオリー通りに行くと、「初心者モデルで全て揃え、経験を積んでその都度自分のレベルに合ったものを買っていく」というのが鉄則なのは誰にでも分かる。
だが、そうはいかんのだ!人間はせっかちで身分不相応な物に価値を認める。マルクスが言ったとおり、我々は商品の奴隷なのである。
そして忙しい日本人には時間というのは非常に貴重だ。キャンプなんて週末にしか行けないし、初心者で冬や真夏は厳しい。そうこうしている内に、子供が大きくなったり、仕事がますます忙しくなったり、体力が衰えたり・・・なんて理由で結局何もできないまま時間だけが過ぎていく。
ああ、そんな事になってしまってよいのだろうか?
そう、テントを買おう!
ということで、実際に購入したテントまでの険しい道はこちらから
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