東京のスペシャリティコーヒー有名店

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コーヒーが好きだ。

コーヒーを飲むことというより、コーヒーを淹れる時間、コーヒーと共に聞く音楽、コーヒーの香りが広がる部屋が好きだ。

世界一周の旅の中でもコーヒーは幾度も口にした。

コーヒーは水の次に飲まれている飲料だと言われている。

あながち嘘ではない。貧しすぎてコーラが高級品な国もあれば、宗教上の理由でお酒が飲めない国もある。でもコーヒーはどこの国にもある。

 

コーヒーは国や文化によってその姿を変える。

スペインではミルクと砂糖をたっぷり入れたエスプレッソをクイッとやらないと朝は始まらず、トルコではコーヒーの粉ごと煮だした汁をすする。ベトナムではアルミの容器からポタポタ落ちるロブスタ種の苦い香りを嗅ぎながらしばし待ち、インドでは土で出来たコップを飲み終わったあとで叩き割る。

 

そんなコーヒーは世界一周の旅を終えた僕に、ますます染み付いたライフスタイルとなってしまった。

しかも日本に帰ってみればスペシャリティコーヒーなるものが注目されているではないか!これは飲まずにはおれまい。僕はスペシャリティコーヒーのメッカである東京に旅立った。

 

 

 

 

そもそもスペシャリティコーヒーとは?

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Specialty Coffeeの語源は米国Knutsen CoffeeのErna Knutsen女史が1978年にフランスのコーヒー国際会議で使用したのが起源で、そのコンセプトは単純明快です。

『special geographic microclimates produce beans with unique flavor profiles (特別の気象・地理的条件がユニークな香気を持つコーヒー豆を育てる)』 またS.C.A.A.(米国スペシャリティーコーヒー協会)のDon Holly氏はこう言います。 『結局スペシャリティーコーヒーはカップで決まる。一杯のカップが消費者の手に 渡るのには多くのステップがあり、 全てのプロセスで最高品質が維持されて スペシャリティー足るものが守られるのだ』

この基本理念から発展して 近年のスペシャリティーコーヒーの運動は発展してきました。 しかし何がスペシャリティーコーヒーなのかの 世界統一の定義はまだ固まっていません。

http://www.specialtycoffee.jp/specialty/specialty1.html

 

まだまだ定義はされていないスペシャリティコーヒーだが、僕が惹かれたのはその高品質な味だけではなく、作り手と購入者ともに利益があるということだ。

 

グアテマラで旅をした人に聞いた話だ。

コーヒー好きな彼はわざわざコーヒーを飲むためだけにグアテマラに向かった。グアテマラといえば世界でも有数のコーヒーの産地。

そこで彼が飲んだコーヒーは『まずかった』

なぜか?それは高品質なものはすべて輸出されてしまうからだという。そして一部の者にその富と恩恵までもがすべて握られていた。

しかしこのスペシャリティコーヒーでは、頑張っている生産者の高品質な豆を中間業者の手を借りずに消費者へ届けるというスタイルが確立されつつある。

そこにも魅力を感じたのだった。

 

 

 

 

猿田彦珈琲(恵比寿)

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早朝に新宿駅東口についてそのまま濁流のような人の波に揺られ降り立ったのは恵比寿駅。

その目の前に猿田彦珈琲はある。ここはサードウェーブコーヒーの次代を継ぐとして、マスコミや雑誌でも取り上げられている今一番注目のコーヒーショップだ。

 

 

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平日の朝ともあって客は少なめ。

忙しいサラリーマン向けに店頭でモーニングコーヒーの販売を行っていた。

しかし猿田彦と聞くとどうしても「火の鳥」を思いだしてしまう。

 

 

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コーヒー豆は100gで800円前後。

豆だけでなくカフェオレのもとやマグカップなどが売っている。

店内はテーブル付きの席とカウンター席で客が10人も入ればいっぱいになってしまうほどの大きさ。だが店内の半分はコーヒーを淹れるためだけの作業場になっている。

青を基調とした店内は、華奢なインテリアなどはなく、落ち着いてコーヒーを飲めるような空間だ。

 

 

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念願のドリップコーヒー。

スペシャリティコーヒーは以前一度だけ飲んだことがあった。普通のコーヒーより酸味が強い印象だった。

猿田彦珈琲ではその酸味の後に、フルーティーな香りを強く感じた。

それでいて苦味はコクがある。

コーヒーの新鮮さを感じた。

 

sarutahiko.co

 

 

 

 

COFFEEamp(高円寺)

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高円寺の昔懐かしい商店街の中にひっそりと佇むCOFFEEamp。

新高円寺駅に近く、高円寺といえばの古着屋や雑貨屋の雰囲気は少し薄い、八百屋や古本屋が立ち並ぶところにあった。

 

 

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そんなCOFFEEampは周りの風景に溶け込んでいる。

店内は巨大な焙煎機やエスプレッソマシンがあるが至ってシンプルだ。

 

 

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ここでは初めてエアロプレスコーヒーメーカーでいれたコーヒーを注文する。

エアロプレスコーヒーメーカーとは最近注目の抽出方法で、読んで字の如く空気を使う。

 

エアロプレス コーヒーメーカー

こんなポンプのような器具を使い、一杯ずつ抽出する。

見かけよりも簡単でなおかつ安定した味が出しやすいので、最近はプロでも利用している。 

 

エアロプレスコーヒーメーカーでいれたコーヒーはとてもマイルドに感じた。

それでいてフルーティーな香りや酸味はしっかりと残っている。

これならアウトドアでも使えそうだなとニヤニヤしてしまう。ああ、また物欲が・・・

 

COFFEEampは古着屋巡りで疲れた時に調度良いコーヒーショップだ。思わず寝てしまいそうな雰囲気だった。

 

www.coffee-amp.com

 

 

 

 

 

Fuglen Tokyo(代々木公園)

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ノルウェーにある世界最高峰のコーヒーショップの初海外進出店舗であるのがここ。

代々木公園近くの静かな路地にある。

意外にも北欧はコーヒー文化が根付いていて、コーヒー消費量も世界の上位を占めている。

そしてその北欧にあるコーヒーショップで世界が認めたのがFuglenだ。

僕も世界一周旅行で立ち寄りたかったけども、その世界最強の物価によってそうそうとプランから跳ね除けざるを得なかった北欧。

でもここならそんな北欧を満喫できる。

 

 

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店内は北欧らしいデザインで、こういう家に住みたいと思わせてくれる。

北欧の人は厳しい冬の間家の中にいることが多いため、インテリアや部屋のデザインに凝るというのを聞いたことがある。その派手すぎず機能的ででもちょっと小洒落が効いているというところが日本人の感覚にも近い。 

コーヒーは酸味と苦味のバランスがとても良く飲みやすかった。やはり1日で何杯も飲む北欧の人たちが考えたコーヒーだからだろうか?これも日本人に合う。

こりゃムーミンやIKEAやマリメッコが流行るわけだ!

 

fuglentyo.thebase.in

 

 

 

 

COFFEEVALLEY(池袋)

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池袋といえばウエストゲートパークでカラーギャングに襲われちゃうんじゃないかと心配になってしまうがここは大丈夫!東口です(^O^)

池袋駅東口は日本でも一番安く家電が買えると言われているように巨大な家電量販店のビルが軒を連ね、さらに東京でも最大規模の巨大書店であるジュンク堂書店本店があるという恐ろしく僕の物欲を掻き立てるところだ(危ない危ない)

そんな東口から少し南に向かうとビルの合間にひっそりと明かりを灯しているのがCOFFEEVALLEY。

 

 

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ここで絶対にトライしたいのが3PEAKSという飲み比べセット。

左からエスプレッソ、マキアート、ドリップと並んでいる。一種類の豆が抽出方法でこれほど味や風味が変化するのかというスペシャリティコーヒーならではの楽しみが味わえる。

なので僕のようなコーヒーが好きだけどまだよくわからないという人にはおすすめの店だ。

またコーヒーだけでなくパンやお菓子も充実している。木の温かみが感じられる店内で買い物疲れを癒やすのも良いだろう。まあ僕は欲しいけど手が出せないカメラたちを触るだけ触っただけだけど・・・

 

coffeevalley.tumblr.com

 

 

 

 

丸山珈琲(西麻布)

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丸山珈琲といえば日本人初のバリスタ世界チャンピオンまで輩出したすでに大人気のコーヒーショップ。

ちょっと入店するのに勇気がいりそうなおしゃれな店構え。

店内は純喫茶風のシックな感じで、商談中のサラリーマンたちも多い。

 

 

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コーヒーは800円前後と少し値が張る物が多いが、フレンチプレスがまるまるひとつ出されるのでゆうにカップ2杯分はある。

ちなみに味だが、僕の東京コーヒー散策では堂々の一位だった。

スペシャリティコーヒーを飲ませてくれる店ではどこも酸味や香りと本来のコーヒーのコクを楽しませてくれたが、ここはそのコーヒーのコクや苦味といった深い部分がとても研ぎ澄まされ、それでいて厭味ったらしくない。

まさに王道の日本コーヒー文化の味を体現しつつ、貪欲に最先端のムーブメントを突き進むという化け物みたいなコーヒーだった。

 

世界一周中にも感じたが、新鮮で最高級な素材を完璧な技術で仕立てあげると、後味の旨味とその持続がものすごい。これはすべての食べ物や飲み物にも言えると思う。

丸山珈琲はそんなコーヒーを飲ませてくれた。

 

www.maruyamacoffee.com

 

 

 

 

Paddlers Coffee(渋谷)

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渋谷の宮下公園沿いにあるショップが立ち並ぶ通りにある・・・のだがこの店を探すのが一番大変だった。

ショップの二階にあるのだが看板は小さいし店内の奥の方にあるので少し迷った。またこのショップが高そうなブランドっぽい(知らない)ので僕のような人間はすごくすごく入りづらい。

 

 

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店内はとても小さくて6人位でいっぱいになってしまう。

黒い壁で覆われた店内は落ち着いた雰囲気だ(おかげで写真がぶれた)

アメリカのポートランドで暮らしていた店主が本場の味を楽しませるとあって、外国人が2人もいた。

なんかシャレオツな空気でヒヤヒヤしながらコーヒーを待つ。以前銀座のランブルという超絶入りづらいオーラが漂う名店よりははるかにマシだが、こういうところでビビっちゃうのが悲しいところ。

 

ポートランドで焙煎され直空輸されたコーヒーは苦味は薄めだがフルーティーな香りと酸味が一番強かった。

メニューがワインの紹介のように書かれているので、一番香りが強いものを選んだ。メニューを見ながら飲み比べるのも面白い。店主のお兄さんはとても優しくていろいろ教えてくれる。

まさにスペシャリティコーヒーといったコーヒーが楽しめた。

 

Paddlers Coffee

 

 

 

 

西武(新宿)

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最後に行ったのは友人に連れて行ってもらった西武。

昭和39年から脈々と受け継がれているJAPANESE・COFFEEの精神が具現化したようなTHE純喫茶だった。

なんでも今話題のブルーボトルコーヒーのオーナーは日本の純喫茶に感銘を受けていたとか。

タバコの臭いが染み付いたソファー、ちょっと色あせたステンドグラス、正装のボーイのおじさん、雑誌に新聞、ああここは日本人の故郷!

 

 

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この苦味の効いたコーヒーもやっぱり良いね!

コーヒーは居心地もセットになって楽しむというのが日本流。

今は少なくなってしまったこういった喫茶店だが、やっぱり落ち着いてしまう。

 

珈琲 西武

 

 

 

まとめ

Casa BRUTUS (カーサ・ブルータス) 2015年 4月号

Casa BRUTUS (カーサ・ブルータス) 2015年 4月号

 

今回の東京コーヒー巡りで参考にしたのはこの雑誌。

まさに新たなコーヒームーブメントの発火点みたいなところばかりだった。

それも僕とあまり年が変わらない人たちが、外国や有名店で修行して資金作りに奔走しながら作り上げた店も多い。

新しいことに挑戦することは大体が失敗を伴う。最近はちょっと噛んだくらいで馬鹿にされるくらい失敗をフルボッコにする風潮だが、そういったものを吹き飛ばしてしまうくらいの熱量を感じた。ぜひ頑張って欲しい。

 

 

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そんな応援したい気持ちもあってか、豆を一袋だけ買って帰った。

「やい田舎者共!これが今、花の都・大東京で一番ヤングでナウいコーシーだぞよ!」

と家族にお土産として飲んでもらった。かねがね好評だったが、店で飲んだ味とは違う。まだ修行が足りないようだ。

 

 

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僕がこの旅で古本以外で唯一買ったもの。

いや~いろんな店に行ったけど、結局いつも古本くらいしか買わないんだよね。

で、このコップはFireKingという60年前のアメリカのビンテージなコップ。

お値段6000円!!!!!!

嫁よ!お前のその呆れた顔はもう見飽きた!

 

 

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原宿にある専門店で買っちゃった♡

 

 

 

・・・お叱りもうけたし、さあ、働くぞ!

 

~東京旅終わり

 

 

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